内定・内々定取消をめぐる問題Part4 | 人材活用ノウハウBOOK〜人事コンサルタント、社会保険労務士の知恵袋

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みなさま、こんにちは。今日もお越しいただき、ありがとうございます。
職場でおこるさまざまな労務トラブルを取り上げ、解決を指南するコーナーです。

採用内定をめぐるお話を続けます。



◆いつ「採用内定」という状態になるのか

一連の採用活動のなかで、「採用内定」という状態になるのはいつからなのでしょうか?

これは、通常は、会社が内定通知書を出し、本人から入社誓約書が出された時点となります。

ただし、誓約書が出されていなくても採用内定とされたケースもあります。
誓約書が絶対条件ということにはなりません。

要は実態がどうであったかですね。

会社が「あなたを内定とします」と内定の意思表示をし、それに対して本人が「承知しました」と承諾の意思表示をしたことが明らかであれば、採用内定ということになります。

◆内定取り消しは

では、このような内定を取り消すのはどのような場合ならできるのでしょうか。

判例を元に整理すると、次の2つが基準になります。

①採用内定当時知ることができず、また、知ることができないような事実が発覚または発生した。

②上記事実を理由に内定を取り消すのは合理性、相当性がある。

内定取り消しの有効・無効の判断基準になるのが、誓約書に記載されている内定取り消し事由です。

もちろん、誓約書に書いてあれば何でもいいというわけでありません。

上記2つの基準に照らして妥当なものでなくてはならないのです。

◆内定取り消し事由にはどのようなものが

それでは、上記基準に照らしてみて、どのような事由であれば妥当性がるといえるのでしょうか?

主なものとしては、「卒業できなかった」、「経歴詐称が発覚した」、「健康状態が悪化した」、「犯罪行為その他公序良俗に反する行為があった」などがあげられます。

ただし、これらに該当すれば無条件に内定取り消しができるというものではありません。

実際にはケースバイケースで判断せざるを得ないのです。


売り手市場と言われるいま、内定を取り消すということは想定していないかもしれません。

就活生の内定辞退を防ぐ方策を考える方が優先順位が高いでしょう。

それでも、内定取り消しを考えざるを得ない状況になることは当然あります。

そのようなときでも、慎重に、いろいろな要素をよく考えるようにしましょう。

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