良いもの作れば売れるわけじゃあない。 | パソコン修理の『ゆーもあねっと』®

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懐かしい写真がでてきたので、昨日に引き続きパイオニアネタを・・・。

 

その昔申し上げたかも知れませんが、

私は2000年3月~2008年3月まで8年間、パイオニアの販売員としてアルバイトをしてました。

といっても、おそらくかなり特殊な扱いをしていただきました(たぶん)。

 

というのも、社員じゃないと参加できない新商品勉強会や、

販売店向けの展示会・勉強会などにも誘っていただいたり、

販売店の新店オープンや改装の際には、準備から手伝ったりしました。

静岡県磐田市にあった100満ボルトという量販店の閉店のお手伝いも行きましたね。

だから、下手したらそんじょそこらのパイオニア社員よりかは

商品のことをよく知っていたのかも知れません(笑)

実際、良く売ってましたからね。

他のメーカーから引き抜きもありましたが、

私を雇っていただいた恩義がありますから、誘いには決して乗りませんでした。

まあ、周囲もこいつは(パイオニアが好きすぎて)ダメだって思われてたと思います。

2,3度そんな話もありましたが、それ以降はぱったりとなくなりました。

 

さて、この写真は2005年頃の写真です。

私も愛用していた第6世代のパイオニアプラズマディスプレイの販売店向け展示会の様子です。

 

 

この頃は、液晶も大型化が進み、プラズマディスプレイの市場を侵食し始めた時です。

パイオニアは、もうプラズマディスプレイに社運をかけてしまったので、

液晶メーカーのネガティブキャンペーンを払拭するのに必死でした。

 

よく言われているのが、消費電力がプラズマの方が多いという話。

カタログ上で比較すると、確かにプラズマの方が多いです。

しかしそれは、あくまでもイチバン多い時の話で・・・。

とか、まあこうやって電力計を並べて、液晶と変わらないんですよってアピールしたりね。

 

 

こっちは、コントラスト比の比較です。

会場には、パナソニックのプラズマテレビも持ち込まれ、

黒の沈み込みとかの比較をやってました。

 

まあ、とにかくパイオニアのプラズマディスプレイは、

他社に比べて映像もキレイだし、音も良いから、良いものだ!

というアピールばかりしてきました。

 

しかし、結果的にはパナソニックや日立などのプラズマ陣営はもちろんのこと、

ソニーやシャープ、東芝にもコテンパンにやられてしまったわけで。

 

だから、『良いものを作れば売れるわけじゃあない』のホント、

見本みたいなケースなんですよね。

特に、趣味の分野で、機能や数字で差別化しにくいのであれば、

如何にお客様のニーズに応えるかが問題になってくると思うんですよ。

 

例えば、パイオニアは最後まで37型を作りませんでした。

今でこそ、40型、50型は当たり前だったのですが、

ブラウン管が全盛だった当時、だいたい32型が一般的で、大きくても36型でした。

そこを思いっきりジャンプアップして、43型となると、

「大きすぎる」という意見が大半だったんですね。

お客様や、販売店からも「37型があれば、絶対パイオニアを買っているのに・・・」という意見はありました。

生産設備の問題もあるでしょうが、ここで37型を展開していたら、少しは変わったかも知れません。

 

ぶっちゃけ、今のテレビの大型化を推進したのは、プラズマというよりは、

液晶が大型化したからだと思います。そうなってからじゃ、もう遅いですよね。

 

なので、パイオニアは完全に努力の方向性を間違えたんだと思います。

自分のやりたい事が、決してお客様に受け入れられるとは限らない。

 

 

 

日本人は、商売が下手くそだと聞きます。

商売が下手くそというよりか、マーケティングができてないんですよ。

だから、良いものを作れば売れるなんて思うんですね。

過去の成功体験が足を引っ張ってるんだと思います。

 

新しい事業を始めるときも、新商品を開発するときも、

まずは、マーケティングをして、それから自分ができることと、

市場のニーズがマッチしてるかを考えて、それから展開していかないと。

 

独りよがりな商売は、身を滅ぼしますのでね。