コア構想の果てに。 | パソコン修理の『ゆーもあねっと』®

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新しい事務所のミーティングルームには、レトロゲームがずらっと並んでいるわけですが、

ここ最近、『PCエンジンを知らない』という方に出会いまして、

衝撃を受けたところでございます。

本日は、そんなPCエンジンのネタです。

 

 

私の中でPCエンジンというと、初代の白い本体が非常に思い出深い代物です。

その次が、写真右側に移っている『スーパーグラフィックス』という機体です。

 

PCエンジンの上位互換にあたるもので、単純に言えばビデオ表示機能を大幅に強化したもので、

専用ソフトも発売されてました。

ただ、まあバブル時代のアレってこともあり、マーケティングとしては失敗だったんですけどね。

 

ただ、私の同級生がこれを所持しており、更に『大魔界村』も所持してました。

大魔界村といえば、メガドライブ版が思い浮かぶかもしれませんが、

私がコンシューマー機でプレイしていたのは、

こっち側でして、完成度が非常に高いモノでした。

その後、メガドライブ版をやったら、

特にグラフィック面でPCエンジン版よりも劣っており、ガッカリした覚えがあります。

 

んで、左側にあるのは初代CD-ROM2(シーディーロムロム)です。

今でこそ、光ディスクでゲームが提供されていますが、

実はPCエンジンこそが世界で初めて光ディスクでゲームを発売したゲーム機なのです。

 

当時PCエンジンは、『コア構想』というマーケティング戦略をとっていました。

すなわち、PCエンジンを核として様々な周辺機器と接続することで、様々な拡張を図るというものです。

ゲームを光ディスクで販売するというのも、そのひとつですね。

 

光ディスクで発売することによって、ゲーム容量を大きくすることはもちろん、

ゲーム内のBGMに、CD-DA(CD音源)を使うことができるので、

ゲームの内容、グラフィック、音質で、それまでできなかったことができるようになりました。

そもそも、ゲームなのに「登場人物がしゃべる、動く(いわゆるアニメーション)」することが

かなりの衝撃でございました。

 

ただ、それを実現するにはかなりの金額がかかりますが・・・(;^ω^)

そこは、さすがバブル時代のゲーム機だなと思います。

 

んで、その初代CD-ROM2にスーパーグラフィックスを接続したいところなんですがね、

このままじゃ接続できないんですよ。スーパーグラフィックスが無駄にデカイから。

 

 

そこで、こんなのを使います。

 

 

つうか、こういうのを使わにゃならんのだったら、

もうちょっと本体の設計を考えろよと思います。

 

そもそもスーパーグラフィックスは、

それこそ本当にクルマのエンジンを模したものだったみたいです。

あたしゃどうしても、カニに見えてしまうのですが。

 

 

使い方はこんな感じですね。

電源は双方に供給しなければなりません。

また、映像はスーパーグラフィックス側から出力します。

 

メガドライブが、上に積むのに対して、PCエンジンは水平に延びていきます(笑)

 

 

さて、初代CD-ROM2に付きものなのが、システムカード。

これをPCエンジンに差さないとCD-ROM2のゲームができません。

また更にそれも種類があり、この度はその最終形『アーケードカードPRO』を用意しました。

 

PCエンジンの最後期になるとネオジオのゲームが、

アーケードカード専用として移植されるようになりました。

ただ、それを遊ぶにはそれ相応のシステムカードが必要になります。

初代CD-ROM2を持っているユーザーは、このPROでなくてはいけません。

ちなみに、定価は17800円です。

ただ、発売時期が遅かったのと、その時には次世代機のウワサもあったものだから、

商業的には失敗だったみたいです。

 

ま、コレクターとしては、やってみたい感じですわ。

 

 

こんな感じでね(笑)

 

だから何なんだと思うかもしれません。

でも、できる!やれちゃう!!ってことが重要なんですよ。

実際これで遊ぶか?と言われたら、たぶん遊ばないと思いますが。

この画面をみて、感無量ってな感じです。

 

 

 

最後に、PCエンジンの開発は、NECホームエレクトロニクスとハドソンが行ってました。

NECホームエレクトロニクスは、PCエンジンの後継機として『PC-FX』を開発しましたが、

PlayStationや、セガサターンとは違った戦略をとってしまった(2Dに注力)ため、

早々に市場から姿を消し、それも原因のひとつとなり、NECグループの大規模リストラのあおりを受け、

NECホームエレクトロニクスも解散することになってしまいました。

また、ハドソンも『PC-FX』については、開発に関わっていたのですが、

3Dに対応しきれず、ハード開発からは撤退。

その後、持ち前の技術力で、ゲーム以外の分野へ進出したものの、

北海道拓殖銀行の破綻により、資金繰りが悪化。

コナミの資本参加を経て、吸収され、会社としても

そして最終的にはブランドもなくなってしまいましたとさ。