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第60話 タネ明かし         


浅井は、志保子の完璧な提案
に圧倒され、断る方がおかしいとさえ思えた。

浅井:「今回の提案について
は何も言うことが浮かばないよ。あとは実際にやってみてどうなるかだけど。」

志保子:「はい。おわかりだとは
思いますが、成功報酬にすれば、所長には一切リスクがありません。」

浅井:「そういう提案の仕方
だと、断る余地がないよね。
どこでプレゼンの仕方を勉強したの?」

志保子:「実は、昨日なんです。」

志保子は悪そうに正直に告白した。

浅井:「ええ!?でも、すごく
落ち着いてたじゃん。」

志保子:「いえいえ。すごく怖
かったんですよ。ずっと、
自分をだまして、演じきる
ことだけに集中してたんです。
背中なんか汗ビショビショ。」

浅井:「へえ~。やるなあ。
全然わからなかった。
すごく堂々としてたぜ。」

志保子:「ありがとうございます。」

浅井:「ロビンちゃんのプレゼン
もよかったけど、アイデアもすごいよね。」

志保子:「実は、アイデアの大
部分は、従兄弟が考えたんです。」

浅井:「従兄弟?」

志保子:「コンサルタントを
している従兄弟がいるん
です。彼に、アイデアからプレゼンまで、全て教えてもらいました。」

浅井:「それにしても、それを
たった一日でものにするんだから大したもんだ。」

志保子:「あんまり褒められると困ります。」

志保子は顔を赤らめた。

浅井;「OK!新しい教材に
ついては、ロビンちゃんにプロ
デュースしてもらうことにするよ。頼んだよ。」

志保子:「はい!」

志保子はありったけの元気を
声に乗せた。


続く・・・・・・
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第59話 最後の提案


(これでもか、というくらい相手に
メリットを与えるような提案をするんだ。)

志保子は、拓郎の教えを思い浮か
べながら、最後の切り札を切った。


志保子:「最後にもう一つだけ提案があります・・・」

浅井:「まだあるの!?」

志保子は、浅井のリアクションから
もう十分すぎるくらいお腹いっぱ
いになっていることを感じ取った。

志保子:「最後のデザートです。」

志保子は、浅井が引かないよう
できるだけちゃめっけたっぷりに言った。

浅井:「デザート?どういう意味かな?」

志保子:「最後の提案は、収益の
ためというよりは、この研究所が
より一層楽しくなるような提案です。」

浅井:「ほう。何かな?」

志保子:「年に一度、教材を買って
会員になってくださった方に、パー
ティの招待状を送るんです。」

浅井:「パーティ?」

志保子:「はい!このパーティでは
会員のみなさんが集まって交流
してもらいます。そうすれば、
会員のみなさんに、いろいろな
メリットを提供できます。」

浅井:「パーティをやることでどんな
メリットがあるの?」

志保子:「はい!まず通信教材や
相談だけだと、やりとりは、この
研究所と会員さんとの間だけ
なってしまいますよね?

すると、どうしても会自体が無機質
になってしまいます。

だから、会員さん同士の交流を
“年に一度のパーティ”で促進する
ことによってモチベーションアップ
や情報交換につながります。」
浅井:「なるほど。」

志保子:「全国に仲間がいるという
だけで楽しさもまったく違ってきますよね?」

浅井:「そうだね。それに、私たちに
とっても、全国に同志がいると
思うと、実に心豊かな気持ちになるね!

志保子:「はい!所長ならそう
言ってくださると思ってました。」



続く・・・・・・
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第58話 これでもか



浅井:「600万か~。それだけ売れれ
ば、ロビンちゃんに給料を300万円
払ったとしてもまだ利益があるな。」

志保子:「いえいえそれはうまくいった
らの話ですから。でも、話には、まだ
続きがあるんです。それだけで満足
して頂いては困ります(笑)。」

浅井:「まだあるのか・・・」

志保子:「教材を申し込んでくださった
方のうちから会員をつのるんです。
で、その会員は受けられる特典に応じ
3つのグレードに分かれています。

価格の安い順に、毎月情報がもらえる
『メディア会員』、そしてメール相談が
できる『メール会員』、一番高いのは、
直接ネット電話で相談ができる『スカ
イプ会員』です。」


浅井:「で、会費はいくらなの?」

志保子:「だいたい2000円、3000円、
5000円といったところでしょうか?」
浅井:「教材を購入してくださった方に
教材以外に何か売ってもいいのかな・・・?」

志保子:「個人的な意見ですが、
今まで資格試験の勉強のために
教材を買ったことがありましたが、
そのとき質問とか相談ができる
スクールの教材を買って、本当に
よかったって思った経験があるので、かえって親切だと思います。」

(俺は売ることに罪悪を感じているのかもしれないな。)

浅井は、自分の教材に自信があったが、
売るという行為に自分の偏見があることに気がついた。


浅井:「なるほど。そこまで考えていなかったよ。」


(これでもか、というくらい相手に
メリットを与えるような提案をするんだ。)

志保子は、拓郎の教えを思い浮かべ
ながら、最後の切り札を切った。


志保子:「最後にもう一つだけ提案があります・・・」


続く・・・・・・