アジアの給与と人事戦略 (2) | 人事マンのブログ

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まず最初にアジアの経済について紹介したいと思います。

まずは中間層の人口について、以下は世界の富の中間層の人口の比率です。

2009
アジア:28%
ヨーロッパ:36%
北米:18%
中南米:10%
中東・アフリカ:6%
その他:2%

2020
アジア:53%
ヨーロッパ:22%
北米:10%
中南米:8%
中東・アフリカ:5%
その他:2%

次に100億円長者人口のランクです。
1位がスイス、2位にシンガポール、4位にHK、8位に台湾です。(日本ははいっていません。)

購買力のある中間層がどれだけ増えるかがアジアの経済にとってもっとも重要です。
日本以外のアジアの国に今の倍以上の中間層が生まれてくることになります。
ものすごい購買力をアジアはもつことになります。

次にアジア各国の月額の最低賃金を紹介します。
以下のデータは、IFC WORLD BANKからの抜粋です。
(USD)
Hong Kong (HK): 634
Taiwan:631
Malaysia:257-289
Philippines:123-241
China:112-236
Thailand:211
Indonesia:88-160
Bangladesh:37-49
India:46
Vietnam:40

そして次に労働者の教育水準の指数です。Business Inquirer からの抜粋です。
指数が高いほうが、基本的な教育を多く受けているということらしいです。

Japan: 13 (世界最高数)
S. Korea: 12
HK: 11.5
Singapore:11
Philippines:11
Malaysia:10.5
China:10
Indonsia:9
Thailand:8.5
Vietnam:8
India:7

タイランドは、労働者の教育水準が低いにも関わらず、最低賃金が高いのがわかります。これは、政府の政策によるものですが、タイに投資している企業は、日本企業だけのような印象を受けます。実際にタイにある欧米系ヘッドハントの会社のエージェントが、7割の顧客が日本企業だといっていることからもわかります。なぜ日本企業はタイに投資をするのかは、別途私見を書かせていただきます。

労働者の教育水準について、フィリピンやマレーシアのデータに少し疑問はあるものの、大体あっているのではないかと思います。
データから、中国の賃金は安くないということがわかると思います。NIKEは中国からVIETNAMに工場を移転しました。
中国メーカでON_LINE衣料メーカの最大手の VANCLやアディダスはバングラデッシュに生産拠点を移しています。
労働者が多く必要であまり教育が必要のない製造は、コストがもっとも重要で、最低賃金の指数が重要になることがわかると思います。
一方でハイテクはどうでしょうか。DELLは、生産をインドに移しました。理由はエンジニアの多さと賃金の安さです。
日本企業は、インドネシアに目を向けているようで、23の企業の工場が昨年インドネシアに拠点を移しました。
この投資は正しいように思います。高い教育を受けた人間も多く、一般労働者の賃金も安い。かつインドネシアの経済はとても活力がありますので、
インドネシア国内用生産としてもメリットがあります。ちなみに、インドネシアのGDPは2011年に世界15位。2017年に世界13位。2043年には世界6位となっています。インドネシア政府は、1位中国、2位インドにつづく世界3位を目指すことを発表しました。
ジャカルタに行ったことがある方は、同じ印象を受けられているのではないかと思うのですが、とんでもない大都市です。またシンガポールに続き洗練されたビジネス大都市です。経済規模においては、2011年にジャカルタは東南アジア1位となっています。データのみを見ると、インドネシアは将来性のある国ですが、問題も多々あります。
まず、法律、社会保障など社会制度のインフラが経済の成長に追いついていません。スカイラインの建設も3年前ほどから停止していますし、空港も
効率がとても悪いです。また、治安が悪く、中心地はよいのですが、郊外は恐ろしいです。
イスラム文化は日本人にとってとてもチャレンジですが、それらのリスクを背負ってでもインドネシアは魅力的な国なのでしょう。

世界の工場といわれた中国から生産拠点が移動しているように思われますが、中国の生産は毎年のようにあがっており、工場が毎月のように新しくできています。中国から製造拠点を動かす理由はコスト高だけではなく、労働者不足もあります。中国企業(製造)が倒産するもっとも多い理由の一つに労働者の確保が挙げられているほどです。 また、拠点を動かすのが難しい多くのハイテク企業は、いまだ中国に頼っています。中国は広大ですので、中国国内で工場を動かすだけでコストを抑えられます。海岸から西への移動です。そうすると賃金も安くすみます。交通整理ができ始めていますので、西で製造したものを都市に移動させるのも難しくなくなってきました。

つづく