美術作家 肥沼義幸の制作日記 -987ページ目

ザンビアからのアーティスト

お久しぶりです。あっという間に9月になってしまい

ました。6月~8月の半ばにかけて、ライクスに

ゲストレジデンスの制度で3カ月間滞在していた

Kalinosi Mutale(カリノセ)のプロジェクトを

手伝っていました。


カリノセはカーリー・ディクショナリーという独自に

考えだしたシンボルマークとその国の言語を組み合わ

せて作品を作り、様々な方法で展示を続けてきました。

今までに500以上のシンボルを考えてきたそうです。

ちなみに彼は2003~04年にライクスに滞在していた

ので、先輩アーティストさんです。



美術作家 肥沼義幸の制作日記

今回はシルクスクリーンを使ってシンボルデザイン

をTシャツへ刷っていきました



美術作家 肥沼義幸の制作日記


↑僕が考えたデザイン案



美術作家 肥沼義幸の制作日記



最初は紙に刷ってみたり、カリノセの

デザインに僕のプリントを重ねてみたり

と試行錯誤が続きました。


ここ3ヶ月間カリノセとたくさん話をしました。

ザンビアの社会状況、アフリカのアートの状況

などなど・・・非常に大変な部分もある、しかし

カリノセはそれを嘆くのではなく、なんとかアートを

通じて新しいコミュニケーションの方法を探って

いたように思います。



美術作家 肥沼義幸の制作日記


美術作家 肥沼義幸の制作日記



彼は滞在期間の3カ月の間にポーランドと

ノルウェーで2つの個展をこなし、100枚以上

をプリントしました。この作業はいっけん楽に見える

のですが、例えば黒のTシャツに薄い青をプリント

する場合、黒があまりに強いので先に白をプリント

してから乾かし、その上に薄い青をのせていきます。

時には失敗もあったりして、実際にやってみないと

解らない大変さがありました。



美術作家 肥沼義幸の制作日記


8月11日、ライクスのシップを使ってのカリノセ

のプレゼンの様子。Tシャツを実際に着てもらって

最後はみんなにプレゼント。なかなか好評でした。

このコラボレーションは大変貴重な経験となりました。

カリノセ、きっと何処かの展示で再び会えるのを

楽しみにしています。