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中学校に上がる前後で

一緒に暮らしていた

母の叔父さんにあたる

おじいちゃんが、

いつもは早起きなのに

ある日の朝、

起きてこなくなり

そのまま何日か寝込んで

数日後に静かに亡くなりました。

 

 

 

元気で足腰が丈夫で

体格もよく、

煙草も吸っていて、

たまに

おじいちゃんに

「タバコ買ってきて」と言われて

近所の駄菓子屋さんに

タバコを買いに行くのが

大好きでした。

 

さらに

お釣りをもらえる日もあり

嬉しかったです。

 

普段から

駄菓子屋さんには

お菓子を買いに

ちょこちょこ

行っていたのですが

なんか

おつかいっていうだけで

ワクワクして

楽しかったのです。

 

 

子どもながらに

誰かの役にたちたいという思いが

あったんだなと思います。

 

 

 

おじいちゃんは

テレビで相撲を見るのが好きで

相撲中継の放送される時間になると

必ず相撲が最優先されるため

居間のテレビは

おじいちゃん・おばあちゃん2人に占領され

相撲に興味のない

わたしには楽しくない時間でした。

いつも見ている

夕方の教育テレビが見れずに

つまらなくて

相撲の千秋楽が終わるまで

あと何日と指折り数えて

待っていました。

 

 

 

おじいちゃんが

亡くなったときは

人の死を見るのが

初めてだったし

両親や親戚たちが集まって

てきぱきと物事を進めていくので

わたしと弟は完全に蚊帳の外でした。

じゃましないように

2階の部屋で過ごしたり

やっぱり大人達のする事が

気になって、

こっそり見ていました。

 

 

 

お寺に

お通夜や葬式の準備で

普段見られないものが

いろいろと

飾られていく様子とか

並べられていく仏具とかを

見ているのは楽しくて

興味津々で見ていました。

 

 

 

おじいちゃんが

亡くなって悲しいよりという気持ちよりも

親戚が集まって

普段と違う家の様子に

ワクワクもしていました。

 

 

 

おじいちゃんの

お葬式が終わって、

しばらく経ったころ

おじいちゃんの妻である

母の叔母の方のおばあちゃんが

寝込んでしまいます。

 

 

 

そこから1年くらいだったか

家で寝たきりになり

母が介護をするようになります。

 

 

 

たまに、

おばあちゃんの部屋に行って、

母のやることを見ていたり

母に頼まれたことを

したりしていました。

 

 

 

今まで元気にしていた

おばあちゃんが

寝たきりになってしまう現実に

なんとも言えない気持ちになっていました。

 

 

 

床ずれで褥瘡が出来ている所を

見た時は、初めて見る褥瘡に、

人間の身体って、

こうなるんだ…という

衝撃を受けました。

 

 

 

しゃべれなくなって

食べられなくなって

動けなくなって…と

だんだんと弱っていく姿を見るのは

とても悲しかったです。

 

 

 

そうこうしているうちに

ある朝、

母に、「おばあちゃんの顔色が

土色になっているから、学校に行く前に

おばあちゃんの顔を見てから行って」と

言われていたのにも関わらず、

大したことないでしょ?と

軽く流してしまい、

おばあちゃんの部屋に寄らずに

中学校に行ってしまいます。

 

 

 

学校から帰ったら、

家の中がバタバタしていて

おばあちゃんが亡くなった事を知りました。

 

 

 

母に、

おばあちゃんの

顔を見てから行くように

言われたのに。

なんで顔を見ずに行ってしまったんだろう…と

後悔でいっぱいになります。

 

 

 

とても優しかったおばあちゃん。

亡くなってしまった事が

受け入れられませんでした。

 

 

 

その後も

あの朝

おばあちゃんの部屋に寄って

顔を見て

「行ってきます」

って言ってから学校に行けばよかったという後悔や

罪悪感は、ずっと消えずにいました。

 

 

 

なにか、あの時に

できなかったのかという想いに

とらわれてしまい

大人になってから

介護の仕事に携わることになるのですが

あまりのキツさに

3か月で退職する

はめになりました。

 

 

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