・単行本:2019年8月 集英社
・文庫本:2022年3月 集英社文庫
<内容紹介>
かつて新聞社編集委員の残間が追いかけた、商社の違法武器輸出。
過去の百舌事件との関わり合いを見せたことから露わになったこの事件は、
一時的な収束を見た。
しかし、そこへ新たな展開が訪れる。元民政党の議員、茂田井滋が殺されたのだ。
しかも両目のまぶたの上下を縫い合わされた状態で。
既に現役を退いている彼の殺害理由は何か。
彼は何を知っていたのか。
探偵となった元警視庁の大杉、彼の娘で現役警官のめぐみ、
公共安全局にいる倉木美希はそれぞれ独自に捜査を始める――。
殺し屋百舌の正体は!? 捜査が進むにしたがって、次々に百舌の凶弾に倒れる関係者。
大杉たちは真の黒幕に辿り着くことができるのか。
三十年以上にわたり書き継がれてきた伝説の百舌シリーズ、堂々の完結。
読了日(上):2022年3月26日
(下) 2022年3月31日
2014年にドラマ「MOZU」を見て、原作小説を読みました。
その「百舌シリーズ」の完結作品がこの「百舌落とし」。
百舌シリーズは、以下のような感じ。
エピソード0:裏切りの日日(1981年2月)
エピソード1:百舌の叫ぶ夜(1986年2月)
エピソード2:幻の翼(1988年5月)
エピソード3:砕かれた鍵(1992年6月)
エピソード4:よみがえる百舌(1996年11月)
エピソード5:ノスリの巣(2002年6月)
エピソード6:墓標なき街(2015年11月)
で、エピソード7(完結編)が本作:百舌落とし(2019年8月)です。
個人的な感想としては、ドラマ化の勢いでエピソード6,続けて7
を書いてみたけど、エピソード5からのブランク(13年は大きかったな)という感じです。
正直、書かない方がよかった。。。
今回の「百舌落とし」も同じような記述が繰り返され、正直くどかったです。
例えば、
登場人物Aが xxx という情報を得る。
並行して登場人物Bが ○○○ という情報を得る。
AとBが落ち合う。
AがBに xxx という情報を教える。
BもAに ○○○ という情報を教える。
しばらくして、AとCが落ち合う。
AがCに xxx という情報を教える。
加えて、 ○○○ という情報をBから聞いたことを教える。
CとDが落ち合う。
CがDに xxx という情報をAから聞いたことを・・・(以下、略)
こんな感じで頁数がかさんでいきます。
それでも、上下巻に分冊するほどのボリュームではないんですけど、
なぜか分冊化・・・大人の事情?
作者がベテラン(78歳)なので、編集者も校閲しづらいのでしょうか?
シリーズとしては、
主要人物が途中退場していく中で完結まで持って行ったのは良かったかな。。。
倉木警部(ドラマでは西島秀俊)がシリーズの最初の方で退場したのが衝撃的でした・・・
あと、東(ドラマでは長谷川博己)は原作には登場しません(笑)
ちなみに、私はドラマを先に見てしまったので
このシリーズを読みながら常に演じていた俳優陣の顔が浮かびました。
真木よう子の場合は、顔というよりも おっ○い(笑) ← しつこい