何故か、台湾にて -26ページ目

何故か、台湾にて

気がついたら台湾にいました。

ところてんのように生きています。

生徒たちにも、もうすぐ北京へ行くことを知らせました。

それぞれ、色々な反応を見せてくれます。







うなちゃん、6歳。

いつも奇想天外なことばかりな、彼女。


「8月20日ぐらいからね、先生が変わるよ」


「どうして?」


北京に行くから、と言いたいところだけど

うなちゃん、北京って知ってるかなぁ…

と思いながら、試しに「北京」だけ中国語にして、言ってみた。


「先生ね北京に行くの。お父さんとお母さんがいるから。

 北京って、知ってる?」


「…さむい?」


「そうそう、寒い寒い!」


うなちゃん、おバカだおバカだと思ってたけど

ちゃんと北京は知ってるんだな。


そう思っていたら、彼女は

中国語で、とんでもないことを呟いた。


「…北極熊♪」


……………北極?


中国語で、北京は「ベイジン」と発音し

北極は、「ベイジー」と発音する。


私の「ベイジン」という発音が

「ベイジー」に聞こえ

「先生は北極に行く」と思ったらしい、うなちゃん。


彼女は、一体、北極を何だと思っているんだろう。




子供クラスでは、私は何も言っていないんだけど

子供のお母さんが、どこからともなく

私が辞めるという噂を聞きつけたらしい。


先日、授業が終わったあとに


「先生は、いつ上海に行くんですか?」


と聞かれた。

北京です、と答えておいた。




大人クラスでは、一番ありがたい反応だった。


「えぇっ!?」


「先生、いなくなっちゃうの!?」


慌てふためく生徒たち。


「大丈夫ですよ、次の先生も、とてもいい先生ですから。」


そう言うと、皆は少し安心しつつ

こう言ってくれた。


「でも、先生が一番です」


ホロリと泣きそうになってしまった。


そんな中、問題児の薫さんは

心配そうに、こう言った。(中国語で。)


「次の先生が、厳しくて

 授業中、寝ちゃだめだって言ったら、どうしよう。

 あぁ、もう、日本語、勉強したくない。」


何だそりゃ。


「…薫さん、何のために日本語を勉強しているんですか?」


薫さんは、しれっと言う。


「先生のためです。」


嘘つけ。








台湾を離れることで、一番の心残りは

やはり、生徒たちです。


特に、初級からずっと教えてきていた大人クラスは

せめて中級になるまで、教えたかったなと思います。


今週は、クラスの皆で、ご飯を食べに行きます。

たくさんたくさん、日本語でおしゃべりをしたいと思います。

派遣で、会社にも教えに行きます。


呼ばれれば、個人宅でも会社でもお店でも

どこへでも行きます。


今日は、某大手企業で働く

ちょっとおちゃめな「熟女」、じゅんさんのお話です。










以前もブログに登場したことのある、じゅんさん。


中国語で


「“熟女”って、日本語でどういうの?

 “私は熟女です”って言いたいんだけど」


と言ってきて

私に止められた、じゅんさん。


台湾で“熟女”というのは、いい意味らしい。




そんなじゅんさん

自分では「もう年だから覚えられないわ」と言うけれど

とにかく、よく日本語をしゃべってくれる。


元々、頭がいいんだと思う。

そして何より、おしゃべりさん。

そういう人は語学がよく伸びる。



ただ、単語を結構、曖昧に覚えてしまうため

言い間違いが多い。


状態の「~ています」を勉強したとき。

「住んでいる」を言い間違えて、じゅんさんはこう言った。


「先生のご家族は、どこに死んでいますか?」


まだ生きています。




「来週は休み」と私に言おうとしたときにも

じゅんさんは、こんなことを言った。


「先生、私は来週、安いです。」


そんなタイムセールみたいに言われても…。




何度間違えても、恐がらず

ひたすら日本語で話す、じゅんさん。


じゅんさんの会社は、日本にもあり

日本の支社に電話するときにも

果敢に日本語で話そうとする。


日本支社の“木村さん”と話したかった、じゅんさん。

電話に出た人に、こう言ったらしい。


「もしもし

 木村さんをください。」


後日、授業中

私にこのことを話す、じゅんさん。


「すっごく笑われたのよ

 私、変なこと言った?」


ちょっと変ですけど、いいと思いますよ。

そのまま、どんどんチャレンジし続けてください。










間違えてもなんでも

とにかく話していれば、語学は成長します。


じゅんさんは言います。


「変なこと言って笑われてもね

 相手が楽しいなら、それでいいじゃない」


そう思えるのは

やはり、じゅんさんの強みです。


本当に素敵な熟女、じゅんさんなのです。

勤めている塾とは別に

週一回、家庭教師をしています。


教えているんだか、遊んでいるんだか

よくわからない仕事ですが

もう一年半ほどやっています。


今日はそんな家庭教師の模様です。








家庭教師の生徒は8歳の女の子、あやかちゃん。

日本人とのハーフ。


日本語は、単語を少し話すぐらい。

「これ」とか「違う」とか。



先週、 お家に行ったら

紙コップが二つ、お菓子が入れて用意されていた。


「これ」


そう言って、紙コップを指さすので


「えっ、食べていいの?ありがとう」


そう言って、中に入っているポテトチップスを

パリパリ食べ始める。


あやかちゃんの紙コップには、鉛筆で

「Jolin」と書かれていた。

「Jolin」というのは、あやかちゃんの英語名。


じゃあ、私のは?と、自分の紙コップを見てみる。

そこには、こう書かれていた。


「日本」


あやかちゃん、私の名前

未だに覚えてないんだろうな。




毎週、文字のテストをしている。


「100点とったら、シール一枚あげる。

 10枚たまったら、プレゼントあげるよ」


適当にそう言っていたら、本当に10枚たまってしまった。


困った私は、悩んだ末に

パズルになっているキーホルダーをプレゼントした。


これが、結構喜んでくれて

楽しそうにパズルを始めた。


出かけていたお母さんが帰ってくる。

あやかちゃんはお母さんに中国語で言った。


「お母さん、先生がこれくれたんだよ

 パズルになってて面白いよ

 先生がくれたんだよ」


「あら、そうなの、良かったわねぇ

 ちゃんと先生にお礼言った?」


「言ってない」


「えっ、ちゃんと言いなさいよ」


「うん」



お礼、言ってくれるのかな。


そう思って待ってみたが

彼女の口からは、一言もお礼は発せられなかった。



パズルに夢中になっている彼女を見ながら

ポテトチップスをポリポリ食べる。


すると、お母さんがやってきて

私に、ヤクルトを渡して去っていった。


これは、先日


「あやか、ヤクルト飲む?先生は?」


と聞いてきたとき

あやかちゃんは「いらない」と言ったのに

私が「いる」と言ったから。


それ以来、お母さんは

私にだけヤクルトをくれるようになった。



ポテトチップスをバリバリ食べ

ヤクルトを飲んでいると

パズルが完成した。


そのあと、二人で、折り紙をした。








あやかちゃんのお父さんは


「日本人と触れ合わせる」


というのを目的にしているらしく

こんな感じでも、特に問題はありません。


このお仕事で、問題になることがあるとすれば


「こんなんでお給料もらっていいのだろうか」


という、自分との葛藤でしょうか。