前回、山西省への旅行記を書きましたが、この旅行
なぜか懐中電灯とは切っても切れないものになりました。
さて、どうしてでしょうか。
今回の旅行、直前に決めたので
慌てて、旅行会社にお願いした。
電話一本で、ぱぱぱっと金額、ツアー内容を送ってくれるので
便利なもの。
そして送られてきた、日程表と持ち物表。
それに目を通すと、なぜか持ち物に
「懐中電灯」と書いてある。
懐中電灯?
なんでだろう。
洞窟にでも行くんだろうか。
とりあえず書いてあるので、家にあった
小型の懐中電灯を持って行くことに。
マンションの避難訓練の参加賞?で母がもらってきた
栓抜きやミニナイフがついている、万能懐中電灯。
まだ一度も使ったことがない。
そして雲岡石窟を周り、太原のホテル着。
ホテルは五つ星ホテル。ぴかぴか。
母とともに、物珍しげに
部屋の中を観察する。
ベッドの横にある棚を見ると、何かが置かれている。
布袋に入った、何か。
何だろう、と袋の中を見てみると
懐中電灯が入っていた。
枕元に懐中電灯…?
ホテルの利用案内ファイルを見つけ、目を通す。
さすが五つ星、日本語バージョンもあった。
そこに、火事の際の注意書きが
まるまる1ページぶん書かれていた。
妙な日本語が続き、最後まで読むと
こんな一言が。

生き延びる懐中電灯…
どうやらここでは、懐中電灯に命を託すらしい。
次の日、平遥を見て周る。
平遥でお昼を食べたとき、レストランのトイレへ行くと
電気がつかない。
昼間だったので、電気はなくても大丈夫だったけれど
夜はどうするんだろう、と疑問に思う。
夜になると、ガイドさんが言った。
「いやー、電気が戻って良かった。
昼間、ずっと停電だったんですよ。」
「えっ、そうなんですか。よくあるんですか?」
「はい、ありますよ。」
なるほど、懐中電灯というのは
停電になったときの為か?
観光も終わり、平遥近くのホテルへ。
次は四つ星ホテル。
またもや母と、色々観察して周る。
二つのベッドの間に、何かが固定されている。
電話か?
そう思い、近くへ行き、手に取ってみる。
それは、懐中電灯だった。
ベッドの間、すぐ手に届くところに
電話ではなく、懐中電灯。
ここ、そんなに停電するのかな。
さて、観光も全て終わり、空港へ。
荷物は少なかったので預けず、搭乗口に向かう。
荷物検査で荷物をチェックに通すと
何かが引っかかった。
「あっ、水入れてたな」
そう言って、水を出す。
しかし、係の人は、それだけじゃない、と言う。
カメラの画像を見せられ
「ここに入ってる、これ、何?出して」
と言われるが、青白い画像を見ても、よくわからない。
係の人がリュックに手を入れ、ごそごそし始める。
「これだ」
そう言って彼が出してきたもの、それは
懐中電灯だった。
まぁ一応、と入れたものの、存在すら忘れていた
万能型懐中電灯。
まだ一度も使ったことのない、懐中電灯。
「ここに小さいナイフがついてるでしょ、これ、だめだよ」
そう言われ、没収された。
行きの飛行機では引っかからなかったのに。謎。
母と
「なんだか、最後の最後まで、懐中電灯だったね」
と話し、搭乗口へ向かった。
どこまでも存在をアピールし続けた、懐中電灯。
おかげで、山西省には、懐中電灯のイメージがついてしまいました。
なんなら、懐中電灯にも、山西省のイメージがついてしまいました。
旅行というのは、不思議なものです。
北京の隣の隣に、山西省という省があります。
山西省までは飛行機で一時間
新幹線で三時間半ほど。
東京から福岡ぐらいでしょうか。
「近いなぁ」と思った私は
だいぶ中国の地理感が身についてしまっているようです。
「山西省ぐらいなら」と
週末、二泊三日で行ってきました。
今回は、メインの雲岡石窟と、平遥を紹介したいと思います。
山西省の主な都市は、大同と太原。
まずは大同へ行き、雲岡石窟へ。
雲岡石窟は、市街地から車で二時間ほど。
岩に、ひたすら仏像が彫られている。

この小さいのも、全部、仏さま。

もう、口をぽかーんと開けて
「よく彫ったなぁ」と感心するのみ。
ガイドさんが言う。
「ここには2万体以上の仏像があります」
彫った方も彫った方だけど
数えた方も数えた方だ。
こちらは外にむき出しの仏像。

ガイドさんが言う。
「以前は目には何もなかったんですけど、あまり元気がないから
目に玉を入れたんです」
色んな仏像を見てきた私だけれど
仏像に、元気とか元気じゃないとか、そういう概念はなかった。
アップにすると、こんな感じ。

どうです、この眼力。
ランラン。
なんなら仏様、野心に燃えているようにも見える。
さて、大同を後にし、車で五時間ほど
太原という、省都に到着し、そこで一泊。
次の日、太原から、更に車で二時間ほど走ると
平遥という街に着く。
街が丸ごと城壁に囲まれていて
その中で、4万人ほどが生活している。
街の周りは、こんな感じで城壁が。ぐるりと。

中心通りは、わりとにぎやか。

だけど、雲南省の麗江に比べ、昔のまま残っているような感じで
いたるところに、飾り気のない雰囲気が漂っている。

ヒゲも剃る。

ちょっと、ブラックジャックの手術っぽく見える。
他にもちょこちょこ周りましたが、メインはこの二か所です。
ちなみに、二つとも世界遺産。
なんだか、五感がカサカサして
「私のイメージする中国」を見ることができたような気がします。
もちろん、それだけではなく
旅行というと、色々なことが起きます。
次回は、山西省と懐中電灯について書こうと思います。
特に書くこともないので
今日は、留学生との戯れを書こうかと思います。
いつにもまして
何の役にもたたない日記です。
8:00、授業開始。
先生が「遅刻が多い」と小言を言い始める。
適当に聞き流す。
8:50、10分休憩。
最近、芥川龍之介の「河童」を読んだ私は
イギリス人のクラスメイトに
「河童って知ってる?」
と質問してみる。
絵を描き、特徴を話すが、どうやら知らない様子。
どうも日本だけのものらしい。
「それに似たオバケならイギリスにもいる。
川で遊んでたらイタズラされるから気をつけなさい、みたいな」
どの国にも、子供に脅しておくためのオバケがいるらしい。
9:00、授業。
9:50、20分休憩。
私達の教室がある棟の、飲み水がなくなった。
補充も来ない。
仕方がないので、皆の水筒を持って
違う棟まで、水を求めに行く。
まるで砂漠の住民がオアシスへ行くように。
歩いている途中、友達のキルギスタンの男の子に会う。
「久しぶり!きれいになったねー」
「おー、ありがとー」
全く内容のない会話をし、さらりと過ぎて行く。
皆の水筒に水を補充し、教室へ戻る。
「水だよー」
と言って渡すと、皆「おー!水ー!」と喜んだ。
10:10、授業。
授業中、中国語の「談恋愛」とは何か、という話になった。
「談」は動詞で、直訳すると「恋愛する」というような意味。
片思いは「談恋愛」には入らないらしい。
お互い好き同士で、愛を育む、結婚までの過程
それを、「談恋愛」という。
「じゃあ結婚したら?」
と聞くと、結婚したらもう「談恋愛」ではなくなるらしい。
言うなれば、「愛情」だ、とのこと。
私は、その感覚は、すっと身についたけれど
欧米の人は、不服そうだった。
「そんなぁ…」
と、フランス人の女の子は寂しそうにしていた。
11:00、10分休憩。
廊下に出ると、カザフスタン人の友達に会った。
彼は言った。
「前、日本人と一緒に、タキヤキを食べたんだ」
「タキヤキ?たこ焼き?すき焼き?」
「んー、たぶん、スキヤキ。
すごくおいしかった。
今度、食べに行こうよ。」
「いいよ。そのお店、どこにあるの?」
「忘れた」
「その友達は?」
「日本に帰った」
「だめじゃん…」
11:10、授業。
12:00、授業終わり。
クラスのフランス人に言う。
「この前聞かれた、ナルトのことだけど
“いの”っていうのは、何も意味はないみたい。
響きがいいから、っていうことだと思うよ。」
アニメ「ナルト」に「いの」という子が出てくるらしく
先日、フランス人に「いのってどういう意味?」と聞かれた。
一応、漢字があるか調べてみたけど、平仮名だったので
たぶん、意味はないだろう。
「そうなんだー、ありがとう
私、“いの”っていう響きが好きなの」
嬉しそうに、ナルトについて語るフランス人。
ナルトを見たことがない日本人。
帰り道
ヘルメットをかぶったアメリカ人が、自転車で追い抜かしていく。
クラスメイトのアレックスだ。
後ろ姿で、手を振っている。
彼には見えないだろうけど、私も手を振り返す。
明日もいい一日になるといい。