【中学受験】双子の姉妹の体験。「合格発表・・不合格だった子の話」を紹介して | クラシック音楽とお散歩写真のブログ

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リライトします。
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シロクマさんのブログを一番最初に紹介した時に、その記事の紹介に対するお礼とともに長文の体験談頂いてました。
2018年のお話で、この方とはのちのち情報交換をさせていただいておりましたが、お子さんたちは充実した毎日を送られているようです。
 
記事全文(一部個人名の所を修正)の掲載許可いただき、紹介した記事をリライトして再掲載します。
双子の姉妹の中学受験体験談です。
 
 

双子の姉妹を持つ母です。

 

双子と言っても二卵性ですので、顔も背丈も性格も異なります。行動でシンクロするようなこともありません。

 

今年、二人の受験が終わりました。でもこんなに気持ちがザワザワして落ち着かないことは今までの人生で一度もなく、夜眠くて布団に入るとふと「あの瞬間」がフラッシュバックして眼が冴えてしまいます。

 

長女はおとなしい控えめなタイプですが、コツコツ真面目に取り組むタイプ。器用でもあり所謂「優等生」ですが、学校の委員係りなどには一切自分から立候補しません。また自分の意見を言わないので、親である私でさえ「何を思っているのか」「何に悲しんでいるのか」「何に怒っているのか」を聞き出そうとしても「だいじょうぶ」「なんでもない」で終わらされ、掌握できない事が多々。しかし、家の中では明るく素直で人に対する気遣いもできる娘で、頼れる存在です。

 

次女の方はというと、常に友人に囲まれ、お誘いも多く、休日は家にいないタイプ。学校の成績もよく、周りからも先生からも慕われて、学校行事にもよく駆り出されますし、こちらが存じ上げないお母様からも次女の話題で声をかけていただくこともあるような娘です。なんとなく二人の違いを解っていただけたでしょうか?

 

地域柄とでもいいましょうか? 中学受験する子がクラスで半分程度いるので、小4になる寸前に二人とも近くの大手塾に通い始めました。やはり! と申しましようか。長女の方が週テストは高得点、次女の方は波があり安定していません。自宅の勉強に取り組む態度や集中力も全く違います。双子なのにこうも違うのかと驚くほどです。

 

私たち夫婦は共稼ぎなため、自宅で勉強を教える、見るなどもあまりせず、成績やテスト結果にも一喜一憂することはなく話を聞いてあげたり、塾での面白エピソードや友達の話題で盛り上がる程度の関与、あとはプリントの整理やテスト会場の送迎くらいなもので、ほぼ塾任せのような状態でした。

 

小4の6月から文化祭などにも二人そろって参加し始めましたがその年はまだお祭りに参加する程度の感覚でしたが、5年の春秋にはたくさんの学校の説明会・文化祭に足を運ぶうち、姉妹がそれぞれ「ここに行きたい」という学校を見つけました。姉妹の希望する学校が全く重なっていない事に半分驚き、半分納得するという結果に。

唯一共通することと言えば、どちらも同じくらいの難関だということくらいです。まぁ目標は高く持った方がいいだろうとその効果を期待していましたが、その効果が顕著に表れたのは6年になってからの次女の成績の上昇でした。

5年の後半は長女と次女ではふたクラスほどの差がありましたが、6年夏前の公開模試では次女の偏差値が上回るほどになっていました。

 

長女はそれでも黙々と勉強も普段の生活もしており、安定させた成績を取り続けておりましたので、塾の先生からは長女の第一希望は大丈夫でしょう、と太鼓判押されるほどに。また次女の方も長女と同じ上のクラスに入り、当初の次女の希望よりももっと上を目指しましょう、ということになりました。次女も塾の先生の熱い指導や学校の魅力を説明されてすっかりその気になり、最終的には長女より難関ともいえる学校を第一志望とすることとなったのです。

 

さて、いよいよ受験。二人の受験校がバラバラなため夫にも会社を休んでもらい、さらに義妹にもお願いしてフル回転。受験、移動、午後受験、合格証受け取りなどシミュレーションを組んでのいざ本番です。

 

長女はいつもと同じように冷静に、でもちっょと緊張した面持ちで試験会場に。

次女は塾の応援を受けてわぁわぁ騒ぎながら、夫を振り向くこともなく開場に消えたと言っておりました。

 

姉妹の第一志望校の合格発表日は同じ日です。私と姉妹三人でそれぞれの学校に見に行くこととなりました。

まず長女の学校へ。沢山の報道陣と受験生と保護者達。受験当日の何倍も緊張させるものがありました。

 

掲示が始まった時、なかなか前に見に行こうとしない長女に対して、次女は背中を押してどんどん進んでいきました。二人で笑顔で走ってきた姿を見て私も自然とこみ上げるような笑顔に。涙とかではなく、本当に笑顔で笑って三人で抱き合いました。

 

次女は「次はわたしかぁ、なんか怖いなぁ」と言いながらも希望を持った表情を見て、私も「大丈夫だろう」と内心では思っておりました。とにかく急いで次女の受験した学校へ。

 

時間がずれた為か先ほどの学校よりまばらで報道陣もいませんが、まだまだ独特の雰囲気を残したままの掲示板前。

次女は、「二人は待ってて、一人で見てくるから」と私たちを制し、さっさと走って見に行きました。

 

私たちが掲示板が見えるところまで追いついてきた時に、次女の立ちすくむ姿が見えました。

「まさか」。

 

一瞬にして合否を悟るほどの陰のある立ち姿。普通に立っているだけなのに...

 

異変を感じた長女が駆け寄り、妹から受験票を取ってもう一度確認している状況が目に映っていましたが、私にはどういう言葉をかけてあげていいのかがわからない程混乱しており、次女と同じように固まっていたのだと思います。

 

次の瞬間、長女がしゃがみ込み、泣き始めました。それは抑えられない感情の渦を吐き出すようにどんどん大きくなって、周りの人たちからもジロジロみられるくらいに大声に。肩も痙攣しているかのように大きく揺れています。

 

どう見ても落ちたのは長女の方だと思われるような光景でした。私は混乱の渦中から現実に引き戻されました。そして何よりも見たことないほどのこの長女の感情むき出しの姿に驚き、気が付いたら駆け寄り長女を抱きかかえていました。次女も驚いて長女に「大丈夫だよ、わたし大丈夫だから、泣かないで」と言いながらも、そのまま私と姉妹二人、三人で抱き合って泣いてしまいました。

 

その帰り道に私は呆然としてこれまでの数年間、今年に入って成績が伸びてきた次女の頑張ってる姿がフラッシュバック。長女も下を向いて歩き、落ちた次女だけが、明るい感じで、「ごめんね、ママ、ごめんね、〇〇(長女)」と言ってました。

 

今回のしろくまさんのお話を読んで、その時のことを思い出し、また涙してしまいました。

 

その日は三人でおいしいものを食べ、次女の受験続行の決起会となりましたが、私自身は結局何もできないままでした。逆にこの姉妹に救われたと思っています。

 

結局、長女は第一志望校に合格。次女はもともとの第一志望の学校にも縁がなく、第三志望に進学することとなりました。

 

それでも次女は明るく前向きで、長女の学校とも遠くないし、途中までは電車も一緒だから、と新生活に胸を膨らませています。でも入浴の時に一人ですすり泣いていたのを私は知ってしまいました。そういう意味では私は今でも心がチクチクしています。もっとサポートしてあげられなかったのだろうか、誘導してあげられなかったのだろうかと。

 

私にとっての「あの瞬間」は次女の不合格という事実より、長女が泣き叫んでいた姿とその横で立ちすくむ次女の姿

という衝撃的な映像となって残っています。

それもこれも、次女の心の中にもそして長女の心の中にも何かわだかまりが残っていると感じてしまうからです。私の考えすぎ、思い過ごしかなとも思いましたが、今まで見せなかった、ふとした瞬間の悲しげな次女の表情に、長女も気がついてるのかもしれません。

 

本日は次女の学校の入学式でした。校門では三人で記念写真を撮りました。その三人目は夫ではなく、長女でした。

 

次女の学校の入学式には同伴家族は一人でお願いしますと書かれていました。父が行くのか母が行くのか、と家族で話していた時に、次女は「長女じゃダメ? 大人じゃなきゃダメ? 長女に来てもらいたい」と言ってきたので驚きました。しかも顔が真剣です。そこで多分無理だろうとは思いつつ、学校へ問い合わせてみました。なぜ娘がそう主張したのかも説明させていただきました。学校の担当の方は「そういうことでしたら、親御さん一人と長女様も是非ご参加ください。かまいませんよ」と言っていただけたのでした。

 

三人のとびっきりの笑顔の写真を撮ることができました(夫よ、申し訳ない(笑))

 

しばらくしたら、いやもっと大人になったら長女に「あの瞬間」のことを聞いてみたいと思っています。

次女に何故長女の参列を望んだのか聞いてみたいと思っています。

 

その時初めて「あの瞬間」のフラッシュバックから逃れられるような気がしています。

 

でもそんなことしなくても忘れられるくらいの充実した学校生活を支えてあげられたらと思っています。

 

しろくまさんの体験のように、子供は強い、と感じる日が来ますようにと願う双子姉妹の母より。

 

素敵なエピソードを紹介してくださり、ありがとうございました。