新緑が最も美しい季節、日光を訪れました。
空は高く、雲はのんびりと流れ、山々は幾重にも重なって奥行きを描いています。
どうやらこのあたり、時間の流れも標高に合わせてゆっくりめなようです。
戦場ヶ原に立つと、視界いっぱいに広がる湿原と山並み。
風に揺れる草原の音を聞いていると、こちらの思考まで風に流されていきます。
頭の中の「やることリスト」は、どうやらここでは立入禁止らしく、すっかり姿を消していました。
中禅寺湖へ近づくと、景色は一転してとても穏やか。
湖面は空をそのままコピーしたかのようで、「これ、どっちが本物?」と一瞬考えてしまうほどです。
カヌーを楽しむ人たちを眺めながら、こちらはというと、ベンチで動かないという最も省エネな楽しみ方を選択しました。
道沿いでは、鹿にも遭遇。こちらを一瞥したあと、「あ、観光客ね」という顔で再び草を食べ始めます。
完全に地元民の余裕です。こちらが少し背筋を伸ばしてしまったのは、言うまでもありません。
雄大で、静かで、ときどき人間の立場を思い出させてくれる日光の自然。
写真には写らない空気や匂い、そして「人間ってちっぽけだな」という感覚まで、しっかり持ち帰ることができました。
次は季節を変えて—また訪れたいと思います。






