ジャケットからして、かなり怪しい。
今はなき新東宝(ピンク映画は別会社)作品。
新東宝という映画会社は不思議な会社だった。
当時の社長『大蔵貢』
この人は自社の女優『高倉みゆき(明治天皇の映画で皇后役など新東宝作品に出てます)』とのスキャンダルが出た時、
マスコミから「女優を二号にした」と非難された事に反論、
「女優を二号にした」のではなく「二号を女優にした」と発言。
おおいにマスコミを賑わしたのが
記憶に残っています。
新東宝映画は
創立当時は文芸作品など名作もあったが、
経営不振で登場した大蔵貢社長で、
経営方針が大きく変わって行きました。
いつか記事に書きたい映画会社です。
さて『海女の戦慄』ですが、
主演は前田通子
(日本初の全裸、初めてのグラマー女優)
などと言われた女優です。
彼女はその後ヌードにならない事で
映画会社から干されてしまいます。
物語の舞台は海沿いの村と小さな港街。
海女のひとりが殺され、ひとりが行方不明。
町のカフェに現れた怪しい連中・・・
とサスペンスドラマなんだが、
なんせ登場人物全員の衣装、メイク、全てがいかにも怪しい。
その陳腐さとレトロ感覚は貴重(笑)
中でもカフェのシーンは大好きです。
マドロス帽の船員達が酔って、
女を抱き寄せる画面。
酔っ払ってフラフラしてる画面など
今どき見れない映像演技がたっぷりです。
小難しい事は抜きにしてこんな映画があったのかと、
突っ込みながら見てはいかがでしょうか。