建売住宅を見学した私たち夫婦。
結論から言えば、全体的な印象は「かなり良い」ものでした。

「建売=妥協」という先入観がどこかにあった私たちですが、この家に関してはそれを覆してくれるだけの魅力があった。
間取りの工夫、洗面台のデザイン、明るいリビング、抜け感のある外構計画、そして何より、実家からの距離。
条件面を見ても、今まで見てきた中でもトップクラス。

スミの気持ち

私は、土地が見つからない状況が長引く中で、正直「ここで決めてしまいたい」と強く思っていました。
このエリアは人気が高く、建売とはいえ検討者が複数いると聞かされていたこともあり、
「これを逃すと、次はいつになるかわからない」
そんな焦りのような気持ちもありました。

スミ妻の気持ち

ただ、スミ妻は少し違いました。
見学中は好感触だったものの、そのあと車に乗ってから静かに考え込む様子。
「やっぱり1階に室内干しのスペースがないのが引っかかる…」
「浴室のドアが折れ戸っていうのも、将来的に掃除しにくそうで不安…」

正直、こういうときの私たちは、「じゃあ保留だね」で終わることがほとんど。

でも今回は、何かが違いました。

「いや、ここは押さないとダメな気がする」
そう思った私は、スミ妻の不安や懸念に対して、できる限りの代案を提示することにしました。

たとえば室内干しの件。
「洗濯乾燥機の上のスペース、あそこに高さを活かしてランドリーボックスを置けるんじゃない?」
「可動棚の壁があるから、突っ張り式の物干しバーもいけそうだよ」
とにかく「この間取りの中でどう活かすか」を前提に話すと、スミ妻も「たしかに」と頷いてくれました。

浴室ドアも、実はリフォームで変更可能だという話を業者さんから聞いていたので、
「これ、もしキッチンリフォームお願いするなら、そのときに一緒にやってもらおう」
という提案もセットで。

他にも、「この仕様がちょっと…」と出てくる細かな懸念に対して、
ひとつずつ「こうすればいいと思う」「この方法もあるよ」と、可能な限りの策を並べました。

覚悟を決めた瞬間

それが決して“無理矢理”ではなく、
「じゃあ、ここで暮らすなら、どうやって心地よくするか」を一緒に考える、そんな時間でした。

そして気づけば、スミ妻もふっと表情を緩めて、
「うん、たしかに。意外とどうにかなるね」
と一言。

その言葉に、私の中でふわっと安心が広がりました。

あの瞬間、きっと私たちは「覚悟を決めた」んだと思います。
この建売住宅を、自分たちの「選んだ家」にしていこうと。

 

※このシリーズは、僕たち夫婦が過去に取り組んだ妊活・不妊治療の記録を、時間が経った今、振り返って綴っているものです。


体調は問題なし。でも、卵の状態は…

前回、妻の身体の状態には特に異常はないと確認できました。
ホッとした反面、やっぱり気になるのは「卵、どうなってるんだろう?」ということ。

診察では、医師からこう伝えられました。

「やはり卵がたくさん存在してしまっている状態ですね」

つまり、卵巣内に卵胞がいくつもあり、排卵がうまくいきにくい“多嚢胞”のような状態が続いているということ。
中でも比較的大きめの卵胞があるのは右側の卵巣。今回はここに注目して、育ち具合を見ていくことになりました。

薬で卵胞を育てて、10日後にチェック

今回も、卵胞を育てる薬を服用
そのうえで、10日後に再度病院へ行き、卵の成長を確認しつつタイミングを決める、という流れです。

ここまでは、ある程度予想の範囲内だったんですが——
このあと、ちょっと意外な展開がありました。

「今回は人工授精もやってみましょう」

先生の口から出たのは、こんな提案。

「今回は、人工授精も試してみましょうか」

正直、僕たちはまだタイミング法をもう何回か続けていくのかなと思っていたので、少し驚きました。

でも先生の話を聞いて納得。
人工授精といっても体外受精のように受精を人工的に行うわけではなく、排卵に合わせて運動性の良い精子を、卵管近くまで届けるだけ
その後は、自力で卵子に向かってもらう、という仕組み。

つまり、「タイミング法をより確実にするためのサポート」といった位置づけ。
先生もさらっと、

「妊娠してしまえば、どちらの方法でも一緒ですからね」

と、柔らかく伝えてくれました。

たしかに、それもそうかと、すんなり腹落ちする説明でした。

新しいフェーズに進んでいく実感

こうして、今回の診察は終了。
卵の育ち具合を見て、タイミングと人工授精を合わせて進める——
治療がいよいよ“次の段階”に入った感覚があります。

まだ驚きもあるけれど、「できることはやっていこう」というスタンスは変わりません
一歩一歩、納得しながら進んでいけるよう、夫婦で話しながら次の診察を待つことにしました。

注文住宅の計画が頓挫しかけてから数日。
もともとセカンドチョイスとして考えていた建売住宅を、再び真剣に検討するフェーズに入りました。

以前、同じ建築会社が建てた家を一度見に行ったことがありますが、あれはあくまで「別エリアの参考物件」。
今回ついに、実際に購入を検討している実家近くの建売住宅の見学が可能になったということで、さっそく内見へ。

外観

家の前に立ってまず思ったのは、

「あれ、なんか建売っぽくない…」
これ、地味に嬉しい誤算。

外観はすっきりとスタイリッシュで、色使いも絶妙。
「おしゃれな分譲住宅」ってこういうのを言うんだろうな、と思いました。

玄関

中に入ると、広めの玄関がお出迎え。
そこから、リビング側にも水回り側にも抜けられる2way動線。
図面ではわかっていたけど、実際に歩いてみると「いいじゃん!」ってなるの、家あるあるですね。

洗面所

そして驚いたのが洗面スペース。
なんとAICA(アイカ)の造作洗面が採用されていて、ぐっと雰囲気が上品。
「建売なのに造作洗面!?」と思わずテンションが上がる私たち。

もうひとつの懸念だった物干しスペースも、現地で棚や空間を見ながらあれこれ想像してみたところ、
「これ、うまく可動棚でスペース取ればいけるかも」と希望が見えてきました。
浴室乾燥機もついているけど、できればそっちはサブに使いたい派。
メインは室内干しで完結できる構造にしたいところです。

LDK

LDKは思っていたよりもずっと明るくて、ここもプラスポイント。
南向きの窓に加えて、隣の家との間にちゃんと“すき間”があって圧迫感がない。
しかもリビングの一角には吹き抜けもあって、光の取り込みが抜群。
「これは冬でも気持ちよさそうだね」とスミ妻。
ただし、天井が高い分、エアコンの効き方は少し心配かな…。

2階も見学。

気になっていたのは、バルコニー横の小部屋。
ここにサブの物干しスペースが設けてあるのが、地味にありがたい。
ただ、現時点では使い方が定まっていない場所でもあって、「ここどう活かす?」と悩ましい部分でもあります。

居室は今のところ3部屋。
ただ、将来的には4部屋に分けることも可能な構造。
仕切り用のドア枠も入っていたので、「こう分ければ…」と想像はできる。
が、性格上たぶん仕切らずに終わりそうな予感もします(笑)

それぞれの部屋にクローゼットがあるのも安心材料。
収納は、使い勝手の良さと日常のストレスに直結しますからね。

結論

総じて、予想以上に良かった
「これはこれで、アリかもしれない」という空気が、夫婦の間で静かに流れはじめた、そんな日でした。