ぐ-すか・ぶ-すか中国大冒険! -8ページ目

イスラム教徒の街

回族軍

旅は、チベット文化の街「夏河」から「蘭州」へ。
相変わらずの凸凹道を、バスはゆさゆさ左右に傾きながら走りました。
窓から見えるのは、白い帽子をかぶったコックさん達・・・・?

いえいえ、今度のルートは「イスラム文化の回族地域」。

そう。白い帽子の彼らはイスラム教徒ムスリム達です。

この辺りはトウモロコシの産地。
屋根一面が黄色く染まり、木々にはバナナ(?)が!
どの家も工夫してトウモロコシを干していました。なんだか華やか!

とうもろこし2 とうもろこし 玉米


途中、バスの隣の席に座ったのはイスラム信者の男の子。
山西省出身の彼は、アラビア語を学ぶために臨夏という町にやってきたとのこと。
彼の話によると、イスラムの神アラーアラビア語を使うので、中国語や日本語で語りかけても通じないとのこと。
だから、どこの国のムスリムも必ずアラビア語でお祈りするんだそうです。
彼らの1ヶ月ほど続く断食月(ラマダン)は、貧しい人の心を知るためのもの。
敬虔な信者は唾を飲むことすら我慢するんだと、目を輝かせて話してくれました。

回族

「いやー中国は広い!!!」
今回の旅でつくづく感じました。
人口13億という実感の湧かない数。そして56もの民族。
地域ごとの歴史や文化も違い、それぞれの信仰、価値観に忠実に生きている。
「中国という国は・・」と簡単に語れないところがまた中国の魅力!

印象的なのは、それぞれが自分の生き方に誇りを持っていること。
そして「お互いの間に違いがあるのは当然だ」と自然に捉えていること。
全ての人が違いを持ちつつも、他の人にそれを押し付けない。侵さず侵されず。
民族も宗教も違う人々が一つの国に共存するために必要な術なのかなと思いました。


【2005年国慶節 九塞溝、黄龍、チベッ文化圏の旅】
 1. 地球が生んだ奇跡 ~九塞溝~
 2. 神の水 ~黄龍~
 3. チベットの「バター茶」
 4. 九塞溝、黄龍 番外編
 5. 旅で出会った「チベット料理」
 6. 松藩-若尓蓋-合作-夏河 大移動!
 7. 祈りの街「夏河」
 8. イスラム教徒の街
 9. 黄河とラーメンの町 「蘭州」
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祈りの街 「夏河」

小さなお坊さん

気の遠くなるような絶景を眺めながら到着した「甘粛省夏河」
高度3000mと天に近く、ひんやり冷たい空気がどこか神聖な感じ。
メイン通りはチベットグッズで溢れ、道行く人々はチベットの衣装。
純粋なチベット文化がしっかり語り継がれている小さな街です。
ラプラン寺1

※ 上下の写真はかさこワールド のかさこさんにお借りしました。2

町の中心であるチベット寺院「ラプラン寺」
山肌をバックに金色の屋根がそびえ、たくさんのラマ僧が巡礼に訪れます。

お寺の前でひざまづき、頭を地面につけて何度も何度もお祈りする人。
お寺の周りを何度も回り、マニ車をぐるぐる回してお祈りする人。
手にボロボロの手袋をはめ、地べたを這いながらお祈りする人・・・
価値観の中心に仏教があるんですね、じゃなきゃこんな熱心に祈れない。
彼らの真剣でひたむきな信仰心に心が熱くなりました。
マニ車 仏塔を回る人々 五体投地

お寺の入り口の前には、必ずこんな「雲」の模様が。
これは、「お寺が天の上にある」ことを示すものだそうです。
雲の絵
通りすがりのラマ僧に中国語で話しかけてみたけど、通じませんでした。
彼らは自分達の文化を守るため、かたくなに中国文化を否定しているそうです。
ここに比べたら、内モンゴルはかなり中国に侵されてるかも・・


こんな小さな街なのに、やたら欧米人の観光客密度が高いところでした。
そんな欧米人のために、街中にはカフェがちらほら。
思わず入ってみると、

ハンバーガー ネパールカレー
ホットチョコレートに、シナモンパンケーキ。
ハンバーガー(もちろんヤク肉)にカレー、ハチミツがけヨーグルト。
中国の山奥のリトルチベットで思いがけない味に出会えました!


「夏河」はチベット族の素朴な生活と一途な信仰心が感じられる良い街でした。
このまま彼らの伝統文化がいつまでも残ってほしいものです。
チベット族
お寺の学校 登校する子供

※ 「かさこワールド」さん  ←夏河のステキな写真満載です!


【2005年国慶節 九塞溝、黄龍、チベッ文化圏の旅】
 1. 地球が生んだ奇跡 ~九塞溝~
 2. 神の水 ~黄龍~
 3. チベットの「バター茶」
 4. 九塞溝、黄龍 番外編
 5. 旅で出会った「チベット料理」
 6. 松藩-若尓蓋-合作-夏河 大移動!
 7. 祈りの街「夏河」
 8. イスラム教徒の街
 9. 黄河とラーメンの町 「蘭州」
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松藩-若尓蓋-合作-夏河 大移動!

1110若尓蓋高原
 国慶節の旅行での最大の難関は、松藩-若尓蓋―合作―夏河の移動。情報がほとんど手に入らず、バスが本当に走っているのか、道がちゃんとあるのかさえわからない状況での出発。そして、実際に待っていたのは、予想通りの悪路と、予想以上の景色でした!


高原
 松藩-若尓蓋の道のりは約180km。標高3,000m、4,000mにある高原をひた走ります。道があまりにもひどいので、ジャンプした時に座席から落ちる人や、天井に頭をぶつける人がいるほど激しいです。前日に雨が降ったこともあり、道がぬかるみバスが坂を登れなくなることもしばしば。

1110若尓蓋高原3
 窓から見える風景は、雪山、草原、ヤク、羊、山羊の群れが延々と続き、まさに楽園そのもの。モンゴルの草原とはまた違う、緑の美しい草原、瑞々しい大地。走っても走っても続く草原は、何時間見てもまったく見飽きることはなく、厳しい道のりも、この景色が全てを帳消しにしてくれます。

高原の雪山
10月初めなのに山に雪がある。

1110チベット族  若尓蓋の人はほとんどがチベット族だとかで、チベット族の服を着た人がうろちょろしています。仏教の音楽やお経が流れ、一般的な中国の街とは違った雰囲気があります。
 街をうろつくチベット族の男性(お坊さんではない)は、髪の毛がボサボサと長く、体格が良い感じで何か野蛮な印象を受けます。酔っ払っているのか、昼間から肩を組んで歌いながら、道の真中を歩いていました。まぁ、車は走ってないからいいのかなぁ・・?
 ある中国人(チベット族以外の人)の話では、チベット族というと、一般的に「怖い」、「ナイフを持っている」というイメージがあるそうで、実際にそれに近いような、山賊のような荒々しい感じがしました。そう言うぶーすかも、髪の毛がボサボサ、髭ボーボーで、チベット族と間違われたりするんですが・・。

黄花魚  夜8時、街は早くも寝静まったかのような様子。

レストランも次々に閉店していく中、黄河名物「黄花魚」の鍋を食べられる店を発見!
 ニンニク、ショウガがたっぷり入った栄養満点スープで、寒い夜をしのぐことができました。

魚は新鮮そのもの、ピチピチ生きているのを調理してくれます。

魚料理なんかを頼む場合は、調理前に生きた魚を見せてくれる店は多いです。料理の値段は魚まります。1110合作のチベット寺院

 この辺りでは、高原の美しさだけではなく、点在するチベット族の村々、チベット寺院も素朴な魅力があります。観光地としての派手さはなくても、もう一度ゆっくり行ってみたいところです。

合作のチベット寺院
ミラレパ・ラカン

高原の小さな村
高原の小さな村


【2005年国慶節 九塞溝、黄龍、チベッ文化圏の旅】
 1. 地球が生んだ奇跡 ~九塞溝~
 2. 神の水 ~黄龍~
 3. チベットの「バター茶」
 4. 九塞溝、黄龍 番外編
 5. 旅で出会った「チベット料理」
 6. 松藩-若尓蓋-合作-夏河 大移動!
 7. 祈りの街「夏河」
 8. イスラム教徒の街
 9. 黄河とラーメンの町 「蘭州」
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【松藩-若尓蓋-朗木寺-合作-夏河-蘭州 情報】
松藩-若尓蓋 57元 7時間 6:30am発
 このバス路線は回り道をして、瓦切という街を経由するので、非常に時間がかかる。悪路が5時間近く続くが、景色は見逃せないルート。
若尓蓋-(朗木寺)-合作 50元 10時間 6:30am発
 悪路。バスが故障すること数回。時間はかなり余裕を見なければならない。朗木寺までの直行バスもあると聞いていたが、実際にはなく朗木寺付近で降り、待っている車に拾ってもらう。
合作-夏河 9元 2時間
 朝から夕方までかなりの本数のバスが出ている。最初の一時間は悪路。
合作-蘭州 約6時間
 蘭州行きのバスが30分間隔で朝から夕方まで出ている。
夏河-蘭州 約6時間
 蘭州行きは、朝2本、夕方2本あり。季節によってもっと少ない可能性も。
若尓蓋の街
 バスターミナル付近に安い賓館、招待所あり。標準間(トイレ、シャワー付)のあるホテルは街の中心にあり。チベット料理店はあまり多くない。
 若尓蓋の近くに「花湖」というところがあり、ここの景色もすばらしい。若尓蓋からの乗馬ツアーあり。

旅で出会った「チベット料理」

高度3000m級の高地に住むチベット族。
草原に住むモンゴル族と同じように、その食材は限られています。
彼らの主な食材は「ハダカ麦(大麦)と肉と乳製品」
その少ない食材を工夫して作られたのがチベット料理です。

1106

チベット料理の代表といえば「ツァンバ」。これはチベット人の主食です。
炒ったハダカ麦の粉にヤクのバターやチーズ、砂糖を加えて固めたもの。
この主張の強い独特のしつこい香り・・・
バター茶 に登場したヤクのバターがここでも大活躍でした。
食感は「生らくがん」のようなしっとりした柔らかさ。
ほんのり香ばしく、粟や稗のように滋養がありそうな素朴な味。
あまり積極的には食べられなかったけど・・
前に紹介したモンゴルのトゥット にちょっと似てました。

チベット餃子

似てるといえば、「蔵包(チベット餃子)
ガブリいくとジューシーな肉汁溢れる羊肉メインの具。
これは味も形も「モンゴルボーズ(モンゴル餃子)」とそっくり!
それから「手把肉(ショウバロウ)」という「塩茹で羊肉」も。
これは、ナイフで削りながら食べるというワイルドな食べ方までモンゴルと一緒!
チベットとモンゴルの文化の深いつながりを感じました。

チベットラーメン

「蔵式拉面(チベットラーメン)」
ヤクの肉をふんだんに使った具だくさんのピリ辛ラーメン。
このヒーヒー言うぐらいの辛さは、四川料理の影響?
トマトベースのコクあるスープにもっちり分厚い平打ち麺が美味。
外気で冷えた体がほってり温まりました。


「チベット料理は日本人の口に合わない」と聞いてたけど、
それなりに楽しめました。
ぜひチベットの神がかった景色を眺めながら味わいたいものですね!


【2005年国慶節 九塞溝、黄龍、チベッ文化圏の旅】
 1. 地球が生んだ奇跡 ~九塞溝~
 2. 神の水 ~黄龍~
 3. チベットの「バター茶」
 4. 九塞溝、黄龍 番外編
 5. 旅で出会った「チベット料理」
 6. 松藩-若尓蓋-合作-夏河 大移動!
 7. 祈りの街「夏河」
 8. イスラム教徒の街
 9. 黄河とラーメンの町 「蘭州」
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九寨溝、黄龍 番外編

羊丸焼き

 

 

 九寨溝観光を終えヘロヘロになってホテルに戻ったぐー&ぶー。観光前に予約しておいた、「チベット族のダンス&羊の丸焼き&飲み放題!」に参加すべく、ホテルの前のバスへ集合。
 おや・・?
 バスの運転手さんと、ホテル脇の商店の人々が何やら口論中。四川訛りなのか、チベット訛りなのか、何を言ってるのかわかりません。坊主頭にひげ面の運転手さんが、4、5人から抗議され、その中の一人が、ブッちぎれてしまったのか、坊主頭をボッカンボッカン殴りはじめました。なぜか殴り返さない坊主頭に、さらにもう一人が殴りかかり、二人でボッカンボッカン。まさにたこ殴り状態に、こりゃイカンと思いながらも、“止めに入った女の人でさえも顔面パンチをいただいてしまうこと”が脳裏に浮かび、止めにも入れずただ収まるのを待つ軟弱なぶーすか。そこへ勇敢なるガイドさんが登場、殴り合いはストップ。
 しかし、休戦状態もつかの間、また口論がはじまり、鉄パイプを持ってくる人まで・・。こんな時に「なぜ鉄パイプがちょうど良く置いてあったりするんだろう?」と、疑問に思いつつも、周囲は緊迫したムードへ。何を言ってるのかわからないので、ひたすらヒヤリングの練習をしていたところ、突然喧嘩終了。坊主頭はどこかへ消えて行きました。
 ほっと一安心。そして、私たちの運転手はどこへ・・。運転手がいなくなり、立ちつくす「チベット族のダンス&羊の丸焼き&飲み放題」ツアーのみなさま。

 

 


 1時間遅れで、チベット風パオ型の会場に到着。イベントは既に佳境を迎え、茹でたジャガイモをかじり、ワインを1口飲んだ時にはイベント終了。遅れてきたわたくし達は冷め冷め。以上に冷え切った空気の中、司会役のおじさんが一人だけハイテンションで、

  「パーティーは仕切り直しじゃ~~。うぉ~~!」

 ってな感じで、ショーを初めからしてくれることに。
 チベット歌、踊りを披露してもらい、これからというときに、ネタが尽きたのか、

  「次はお客さんに歌ってもらうぞ~~。うぉ~~!」

 ってなわけで、歌わされる客たち。それも喜んで歌ってしまう、中国の方々。お金出してショーを見に来てるんですが・・。
 その司会者のおじさんのおかげで、チベット族は穏やかで温厚な民族だというイメージが瓦礫と化し、それがわかっただけでも価値はあったということで、ショーは終了。ちなみにここでは羊の丸焼き、バター茶、チベット名産のチンコー酒が振舞われました。上の写真は羊の丸焼き!


【2005年国慶節 九寨溝、黄龍、チベッ文化圏の旅】
 1. 地球が生んだ奇跡 ~九塞溝~
 2. 神の水 ~黄龍~
 3. チベットの「バター茶」
 4. 九寨溝、黄龍 番外編
 5. 旅で出会った「チベット料理」
 6. 松藩-若尓蓋-合作-夏河 大移動!
 7. 祈りの街「夏河」
 8. イスラム教徒の街
 9. 黄河とラーメンの町 「蘭州」
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九塞溝、黄龍、川主寺、松藩付近図 【九寨溝、黄龍観光の情報】
 まず、九寨溝と黄龍の位置関係ですが、図の通りです。
 川主寺という町を中心に、九寨溝、黄龍への道が別れています。九寨溝の空港というのも、実際はその川主寺の近くです。川主寺から九寨溝は車で約2時間。黄龍へは約1時間です。川主寺にはホテルやお土産屋が密集していて、宿泊、買い物に便利。九寨溝、黄龍にもホテルはありますが、ぐっと値段があがります。国慶節に問い合わせたら、一番安くて600元の部屋しかありませんでした。ホテルでの実際の表示価格は150元、 200元でしたので、国慶節は3倍、4倍の価格です。
 松藩はとても小さな町ですが、趣きのある町です。全体的に修復された感じがありますが、町をかこむ城壁があり、城内は古い町が再現されています。また、城外には古い民家が残っています。城壁の北門、バスターミナル付近にはゲストハウス(安宿)が立ち並び、日本人は少ないようですが、西洋人バックパッカーを多く見かけました。松藩は、大きなホテルや設備の整ったホテルはあまり期待できないようですが、貧乏旅行のバックパッカーにとっては、情報、施設ともに十分魅力的です。また、松藩からは、甘粛省蘭州へ向かう基点でもあり、蘭州へ向かう場合は、ここから若尓蓋を目指します