11/29、総務委員会が行われました。

〈審査案件〉
1 第45号議案 特別区人事及び厚生事務組合規約の一部変更について
2 第46号議案 豊島区手数料条例の一部を改正する条例
3 第49号議案 千登世橋中学校校舎棟外壁その他改修工事請負契約の一部の変更について
4 第52号議案 令和3年度豊島区一般会計補正予算(第4号)

〈報告事項〉
報告1 旧平和小学校複合施設の賃貸借契約について
報告2 第5次としま男女共同参画推進プランの策定について
 

【1 第45号議案 特別区人事及び厚生事務組合規約の一部変更について】
特別区人事・厚生事務組合は、生活保護法に定める「更生施設」等を設置運営しており、特別区内に11箇所あり。
更生施設は身体上又は精神上の理由での養護や生活指導を必要とするよう保護者を入所させ、生活扶助を行うことを目的とする施設。
救護施設は現在特別区には設置されておらず、本来救護施設に入るべき方が更生施設に入っているという現状もある。

設置根拠条例に、身体上又は精神上著しい障害がある要保護者を入所させ生活扶助を行うことを目的とする施設である「救護施設」を追加する改正。

なお、規約変更には23区全議会の議決が必要となる。

・更生施設より救護施設の方が、介護職員などの配備職員が多く必要になり、スプリンクラーなどの消化設備も必要。

建物のランニングコストに大差はないが、職員配置の分だけ財政負担は増す。

・生活保護の施設であり、生活保護の扶助費同様に、国が3/4、特別区が1/4負担する。特別区負担分は23区で按分。

・新宿区の「淀橋荘」が改築予定で、4年度中に都知事の許可を得て、10年度に事業開始予定
新設の予定はない。
更生施設の緊急枠もあるが入所できない場合もあり、その際は無料低額宿泊所などで待機。
・救護施設は23区にはないが、市部にはあるため、重い人はそちらへ配置する場合あり。

 

更生施設や救護施設へ入居した際、住民票も当該施設がある自治体へ移動させる場合があります。

その際でも、これらの施設への入居の場合は、前の住所地の自治体が扶助費を負担するルールとなっています。

これ自体は理解できますが、そもそも生活保護の扶助費は全額国費で賄うべきと私は考えており、区の見解についても確認しました。

今回の議論とは少し話が逸れますが、国に対しては全額国が負担すべきという要望は自治体としても出しているとのこと。

議案については全会派一致で賛成

【2 第46号議案 豊島区手数料条例の一部を改正する条例】
長期優良住宅法の改正に伴い、規定整備をするための条例改正です。

⇒国交省HP:長期優良住宅のページ

・長期使用構造等の審査を、所管行政庁から登録住宅性能評価機関へ移管する。同機関は住宅性能表示の審査も行っており、今回の業務が増えても審査の手間はさほど増えないため、合計の手数料は変わらない。
・共同住宅の申請方法が、1住戸単位から1棟単位の申請へ変更

・手数料の減額(一戸建て7200円⇒7100円、共同住宅23000円⇒22000円)


議案については全会派一致で賛成

【3 第49号議案 千登世橋中学校校舎棟外壁その他改修工事請負契約の一部の変更について】
表記の工事について、外壁が設計時点の想定よりも劣化していたため、施工数量の増加及び工期の延長が必要となったため、設計変更となりました。

なお、今回の工事は2期工事の設計変更です。

1期工事、2期工事の契約については過去blogをご覧ください。

⇒2/25総務委員会blog(報告2で1期工事の契約案件)

⇒7/6総務委員会blog(第28号議案で2期工事の契約案件)

私からは主に以下の確認

・設計時点の施工数量の見積もりの精度を上げられないのか
⇒現状は足場を組んで目視による位置の確認。1期工事の数量なども考慮して設計。

面積が大きかったこと、意匠的に複雑だったことは精度へ影響したかも。

橋梁などではドローンによる調査も行われており、今後検討。

・劣化に学習院側から出る水が影響したということは考えられるか?

⇒劣化箇所は南側の壁面であり、学習院側ではなく影響はないものと考えている。なお、学習院からは地盤調査の結果で安全性に問題がないという報告を受けている。

・工期の延長で学業には影響ないか?
→音の出る工事はないので、学業への影響は最小限である
・千登世橋中の大きな工事は近々はないか?

【4 第52号議案 令和3年度豊島区一般会計補正予算(第4号)】
一般会計補正予算4号について

予算総額45億5660.4万円(特定財源34.944億、一般財源10.622億)、債務負担行為の補正(次年度以降の歳出)
 

◆新型コロナウイルスワクチン接種関係経費(23億9431万円)

1・2回目接種に加え、12/1から始まる3回目接種に関する費用を計上。全て国庫補助事業となります。

新型コロナワクチン接種体制について、最新の情報は区HPをご覧ください

⇒区HP「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について


3回目の接種でも、区の集団接種会場に加えて、各診療所による個別接種も行われる予定です。

個別接種は1・2回目の時と同等以上の200を超える医療機関で実施できる見込み。

引き続き、医師会・歯科医師会・薬剤師会のご協力を頂きながらの運営となります。

 

・3回目接種は2回目接種後、原則8カ月以上経過した方が対象となります。

接種後の期間の算出にはVRSを使い、対象者へ順次クーポンが発送されます。
1・2回目を他自治体で接種後、豊島区内へ転入した方については、豊島区で接種記録が確認できない可能性が高いです。この場合、現状はお申し出がないとクーポン券が発行できません

※自治体間の連携について、国で検討中とのこと。ご案内が漏れる可能性のある方への周知をするよう、区へ要望しました。

・ワクチン・検査パッケージの活用の方針は、まだ定まっていないとのこと。質疑を重ね、今後検討する旨の回答がありました。

都の補正予算では、体調などの関係でワクチン接種をしていない方向けのPCR検査費用を無料とする予算が計上されています。

感染状況によってはイベント等の開催制限が掛かる可能性があるため、ワクチン・検査パッケージの活用については早急に検討しておく必要があります。


・年末年始の対応については、第6波の兆候が見えたときに体制を組むということにしているとのこと。

保健所や医療機関関係の方々にはご負担掛けますが、急な体制強化をすることになった場合は、予備費の活用含めた機動的な対応をお願いしたいです。

 

◆新たな文化施設整備事業経費の補正(1958万円)

トキワ荘通りにある「味楽百貨店」の一部を借用し、令和4年11月までに文化施設を整備するため、建物賃借料・展示設計・展示物政策を行うための経費を計上。
トキワ荘マンガミュージアムの近隣に位置し、関連施設として展示やワークショップ等を実施する施設にしたいとのこと。

◆地域密着型サービス等整備費助成経費(9031万円)

・南長崎5丁目に新設される、認知症グループホーム(2ユニット18名)・看護小規模多機能型居宅介護(25名定員)の複合施設の整備に関する、事業者への助成経費(開設は4年10月の予定)
・池袋3丁目の、グループホームいけぶくろの家、への設備改修助成経費
 

◆財政調整基金への繰入れ(6億7580万円)

一般財源超過額である6億7580万円を財調基金へ積立て

 

◆職員関係経費の補正

・毎年この時期に行われる補正。部署ごとの繁閑などにより職員関係経費の過不足が生じたものを増額又は減額補正しますが、トータルの見込み額の変動はありません。
 

◆障害者自立支援給付費等経費・居宅介護給付費(2900万円)

◆障害者自立支援給付費等経費・施設給付費(1億7700万円)

・サービス利用件数の増に伴う扶助費増

◆障害者自立支援給付費等経費・共同生活給付費(1億5200万円)

・グループホーム数増による入所者増や報酬改定の影響による扶助費増

◆障害児通所支援事業経費(1億1500万円)

・利用者数・日数増や報酬改定の影響による扶助費増

◆障害者施設運営助成等経費・障害者グループホーム等支援事業経費(2565万円)
◆育児支援ヘルパー事業経費(1400万円)

・例年を上回る利用者増のため、委託料増
◆児童手当支給経費の補正(589万円)

・児童手当法の改正に伴うシステム改修費(4年度中に2度システム改修を予定、今回含めて計3回に分けて改修)
◆一般事務経費の補正(324万円)

・私費会計のシステム改修費等

◆国庫・都支出金返納金(国庫6億3460万円、都2億2022万円)

・国・都から交付された負担金、補助金の超過交付額の返還(コロナ禍による事業減などのため)
 

<収入>

◆普段売払収入の補正(5532万円)

・池袋第一小学校近くの不燃化推進特定整備事業で取得する土地の地権者が代替地を希望したため、近隣の事業用地を代替地として売却

<債務負担行為>

債務負担行為とは、後の年度以降も債務負担をしなければならない場合にあらかじめ後の年度の債務を計上しておくことです。

地方自治法214条に基づきます。

◆池袋第一小学校改築事業経費

・3~4年度 1億5800万円⇒3億150万円(1億4350万円追加)

・コロナ禍で半導体を使用した製品や木工品の調達の遅れが生じており、調達時期を早めるため。

・なお、池袋第一小学校の新校舎の開校は令和4年9月の予定

 

◆旧第十中学校跡地活用等事業経費

・当初、令和10年度までの期間で18億の債務負担行為を設定。

今回の補正で、3~10年度までの期間で、20億2千万円の設定(2億2千万円追加)

・管理等のプラン変更によるもの。内容は先日の施設用地委員会のblogにまとめました。
⇒11/4blog「旧十中跡地野外スポーツ施設の設計変更(管理棟)について

 

◆立教通り整備事業経費

・4~6年度で限度額8億1800万円で設定。

・無電柱化や修景整備を検討し、第一工区の概算費用と工事期間が算出できたため、債務負担行為を設定。

・今後のスケジュールは、4~6年度に無電柱化工事、6~7年度に道路修景整備

 

全会一致で賛成


【報告1 旧平和小学校複合施設の賃貸借契約について】
旧平和小学校の複合施設の賃貸借契約についての報告がありました。

賃貸借契約とは、いわゆるリース契約のことです。

リース契約は、これまで議会への報告事項となっていませんでしたが、今回から一定額以上の契約は報告されることとなります。

 

整備施設:地上4階建て鉄骨造

・西部区民事務所などの行政機能(約1000㎡)

・千川中学校などの仮校舎機能(約5700㎡)

契約内容:上記施設のリース(設計、施工、解体、賃貸借期間中の維持管理等)

契約金額:26億6200万円(消費税込み)

工期:

・施設整備…6年2/28まで(予定)

・賃貸借支払い…6年3月~11年2月まで(5年リース)

※リース期間満了後は区へ無償譲渡
契約相手方:大和リース株式会社東京支店

千川中学校が仮校舎として使用開始するのは、令和6年3月からの予定です。

 

解体工事を含めたスケジュールを逆算すると、リース方式でないと工期に間に合わないため、今回の契約がリースとなったことは妥当だと考えます。

 

しかしながら、質疑により懸念される点も浮き彫りになりました。

・指名競争入札で、応札したのは結果的に1社のみだったこと

・リース契約の予定価格算出は、リース会社(複数社)からの見積もりとこれまでの契約実績などによる総合的な判断をした。国や都の基準や他区の事例等は確認できておらず、更なる客観性が必要だと考えられること。

・どのような場合にリース契約を選択するのか、基準が明確にないこと。

・区からは、性能などの基準をきちんと満たしているか、なども判断できるよう基準が必要との認識も答弁あり。

 

リース契約の課題はこれまでも指摘をしてきております。

上記の点などにつき、改めて庁内で整理をすることを求めました。


【報告2 第5次としま男女共同参画推進プランの策定について】
表記のプランの策定について、報告がありました。

 

現在パブリックコメントを実施中で、プラン案も公表されています。

⇒区HP「第5次としま男女共同参画推進プラン(案)に関する意見募集について

意見募集期間:3年11/24~12/15

 

◆今後のスケジュール

4年1/12 男女共同参画推進委員会(パブコメの経過報告、計画最終案提示)

1/25 男女共同参画推進会議(パブコメの経過報告、計画の決定)

2月 第1回定例会(総務委員会) 議会報告

総務委員会の審議は以上となります。