11/28(水)一般質問についてです(blog3回のうち2回目)

 

インターナショナルセーフスクール(以下、ISS)の取組みについて時系列で振り返った上で、今後の展開、課題などについて質問しました。

また、教育大綱にも謳われているコミュニティスクールの展開についても、併せて質問をしました。
私はかねてから、ISSとコミュニティスクールには共通点があることを指摘し、ISS活動からコミュニティスクールへとつなげていくことを提案しています。
過去の質疑で教育委員会から「ISSの発展形がコミュニティスクールとして位置づけている」旨の回答があります。

この方向を今後も模索すべきです。

〈ISSの取組みの時系列〉
平成22年11月16日の第3回セーフコミュニティ推進協議会において、朋有小が24年度の認証取得を目指す宣言文を読み上げ
24年10月7日に現地審査、同年11月27日に認証式
26年10月2日の子ども文教委員会での質疑で
・ISSの精神を全小中学校で共有
・朋有小、富士見台小以降の拡大については白紙の状態
と答弁
28年2月には朋有小が再認証、富士見台小が認証取得
28年5月の総合教育会議で、全小中学校でのセーフスクール化の方針が確認
29年2月に仰高小、池袋本町小の認証式
29年2月の私の一般質問で、ISSをコミュニティスクールへと進めていくことを提案。
また、ISSの今後の展望を質問し、
教育長から、8中学校ブロックでのISS取得を行い全校化への足がかりにする、旨の答弁。
29年3月の予算特別委員会での私からの質問で、3年間で1校当たり約650万円の予算が掛かること、費用の削減に取り組むことなどを確認
コミュニティスクールへの取組みについては、ISSの発展形がコミュニティスクールとして位置づけているとの回答があり、これまでのISS認証取得校をモデルに30年度の実施に向けた検討をする旨の答弁。
30年2月に池袋中学校、池袋第一小学校が認証取得し、池袋中学校ブロックは1中2小全てでISSの認証を取得。
30年2月に行われた子ども文教委員会でも、私からISSの中学校ブロック毎の展開やコミュニティスクールとの関係などについて質疑。
30年11月1日、朋有小の再々認証、富士見台小の再認証、高南小の認証に向けた現地審査。
30年度中に清和小も事前審査を受ける予定。
清和小の取組みまで含めると、中学校ブロック単位でISSの取組みをこれまで行っていないのは、千川中学校ブロックと明豊中学校ブロックの2ブロックのみとなる。

〈教育大綱での謳われ方〉
27年7月に、初めて教育大綱が策定。

ISSの拡充について盛り込まれており、地域区民ひろばと連携して拡充し、将来的には全小・中学校に普及させる、と表記。
また、コミュニティスクールの実施についても謳われていたが、これについては28年、29年の教育大綱からは抜け落ち、30年6月の教育大綱にて再び触れられる。
29年4月の教育大綱では、
・中学校ブロックを目安に取得校を増やす取組みを行う事
 ・認証校が各校の成果を小中一貫教育連携プロジェクトの一つに位置付けて中学校ブロックへ普及させ、安全安心な学校づくりの全校化を推進する
 ・区内の8中学校ブロック内で学校内外におけるケガや交通事故等のデータを収集・分析し、その対策に向けた取組を展開
など。
30年6月の教育大綱では、
・中学校ブロックでの推進校を1校以上設置し、取組みの全校化を推進する
とある。
また、コミュニティスクールの導入の表記が復活し、
・これまでのISSとの共通点も踏まえ、学校経営の最高責任者である校長を支え、地域が一体となって学校を応援するコミュニティ・スクールシステムの構築について検討する。
とされている。

〈一般質問の内容〉
上記の経緯に触れた後、以下の質疑を行いました。
 

Q:29年4月の教育大綱にある2項目の目的及び具体的方針については?
A:ISS全校化の目的は、国際標準としての8つの指標に基づき、児童・生徒、教職員と地域とが協働して、質の高い安全・安心な学校づくりを全ての小中学校で実現する事。
具体的な展開は、JISC(日本セーフコミュニティ推進機構)のコーディネートを受けつつ、来年度中に千川中・明豊中ブロックで認証取得を準備。
同時に、各中学校ブロック毎に、指標に基づき、科学的なデータを収集・分析し、根拠に基づいた対応策を検討するなど、横展開する。
 

Q:これまでの認証校での中学校ブロック内での横展開の進め方と取組内容、再々認証に取り組む朋有小が果たしてきたリーダー的役割とは?
A:横展開は認証校が連携・推進役を果たす。取組内容は、小・中一貫教育連携プログラムに基づき、各ブロックでデータの収集・分析の仕方や安全対策の在り方等について情報の共有・活用を図ってきた。
朋有小は、データの収集・分析、ヒヤリハット対策の共有化など、先進的なモデルを多く示した。セーフロードを設置し、ISS活動を記録し振り返るシステムづくりの提案など、リーダー的な役割を果たしてきた。
 

Q:池袋中学校ブロックでは全校でISS認証を取得した。中学校ブロック全校で認証取得したブロックと、推進校を設置して横展開を図るブロックとはどのような点で異なるのか?
A:地域対策委員会の設置の有無。具体的には、児童生徒と学校・地域による協働化の仕組みが継続して機能しているかという点が異なる。
 

Q: 次に費用面について伺う。
ISSは3年ごとの再認証が必要な仕組みであり、認証校が増えてくると、費用と労力を毎年相当割かねばならないという点は以前の委員会でも問題提起している。
認証取得に係る経費の効率化の手段として、更なる審査の共同実施や申請書翻訳の外注化を今年度から進めている。
11月1日に、朋有小、富士見台小、高南小の現地審査が一日で行われた。移動や食事、休憩の時間を考慮すると、セレモニーなどを削らない限り1日で3校こなすのは至難の業。
3校をまとめた審査の共同実施についての総括は?

A:経費節減のためJISCと調整して3校の現地審査を一日で実施。しかしながら実際にやってみて、各校のプレゼンが熱心になるあまりスケジュールがタイトになってしまったと総括。今後は内容やスケジュール管理が適切に行えるよう工夫・改善をする。
 

Q: 当日の審査では、審査員から申請書の提出期限や翻訳の質に関して苦言を呈された。
申請書は6週間前までに提出しなければならないところが審査員の手元に届いたのは1日前だった、翻訳は原文の日本語からはニュアンスが変わってしまっている箇所がいくつもあった、などの指摘。
申請書の提出期限を守ることが出来なかった原因は?

A:従前通りJISCへ日本語版・英語版を提出。今年度は再認証・再々認証については事前審査を省いて直接現地審査へ臨んだため、十分な事前の意思疎通が出来ていなかったことに起因したものと捉えている。今後は学校とJISC間とのスケジュール管理をしっかりと行い、当然ながら提出期限を守るよう最大限の努力。
 

Q:申請書翻訳の精度について、これまでとどのように異なるのか?
A:信頼できる英訳の専門業者へ委託。これまでと同様の精度であったと認識しているが、一部専門用語上の解釈について指摘があったと受け止めている。
 

Q:申請書翻訳の外注化における成果物のチェック体制に不備はなかったか?
A:成果物のチェックについてはJISCとの契約内容に含まれていた。しかし、英訳データの受け渡し方法の不備により十分なチェック機能が果たされなかったと捉えている。今後はデータの受け渡しが確実なものとなるよう改善する。
 

Q:審査員に苦言を呈された2点についての見解は?
A:申請書の提出に係る不備を指摘したものであり、子供たちや学校・地域の皆様に向けられたものではなく、審査に立ち会った皆様に対して大変心苦しく思っている。
指導された改善点については、1月に予定されている認証式までに補正し、認証が受けられるよう改善する。
 

Q: 8月末に会派視察を行った北海道登別市では市内全校でコミュニティスクールを導入済み。今後は中学校区でまとまって一つのコミュニティスクールとなるよう検討するとのこと。先行している自治体が、中学校区でまとまるべきと感じていることには着目したい。
29年2月の私の一般質問で、ISSとコミュニティスクールの共通点に触れつつ、ISSで培った経験と地域との連携をより密にする要素を加えながら、いわば豊島区版コミュニティスクールの展開を視野に入れるべきではないか、という考えを述べた。
30年6月の教育大綱に明記されている「コミュニティスクールの導入」の方向性の通りに進める場合、既に取組んでいるISSとの関係の整理が課題となるが見解は? 

A:コミュニティスクールは学校運営協議会を主体として、地域とともにチーム学校として一体的に学校運営を行う制度。
ISSは8つの指標に基づき、学校と地域が共通理解のもと一体となって、安全・安心の改善充実を目指しており、コミュニティスクールと極めて多くの共通点をもっていると認識
この共通点を生かして、コミュニティスクール化を進めていく考え。
 

Q:コミュニティスクールの導入における今後の展望は?
A:31年度にはモデル校を設置し、課題を検討の上、整理する。その検討を踏まえ、ISSの特色や共通点を十分に生かしつつ、地域の力を活用し、児童生徒と学校・地域が一体となった豊島区版のコミュニティスクールを推進する。
 

<過去の区議会会議録、blogなど>

豊島区議会の会議録の検索をして頂くと、過去の経緯を確認することができます。

どの議員がどのような時系列で質疑をしてきたか、ご確認ください。

検索キーワードは「セーフスクール」、平成22年から現在までの範囲で検索すれば、会議録化されているものが全て検索できます。

(インターナショナルセーフスクール、ISS、などで検索すると、漏れがある可能性があります)

⇒豊島区議会会議録検索システム

http://www.kensakusystem.jp/toshima/cgi-bin3/Search2.exe?Code=jejucn3ptc8dzc6egg&sTarget=2

 

※私の過去のblog
29年2/22 29年第1回定例会一般質問
「地域組織再編、ISSとコミュニティスクール」
https://ameblo.jp/hosokawamasahiro/entry-12251463403.html

⇒上記一般質問により、教育委員会から以下の回答を得ています
「ISSの今後の展望について、平成28年5月の総合教育会議において、全小・中学校でのセーフスクール化を確認。
この方針に基づき、平成29年度、池袋第一小学校と池袋中学校が認証取得に向けて準備。 
今後の展望として、8中学校ブロックが小・中一貫教育連携プログラムに位置づけ、必要とする予算のあり方も含め検討し、全校化への足がかりとする。」

28年7/11 子ども文教委員会
インターナショナルセーフスクールの認証に向けた取組について
https://ameblo.jp/hosokawamasahiro/entry-12179147834.html