空に♡を見つけた日

 

 

私が住むところでは、今年、秋晴の好天が少なく、朝は晴れていても午後から曇ったり、その逆だったりと、透明感のある、きれいな秋の空を見る機会があまりありませんでした。

 

夜も日中も、空を眺めるのが好きです。

ただ、ぼんやりと無心になって見ています。

先日、海辺の町を訪ねたら、お空にハートが見えました。


秋の空と言えば、「秋高し」「天高し」の季語も好きです。

まさに「藍天白雲」の世界。

 

いづこにも龍ゐる国の天高し   有馬朗人

 

「天高し」を詠んだこの句は、もともと大好きでしたが、彼らを知ってから、より好きになりました。

有馬朗人
(1390~2020)は、物理学者で第24代東京大学総長、政治家でもあり、第125代文部大臣でもあった俳人です。

すばらしい海外詠をたくさん遺しました。海外で詠んだ歌や句を「海外詠」と言います。


「いづこにも龍ゐる国」とは中国のこと。

龍やドラゴンは世界中にいますが、「いずこにも」となると、やはり、彼らの住む国ですね。

大陸の広い大地を覆う空は、きっと高いのでしょう。
中国には行ったことがありませんが、旅は都市よりも広大な風景の地を選ぶほうですので、日本で見るより何倍も大きな太陽や何倍もの数の星、そして、何倍も高い高い天を見たことがあります。


広々とした風景は悠々として、心がゆたかになります。
気管がひろがったような息のしやすさも感じます。

緑の丘の上、魏嬰と藍湛の別れのシーンの撮影は8月22日頃とのことですから、歳時記の暦ではすでに秋。

「藍天白雲」は「天高し」の空。

 

少し前のことですが、しほりんさんのblog「しほりんのお部屋」に『心动』のレコードジャケットの写真がupされていて、ほんとうに驚きました。

 

 

 

陳潔儀『心動』

 

 

ちょうどZhanの『心动』を日本語にした後でしたので、思わずコメントさせていただいたのですが、ほんとうに、なんという奇跡でしょう。

山並みに風力発電機が並んでいて、どこかで見た風景ではありませんか。
そして、大きなハートが! しかも、Yiboくんのグリーンのモノトーン。


Zhan Zhan が歌う以前のもの。

もちろん、『陳情令』の撮影よりも前です。
彼らの逸話には、当然のように「奇遇」がついてきます。

 

龍については詳しくないのですが、深い深い湖に棲んでいそうですね。
雲を起こし、雨を呼び、天に昇り舞う時には、竜巻を起こすとか。

最古の漢字字書と言われる「説文解字」には、「龍、鳞虫之長。能幽能明、能細能巨、能短能長。春分而登天、秋分而潜淵」と、記されているそうです。


「春分に天に昇り、秋分に淵の中に潜む」というので、「龍天に登る(りゅうてんにのぼる)」は春の季語、「龍淵に潜む(りょうふちにひそむ)」は秋の季語となります。

春の龍は慣用音で「りゅう」と読み、秋の龍は漢音で「りょう」と読みます。

(最近の歳時記では、どちらも「りゅう」と読んでいるものもあるようです)
十七音の俳句で、季語だけでこの音数を使うのはハードルが高く、どちらも、まだ詠んだことがありません。


自宅からいちばん近いところの古い神社(小さなお堂です)が、弁天様。

かつては龍神も棲んでいたという謂れもあり、龍にも親しみがあります。