今回は人探しです。

内容としては依頼人の姉を探して欲しいと、姉はるな33歳(仮名)はとある街で風俗店にて働いていた事までは分かっているが現在消息不明。

地方に住む依頼人妹は父親が他界したあと母親と自分と子供の3人暮しをしていたが、先月その母親は交通事故に巻き込まれ亡くなってしまった。

早く姉を見つけて3人で暮らしたいと・・・。

もし借金があるなら清算できるくらいの余裕があるため、風俗からは足を洗って欲しいとの事であった。

依頼人に姉の住まいであるアパートを教えてもらい鍵を預かった。

アパートは姉が家賃を3ヶ月滞納した時に初めて実家に不動産屋から連絡があったらしい。

その後は姉が帰って来るのを待つ為に、家賃は妹が今日まで払っていたのだった。

トラックをレンタルしアパートに到着した。

今回は手掛かりを探すついでに依頼人の希望により、アパートを引き払う事になったのだ。

アパートのドアを開けると、ドアポストからの郵便物が玄関に山の様になっていた。

まずは片っ端から段ボールに荷物を詰めた。

電気・ガスはすでにストップされていたので換気扇も回せずホコリまみれになりながら、2時間で部屋の中をカラにした。

このまま荷物を依頼人の家まで運び、手掛かりなりそうな物を物色した。

その後依頼人は親戚一同を集め今回の惨事について説明を行った後、タクシー会社とドライバーを訴えた。
祖母は診断の結果認知症と診断され、24時間態勢の施設に入所した。


裁判を傍聴した事により、詳しい内容を確認する事が出来た。

主犯のタクシードライバーは、たまたま乗せた祖母を目的地まで送った所運賃とは別に1万円を渡された。

これはいい客を見つけたと携帯電話を教えた所、翌日連絡を貰い運賃とは別にまた1万円をくれたのだ。

そこで親密になる為に、祖母にお土産を持って行き家に上がらせて貰った。

お茶を入れに祖母が立った時に、カバンから札束が顔を覗かせていた。

その後子供が産まれた話をしたらその場でお金を数え20万円渡され、翌日も子供の話をしたらお金を渡して来たのだった。

またなぜ離れたデパートに行ったかについては、昔旦那とよく行ったデパートのレストランの話を聞いて近くのデパートでは運賃が安いので、わざわざ15キロ離れたデパートに連れて行ったのだった。

そして夜には仲間のドライバーを連れ祖母の家で寿司を食べるたり小遣いをもらう事が日課になっていた。

株券や金の延べ棒も押収された。

盗んだのはいいが換金方法が分からなかったのだろう。

しかしドライバーは盗んだのでは無く、祖母がくれたと最後まで言い張っていた。

実際にくれたとしても常識の範囲外の事である。


仏壇で微笑む旦那の写真を見ると、どことなくドライバーの顔に似ていた・・・。

祖母は旦那の面影のあったドライバーを「お父さん」と呼んでいたらしい。
電話もインターホンも知り合いの人が、一人暮らしだと無用心だからと線は抜かれ電源は切られたとの事であった。

その知り合いとは例のドライバーの事だろう。

祖母は依頼人の言う事には全く耳を傾けず、例のドライバーの言う事しか聞かない様子であった。

また祖母のカバンには現金が360万程入っていた。

毎回降ろしに行くのは面倒なので1回に500万づつ降ろしていたのだと言っている。

確かに依頼人が通帳を確認したら3日前に500万降ろしていた。

3日間に食事・タクシー代・小遣いとして140万近くが消えた事になる。

遺産として通帳には数千万が入っていたが確認した時には半分近く減っている。
調査より警察に行き被害届を出すように依頼人に話した。


翌日素知らぬ顔で例のドライバーが祖母の家に現れた。

玄関の鍵を開け
「お母さ~ん。
迎えに来たよ~。」

ドライバーは玄関を上がり居間まで入って来た。

その居間に依頼人と自分が座っている事に驚いたドライバーは
「あっ失礼しました。」と帰ろうとした。

自分はその場でドライバーを取り押さえ、依頼人に警察を呼んでもらった。