今、現在主流の都市部の工法はプレカットと集成材で作られるインスタントな住宅になってしまいました。
大工は、今や組立工と化してしまいました。
墨付けはもちろんですが、カンナやのみすらも使わなくなってしまっていると聞きます。
電動以外ののこぎりなど使うこともなく、インパクトの穂先を変えて起用にさまざまなテクニック(腕ではありません)で住宅が出来上がってしまうのです。
そこに求められるのは、スピードであり、正確さや丁寧さではありません。
すべての部材が工場で、事前にカットされ現場で道具を使った時点で「アウト」だそうです。
坪当たり何人工で仕上げる住宅にお客さんの姿はありません。
私たちも営業活動である以上、工期も原価も当然設定します。
しかし、作り上げるものが原価至上であるか否かで出来上がりも違ってきます。
今の主流は、無垢材を使用するなどということは皆無です。なぜなら、無垢は面倒だからです。
造作材と呼ばれる、窓枠や扉の枠、巾木、廻りぶちまで扱いが大変まで工業製品の木にそっくりな模様を印刷した模造品を使います。
メーカーの既成部材が悪いと言うことではありません、好みもありますし、それを良しとされるお客様がいることも理解します。
しかし、何もわからない方たちにとって選択の余地がない事はきわめてかわいそうです。
窓枠ひとつとっても、ビニールでラップされて物がどういう影響があるのかを説明し、不利な点、有利な点をよく説明する責任が我々にはあるのです。
結露することによって水分は窓枠にたまり(よいことではないのですが)、2~3年でビニールは劣化します。
無垢であれば、表面の汚れや傷は味にもなりますが、劣化とは意味合いが違ってきます。
木造は、日本人がささまざまな方法や技術を継承してきた結果であり「在来木造工法」と呼ばれる現在の工法が最善とは思っていません。
日本は、島国であり南北に長く、モンスーン気候の湿度のきわめて高い夏と、厳しい冬を併せ持つ世界でもまれに見る気象条件の国です。
その代わり、豊富な自然と恵まれた食物、はっきりとした四季があり、さきわえる葦原の瑞穂の国です。
それが、現在の状況をご先祖様たちが見たらなんと思うか、ビニールだらけの住宅に入り、気密だけはよくして病気になり、換気扇に頼って25年経てば価値のひとつもない住宅に命を担保に一生を掛けて家族のために払い続ける。
私たちは、住宅を造っています。
人の住む入れ物を作っているわけではありません。
決して感動など売り物にせず、愚直に自分たちの信じた恥ずかしくないような建物を作り続けます。