マクナマラの誤謬(ごびゅう)Ⅴ 初めに結論ありきに後付け数値 よくある誤謬  | 情熱山脈(passion mountains)のブログ

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楽しいイベント でも、主催者発表と警察発表ではかならず参加者数に大きな差が出ます(写真と本文は直接の関係はありません)

 

”マクナマラの誤謬”というテーマで4回に亘って解説してきました。4回目で〆るつもりでしたが、まだまだ陥りやすい誤謬が世間には多いことに気付いたので第5回です。

 

 

 

さて、そもそもマクナマラの誤謬とは、アメリカ合衆国軍総司令官のマクナマラがベトナム戦争において不確実、不足した数値で戦果を判断したために、無駄な殺戮がされた上に戦費もかさみ最終的には米軍の撤退で終わったという話に基づいています。

 

 そこで、ひとつ...結果を探求するためにその結果が正確である必要があるので数値を分析して結果を求める。これは正しいことなのですが...

 

 世の中...

 

結果、いや結論が先にあってそれを裏付けるに都合の良い数値のみを当てはめてその結論を正当化するということが結構多いのです。

渋滞発生時の迂回ルート...早く目的地に到達することが結論であると、裏付けの所要時間はこのルートの方が早いような数値を持ってきて結論が正しいように見せようとする。が、実際高速の渋滞のを通った場合の平均時速と迂回ルートの平均時速があまり変わらなかったり、所要時間も変わらなかったりする。要は、迂回ルートで渋滞を回避した方が速いという結論が先にあって、そうでなくてはならないという必然性がそのようなことをさせる。

 

 

 例えば会社の中で自分はどのような評価を得ているか。

売り上げや、指示に対する実施率などは数値で表せますが、たとえばヤル気...つまりは積極性であるとか指示に対する遵守性などは数値化できているでしょうか?

 むしろ、Aさんという人物像が周りの人間によって作られて...言い換えれば”噂”に羽が生えたレベルですが、それを裏付けるためにひどい時はにわかごしらえの数字をでっちあげて評価を定めている...そんなことはないでしょうか...

 

 あるある

 

 ある人物が異動で自分たちのチームに転入してくるとき、その人物像については情報が入ってきます。少なくともチームリーダーには情報が入ってくるでしょう。

 

 ヤル気がない、人間関係が悪い、勝手すぎる、他人を気にせずマイペース...

というどちらかというと事故物件的な人物が転入してくるとします。

 

 自分のチームリーダーはその人物と会うのがはじめてなので上記の”噂”を以てその人物にレッテルを張るでしょう。

 しかも、その裏付けが過去のボーナスや昇給といった評価点数などであることは良くあることです。

 しかしながら、仕事への意欲を正確な数字で表すこと一つとっても難しいですね。では、意欲が10点満点だとしてその転入する人物の点数が3点だったとしたら...4点の人との差は??

 

 そのように逆ハロー効果で、あいつはできない、どうしようもない人物という結論が先立ってそれに対し立証するための、いや、辻褄合わせの数字が付けられるとしたら...

 

 要は企業の中でも派閥などがありますが、あいつは気に入らないなどの感情的な理由で上記のような数値を結び付けてそれをあたかも理論的な結論とする。

 

 このように考えると、マクナマラ氏は...

アメリカは勝っていて当然という結論に合わせるための数値を求めていたのではないかと思われます。

 ベトナム人を何人殺したか...これにより米軍の死者数とベトナム人の死者数を比較してその差の大きさ故に自分が欲していた結論に肉付けした。

 

 しかしながら、米軍が殺していたのは無抵抗な一般人ばかりで肝心の正規の戦闘員は少なかった。

 

 私も人生の中で、そのような誤謬の被害を被ったことが何回もあります。

たとえば、上司のAには可愛がられていたが、そのAと犬猿の中のBというリーダーが率いるチームに異動になった。BはAの部下に出来るやつがいるわけがない、カス野郎だという見方をして、自分をいじめました。今のパワハラです。

 

 しかしながら、Bの下でどんどん実績をあげBの上司のCから私が非常に頑張っているのでBのチームの成績もよくBが褒められるということがたびたび起きるとBは私に対する見方を180度変えた...本来の正しい見方で見るようになった...がその時はすでに手遅れ...

 

 そのような経緯でその後の人生が狂った上司は数名います。

 

私は、他人に対して媚びいることが嫌いで実力あるのみという少し尖がった人生を歩んできたこと故、見かけは売り上げをあげたやつが一番偉いなどと宣う上司...でも、自分の趣味のゴルフに付き合う部下は多少出来が悪くても頼もしい...そんな世界。

 そのような上司は私が実績を上げてしまうと否応なしに評価が上がるので、私の担当を変えるなどしてなんとか悪いという結論に数字がついてくるように仕組んできました。

人事考課シートの雛型...誤謬の裏付け...鶏が先か卵が先か...最初に合計得点があって、その内訳を合計に合うように付ける...などの誤謬を犯す原因となる。

 

 

 誤謬...これは非常に損益をもたらすことなのですが、残念ながら人間社会では多く行われています。

 AIならどうか?AIも勉強して知識を集積してくると人間みたいになるのかな~
 

 

 

 

 

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