程なくクラブGの周辺をうろついていたら、先程の外交ナンバーの車を発見した。

ナンバーからどこの国かは判明したが、治外法権のため下手は打てない。

息子達が帰って来るのを張り込みをして待ち構えた。
交代要員を呼び張り込みをし6時間後に息子達が女を連れてクラブから出て来た。

その後、車は六本木にある超高級マンションの地下駐車場に消えた。
建物内部には入る事は出来ないので、これまでの状況を依頼人に伝えた。

そして依頼人の指示によりマンガ喫茶にて息子の帰りを待った。

その後フラフラしながら息子は帰って来た。

個室に入るとカリカリ音が聞こえた後、何かを吸い込む音がした。

後でゴミ箱を見たら、アッパー系のリタリン(向精神薬)だった合法薬たがスニッて使用したのだろう。
医師の正しい処方箋があれば使用する事は問題は無いが、スニッフして使用する物では無い。

依存性や耐久性もある為、使用するにつれもっと刺激的な薬が欲しくなるだろう。

すぐに依頼人に連絡を入れ手遅れになる前に連れて帰る様に話した。

1時間後、依頼人が到着し暴れる息子を無理矢理車に押し込み家に連れ戻した。
息子の持ち物からはリタリン以外にも薬物が出て来た。

息子がどれくらいドラッグに溺れているかは分からないが、薬物依存者のケアセンターを教えて連れていく様に勧め調査は終了した。
金曜の21時を回った頃、息子は動きだした。

駅からタクシーに乗り広尾に向かい駅の近くにあるファーストフード店に入ると友人らしき外国人青年が4人。

歳はみな18~20歳ぐらいである。

外に車を停めた仲間らしき青年に声を掛けられ、みな車に乗り走り去った。

車は外交ナンバーのBMWだった。
たぶん付近にある領事館の子供と思われる。

すぐタクシーを拾い後を追ったが外交特権か、一般道をかなりのスピードで走っている為途中で見失った。
タクシーの運転手曰く、最近外交特権を利用してやりたい放題な連中がいると噂になっているそうだ。

タクシー運転手がそんな輩が出入りしているクラブを数件教えてくれた。

1件目はクラブI
客層は外人が8割
黒人の黒服が出入口で立っていた。
入ろうとした瞬間肩を掴まれ、ジャップ1人じゃ入れないと言われた。

仕方なく金を握らせたら態度をコロッと変え中に案内された。

ひと昔前なら白人男性と日本人女性のカップルをよく見かけたが、黒服が言うには最近の白人は貧乏人ばかりらしく黒人の方が人気があるらしい。

2件目クラブV
客層は外人日本人の半々。2階にはVIPルームがあり酔ったフリをして入ろうとしたら、SPに止められた。

どうやら海外の俳優がお忍びで遊びに来ていた。

3件目クラブG
客層は外人日本人の半々だが、他店とは明らかに空気が違う。

入り口からして監視カメラが2台設置されていた。

ホールの中央では大音量の中、半狂乱になった男女が激しくヘッドパンキングしている。
カウンターに座っているやつらはそれを見ながら微睡んでいる様子だった。

2階部分にはVIPルームらしき部屋があったが、そこへ続く階段には黒服が居て立ち入り出来ない様になっている。
トイレには使用済みの注射器が転がっていた。

この手のクラブに行くとトイレを見ると大体のアングラ具合がわかる。
あとは空気を嗅ぐ事。
翌日ある男と息子が接触した。

マンガ喫茶の近くのファーストフード店に二人で入ると、男は息子に何やらリストの様な紙を数枚渡して去って行った。

息子の監視を調査員に任しその男を尾行した。

マンガ喫茶から歩いて10分の所にある雑居ビルの中に男は消えて行った。

勤め先と思われる会社は個人輸入の代理店であった。
その後帰宅するまで男を尾行し所在も判明した。

男の名前は、今井○○31歳妻子供1人と都内のマンションに住んでいる。
今の勤務先には6年前に入社していて、これと言った怪しい点は見当たらない。
一方息子の監視をしている調査員から連絡が入った。
どうやらリストはオンラインゲームでのアイテムなどの売買をした事のある顧客データらしい。

データにある顧客に片っ端から接触しアイテムを売るつもりらしいが、実際には売らず金だけ頂こうとしている様子だと

たぶん口座は男性が用意して息子が空売りして小遣いを稼いでいるのだろう。

お金には不自由していないのにこんな事をしているのだから、家に居るのは相当苦痛なのだろう。

これで証拠を固めれば調査は終了と思いきやそうは行かなかった。