空間と大気を描く事
9月の頭、3日間続けてアドバイザーとの
アポイントメントがありました。
7月のプレゼンテーション以降、僕の作品は
抽象的要素、直線、曲線、人物が1枚の絵画
の中に組み合わさってきて、より複雑化して
きていたのですが、このスタイルは僕には
合っていない(難しすぎる)なぁ~と薄々感じて
いました。
アドバイザーのNarcisse Tordoir(ナシース)は
こう切り出しました。
「 Yoshi、シンプルな絵はどう思う?
最近のYoshiの絵はあまりに複雑でテクニック
のオンパレード、自分でもどう描いていいのか
迷っているんだろう。シンプルに描くっていうのは
実は一番難しいんだよ。」
なるほど~と思った僕は早速、画材屋に走り
小サイズのキャンバス数枚とアクリル絵の具に
紙100枚セットを購入。初心に帰り、水彩の作品
からもう一度描いていこうと思いました。
まずは身近なモティーフを選び、頭で考えるのは
ほんの少し、自分の感覚重視、イメージは空間、
大気を描く事と消えてしまう事の2つに絞りました。
僕はいつもアイデアが浮かんだら下書きをせずに
一気にキャンバスに描き始め、2週間ぐらいで1枚を
仕上げるという方法をとっていたのですが
水彩を始めて、どう手を動かし、空間を描くかという
とても重要な問題に気がつきました。
そんな訳で今は、もともと手が早いのですが油彩を
辞めてアクリルを使い始め、更に素早くイメージを
ダイレクトに定着させる方法を学んでいます。
油彩はねっとりとした重厚な質感が好きだったので
すが、それが余計に画面を重くし、鑑賞者がすーっと
絵画の空間に入って行けないのでは?と改めて感じ
ました。フランスでGeorg Baselitzの作品を見れた
事が、ここに繋がっていきました。
今月の半ばには、第2回目のオープンスタジオが
あるので、このまま実験を続けて何か新しい作品が
生み出せるといいなぁと思っています。