日本語には、外来語がたくさんあります。
ケーキ、バッグ、ベッド、ペン…
それと同じように台湾語には、外来語として
日本語がたくさん混じっています。
しかし、日本語英語の発音が変なように
台湾語の中の日本語も、日本語と全く同じかというと
そうでもありません。
昨日、台湾人のお友達と
日本風の居酒屋へ行った。
友達が電話で予約すると言って、電話をかける。
「もしもし、今日、二人で行きたいんですけど
席ありますか?
はい。はい。
あっ、ちょっと待ってくださいね。
さちこ、席は普通のと、カプリと、どっちがいい?」
…カプリ?
知らない中国語だな。
でもまぁこの感じだと、カウンターかテラスのことだろうな。
と思いながら、どっちでもいいと答えた。
彼女は、じゃあカプリにしよう、と言った。
彼女が電話を切ったあと
「カプリって何ですか?」
と聞いた。
すると彼女は言った。
「カプリはカプリだよ。
日本語でしょ?」
…カプリ??
「えっ、カプリ、知らないの?
長いテーブルで、その中でお店の人が料理してる、あそこだよ」
「うーん…たぶん、それは、日本語じゃないと思いますけど…」
「えぇっ、カプリ、日本語じゃないの!?」
その後、その居酒屋へ行き、カプリことカウンター席に座り
彼女はカウンター越しに、お店の人に聞いた。
「カプリって知ってますよね?
あれって日本語ですよね?」
お店の人は二人、そうだよ、と言った。
困った私は
厨房にいる日本人に聞いてくれ、と頼んだ。
店員さんは厨房に入り、日本人に聞き、戻ってくると
こう言った。
「…厨房に日本人、二人いるんですけど
二人とも、カプリは台湾に来てから聞いたって」
ほっとする私。
逆に、友達は
いたくショックを受けていた。
「昔、日本料理屋でカプリに座るっていうことはね
高いお寿司を食べるっていうことだったんだよ。
普通の席は、天丼とか、カツ丼とか、
そういう、簡単なものを食べるの。
だから、電話で“カプリで”って予約したら
お店の人は、“はいっ、かしこまりました!”ってなるんだよ。
カプリは、特別な席だったの。
私は20年、偉そうに、カプリカプリって言ってきたのに
日本語じゃなかったなんて…
じゃあカプリって、一体、何?」
今まで、特別な存在だった、“カプリ”。
“カプリ”と言うことは、日本風で、粋なものだったらしい。
しかし、カプリは、日本語ではない。
一体、どこからきたのか、カプリ。
その後、店員さんと話していて
どうやら、“かぶりつく”から来ているらしい、ということが判明。
カウンター席で、かぶりつくように食べる。
そこから、“つく”が取れて
“かぶり”の音が変わって“かぷり”になったのだろう。
「さちこ、これから台湾で日本料理を食べるときには
偉そうに、“カプリで”って言いなね。
そうしたら台湾人は、“おぉっ!”って思うから」
「いやいや、私には、カプリで食べるほどのお金がありませんよ。」
「じゃあ、今度、連れてってあげるから。
一緒にカプリでお寿司を食べよう。」
今度、粋に、カプリでお寿司を食べる約束をしました。
カプリが、どこから来たものであろうと
お寿司がおいしければ、カプリは素晴らしいのです。