こんばんは
広島大学病院乳腺外科の角舎です
今日の広島は冷え込んで、昼間は雪も降っていました
さて、「乳がんいつでもなんでも相談室」https://pinkribbon-h.com/qa/qanda/にも定期的に質問を頂き、HPも充実してきました。一つ質問に答えるごとに、みなさんの悩みが消えていくことを思い浮かべて、各先生方は丁寧に答えてくれています。どしどし質問を送って下さい。
その中で、ふと昔を思い出すような質問がありました
「先日、花咲き乳がんによる皮膚潰瘍処置について質問させて頂いた者です」
この中でモーズペーストという軟膏についてお答えしていますが、このペーストは写真のような白い軟膏ですhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BA%E8%BB%9F%E8%86%8F
ペーストを腫瘍に塗ると、化学的に腫瘍表面の蛋白を凝固させ臭いを減らすことができたり、出血にも効果的です。
もう、10年以上前でしょうか?局所に盛り上がって異臭を放っていた患者さんで「何とかならないかな」とあれこれ調べてモーズペーストにたどり着きました。患者さんが化学療法に来られる時間を利用して軟膏処置をしていくうちに、腫瘍は縮小していき臭いもなくなりました。最初は、10センチくらいで小さめのカリフラワーくらいありましたが、みるみるうちに平坦になって患者さんのQOLも劇的に改善したことを思い出しました。
若いときは知識、経験も少ないものですが、患者さんのことを考える時間や熱意でカバーできます。若い先生に知識を直接教えてあげれるときはいいのですが、すべてを教えれる時間もありませんし、一人前になって外の病院にでたら後は自分で考えながら学んでいかなくてはいけません。若い先生には、知識を教えると言うより、どうやって考えて問題を解決するのかを教える方が有効なんでしょうけど、なかなか難しいですよね。
いただいた質問で、1人で悩みながら治療していた時代をふと思い出しました。