何故か、台湾にて -27ページ目

何故か、台湾にて

気がついたら台湾にいました。

ところてんのように生きています。

かわいいかわいい学生さんがたくさんいます。


一方で、やはり

教えていて辛い学生さんもいます。








以前もこのブログに書いた、T君。

どうも噛み合わず、毎回、疲れます。



「せいで」と「おかげで」を教えていたとき。


「せいで、は、悪い影響があったときに使います。

 例えば、電車が送れました、遅刻しました

 どうなりますか?」


「電車が遅れたせいで、遅刻しました。」


「はい、いいですね。

 じゃあ、雨が降りました、で文を考えてください」


T君は、こう答えた。


「………………

 傘を持って行かなかったせいで、雨が降りました。」


それ、どういうこと?

すごく天に見放されてる人?



「いや、そうじゃなくて

 “雨が降りました”を前に持ってきてください。

 雨が降ったせいで…?」


「………

 雨が降ったせいで、学校がぬれました。」



…学校?


そりゃあ、ぬれるだろうよ。




また、先日は

「…を見込んで」という動詞を教えていた。


「見込んで、というのは

 先に、そうなるだろう、と予想をして

 何かをすることです。


 例えば

 価値が上がるのを見込んで、たくさん買いました、とか。


 じゃあT君は、日本語能力試験1級を目指していますね。

 何を見込んで、1級を取ろうと思っているんですか?」


T君は、以前

仕事が見つかるように、1級を取りたいと言っていた。


しかし、T君

黙り込む。


「………………」


えっ、T君

何のために日本語勉強してるのよ?


と思いながら、ヒントを出す。


「じゃあ、1級が取れたら

 どんないいことがありますか?」 


「……合格証書がもらえます」


危うく、言ってしまいそうになった。


「そんな紙きれ、いらん!」


気持ちを抑えつつ、再び続ける。


「そ、そうですね

 じゃあ、誰に、1級を持っていると証明したいんですか…?」


道は険しい。




私の聞き方も悪いのかもしれないけれど

T君はいつも、考える時間がやたらと長い。


一度、5分ぐらい黙って考え続けていたので

思わず、こう聞いた。


「T君、今、何を考えているんですか?」


するとT君、こう言った。


「わかりません。」


えっ?








T君、は毎週2回、2時間ずつ

休まず来ます。


たまには、休んでくれてもいいのにな


こっそり、そう思っている私です。

先日、めでたく

誕生日を迎えました。

25歳になりました。


私の、かわいいかわいい学生さん達は

こんなちゃらんぽらんな先生の誕生日を祝ってくれます。


私は幸せ者です。








土曜日の午後クラスは、私が台湾に来てすぐに担当した

とても愛着のあるクラス。

生徒はみんないい子。



私にすごくなついてくれている、高校生の女の子が二人いて

彼女たちは、去年の誕生日もメッセージボードをくれた。


そして、今年もまた。


「先生、お誕生日おめでとうございます」


そう言って、手作りのメッセージボードをくれた。


メッセージや、私と一緒に撮った写真の他に

福山雅治の写真も。


これは、私が授業中


「福山さん、かっこいいですよね~」


と言ったのを覚えてくれていたから。

なんていい子。



この二人は、普段の感じから

「何かくれるかも」と期待はしていたが

予想外の子も、プレゼントをくれた。


おとなしくて、授業中あまり発言はせず

だけどニコニコかわいい、大学生の女の子。


彼女は、遠慮がちに職員室まで来て

「先生、誕生日…」と言って、プレゼントをくれた。


嬉しい。嬉しすぎる。



この嬉しさに、水をさすものといえば

日本語で書いた、彼女達の手紙。


嬉しくて嬉しくて、だけど少し悲しい。


「私は今、日本人と会話可能です。ありがとうございます。」


「私はすでに先生と二年認識しました。」


などなど

色々と思うところはあるけど

一番びっくりしたのは、これ。


「あけまして誕生日おめでとうございます!」


あけてない、あけてない。








こんなかわいい生徒さん達とも

もうすぐお別れです。


あと二か月ありますが

今からもう泣けてきます。

私が、ひどくかわいがっていたオスカー君。


お家に行って教える、派遣の形式で

かれこれ、一年半ぐらい教えていました。


しかし、受験生になるということで

日本語の勉強を一年間、お休みすることになりました。


一年後、私はもう台湾にはいません。

ということで、オスカー君とはお別れです。







とってもいい子で、成績も優秀、オスカー君。

私は常々、他の先生達に、こう言ってきた。


「私、将来 オスカー君と結婚します。」


しかし、その夢も叶わず

とうとう、オスカー君との最後の授業がきてしまった。


最後の授業の日

オスカー君が、プレゼントをしてくれた。


すごくかわいい、スワロフスキーのペンダント。

選んだのは、オスカー君のお母さんだけど

お母さんが、こう言った。


「オスカーがね、先生が最後だから、

 何かプレゼントを買ってほしいって、お願いしてきたのよ」


えへへ、と照れ笑いをするオスカー君。

かわいすぎる…。



授業が終わってから一緒にWiiをして遊ぶ。

マリオカートをやるが、私はとても下手。

そんな私を、オスカー君は褒めてくれる。


「先生はあまりやったことがないですから

 5番も、すごいですよ」


なんていい子なんだろう…。



出かけていたお母さんから、電話がきて

オスカー君、お母さんと何やら、話す。


「先生、飲み物、飲みますか?

 お母さんが買います。何がいいですか?」


「えっ、何があるんですか?」


「えーっと…  バナナ牛肉でいいですか?」


「えっ、牛肉!?」


「えっ!?」


間違えようとなんだろうと

オスカー君は、とってもかわいい。



フェイスブックを登録しあい、帰る。

帰り際、若干、泣きそうになった私。


家に帰ると、早速、オスカー君からフェイスブックで連絡が来た。



「先生!CDを忘れました!」


聞きとり練習で持って行ったCDを

オスカー君の家のCDプレイヤーに入れっぱなしで

帰ってきてしいまったらしい。


まるで、未練のある別れた恋人の家に

わざと忘れ物をしてきたみたいだなと思った。








オスカー君との授業は、毎週火曜日でした。


先生達の間では

火曜日になると、私が痴呆症の人のように

オスカー君の家の周りを彷徨ってしまうんじゃないか

と、心配されています。


彷徨いはしないと思いますが

火曜日になるたび、しばらく寂しい気持ちになりそうです。


日本語教師は

とてもいい仕事だと思います。