美術作家 肥沼義幸の制作日記 -985ページ目

Bill Viola


美術作家 肥沼義幸の制作日記


美術作家 肥沼義幸の制作日記


昨日、世界的に有名な映像作家Bill Viola

(ビル・ヴィオラ)の展示がMuseum De Pont

開催されていて、オープ二ングにライクスの友人達と

行ってきました。アムステルダムから電車で約2時間

ちょっとした日帰り旅行です。


実はライクス・アカデミーの計らいで、今回は特別に

Bill氏と話せる機会を設けてもらったのです。

2時間のオープニングの間、30分以上の時間をかけて

僕らに作品のコンセプトを語ってくれました。

多くのプレス、鑑賞者で美術館は混み合っていました。


僕は3年前に森美術館で開催されていた「はつゆめ」

展示を見ていたので、その時に思ったことの1つに、

ポートレートの小さい映像作品でチョースローモーション

映像内の人物が動いている作品がずっと気になって

いました。というのも、僕がその作品を見た時に絵画との

接点を感じました。通常絵画の中の人物は動きませんが

映像だと動かす事ができます。その作品を作った動機と

通常の制作において絵画を意識する事がありますか?

と質問してみました。


Bill氏はとても丁寧に答えてくださり、簡単に言うと

もともと絵を描いていて、テクノロジーの可能性に

気が付き、1970年以降はビデオアートに専念する事

した。人物がチョースローモーションで動いているの

は、普段生活する中で、全ての物は動いている。

そして改めて目で見る事。それを意識する時間や

感覚を鑑賞者に再認識してほしい・・・などなど。

Bill氏は1981年にソニーのアーティスト・イン・

レジデンスで日本に滞在していたので、日本の文化

に詳しく、特に禅・仏教の教えなどの話しを交えながら

語ってくれました。本当に貴重な時間をありがとう

ございました。


またMuseum De Pontでは現代を代表する作家達

マルレーネ・デュマス、リュック・タイマンス、クリスチャン・

ボルタンスキー、ゲリハルト・リヒター、ベナード・フライス、

ヘルマン・ニッチなどの作品が常設展示で見ることが

できます。内容が濃すぎる1日でした。