2018年秋 法政優勝への道④(1/2)~慶応VS法政の死闘…そして伝説の「10.3決戦」へ~ | 頑張れ!法政野球部 ~法政大学野球部と東京六大学野球について語るブログ~

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少々マニアックな事なども書くと思いますが、お暇な方は読んでやって下さい。

2018年秋の東京六大学野球は、第3週を終え、

慶応と法政が勝ち点2で並び、

第4週で、勝ち点2同士の慶応と法政の両校が、直接対決で激突する事となった。

 

慶応VS法政の対決は、今季の優勝の行方を大きく左右する天王山であり、

ここで勝ち点を取った方が優勝へと大きく前進する大一番であったが、

慶応と法政の両校は、優勝へ向けて絶対に落とせない、この戦いで、

まさに、歴史的な死闘を繰り広げた。

 

それでは、慶応VS法政の、凄まじい死闘の模様を、振り返ってみる事としよう。

 

 

<10/1(月)、慶応が逆転2ランで先勝、法政は痛い星を落とす>

 

当初、9/29(土)、9/30(日)に予定されていた、

慶応-法政、早稲田-東大の試合は、

台風の影響により、土日の試合は全て中止となった。

 

そして、10/1(月)に、改めて初戦を迎える事となった。

 

慶応VS法政の、優勝をかけた大一番の第1ラウンドは、

法政が三浦、慶応が高橋佑樹の両先発で始まった。

共に、今季の両校を支える、最も信頼出来る好投手同士の対決である。

 

1回表、法政は2死満塁のチャンスを作ると、

6番・川口凌がレフト前へタイムリー安打を放ち、法政が1点を先取。

しかし、この当たりでホームを狙った、2塁ランナーの中山は、

慶応のレフト・柳町からの好返球により、惜しくも本塁寸前で、タッチアウト。

 

法政は、慶応の先発・高橋佑樹を初回から攻めて、

1点こそ先取したが、追加点は奪えず、

法政としては、少し痛いプレーとなった。

そして、慶応の高橋佑樹は、このプレーで立ち直り、

2回以降は、法政打線を抑え込んで行った。

 

一方、今季絶好調の法政・三浦は、この試合も素晴らしい投球を見せ、

4回まで慶応を無得点に抑えていたが、

5回裏、慶応の小原が、レフトスタンドへ逆転2ランを放った。

好投を続けていた三浦としては、誠に手痛い一発であった。

 

6回裏、慶応は2死満塁のチャンスを作るが、

今季、法政の全5試合に登板している石川が、リリーフで颯爽と登場、

石川は、慶応の嶋田を空振り三振に仕留め、法政は大ピンチを切り抜けた。

 

しかし、法政も慶応の高橋佑樹、8回からリリーフした高橋亮吾を打ち崩す事は出来ず、

結局、そのまま慶応が2-1で法政を破り、先勝。

慶応VS法政の初戦は慶応が制したが、法政としては、打線が沈黙してしまい、痛い星を落とした。

 

優勝を狙うためには、法政は慶応にストレート負け(連敗)する事だけは、避けなければならない。

2戦目は、法政にとっては、絶対に負けられない戦いとなった。

 

 

<10/2(火)、法政が打線爆発で慶応に快勝!1勝1敗のタイに持ち込む>

 

慶応VS法政の第2ラウンドは、

法政が高田、慶応が森田晃の先発で始まったが、

 

1回表、法政の先発・高田は自らの暴投などで1死満塁のピンチを招くと、

慶応の5番・内田の打席の時に、このイニング2度目の暴投で、

慶応に先制の1点が入った。

 

しかし1回裏、法政は1番・宇草が、慶応・森田晃から、

ライトスタンドへ先頭打者ホームランを叩き込み、法政がすかさず1-1の同点に追い付いた。

 

その後、1-1の同点で迎えた3回裏、

法政は1死2塁のチャンスを作ると、4番・中山がセンター前に勝ち越しのタイムリー安打を打つと、

続く5番・中村が、レフトスタンドへ2ランホームランを放ち、慶応の先発・森田晃をノックアウトした。

更に、代わった慶応の2番手・木澤から、2死後、吉岡もホームランを放ち、

法政は3回裏に一挙4点を奪い、法政が5-1とリードした。

 

4回表、高田は2死1、3塁から、慶応の渡部にタイムリーを打たれ、5-2と詰め寄られるが、

その後は高田が後続を断ち、法政がリードを保った。

 

4回裏、法政は3番・向山、4番・中山が連続タイムリーを放ち、リードを広げると、

5回から、法政は2番手として、菅野をリリーフで投入。

菅野は、5イニングを1安打5奪三振、無失点と完璧に抑え、今季初勝利。

結局、法政は慶応に8-2で快勝し、このカード1勝1敗のタイに持ち込んだ。

 

初戦を落とし、追い込まれた法政は、絶対に落とせない2戦目に勝ち、

優勝争いに向けて、大きな1勝を手にした。

これで、慶応VS法政の対決は3回戦へともつれ込んだが、

3回戦を取った方が優勝へと大きく近付く、まさに天下分け目の大一番である。

果たして、3回戦はどのような展開になるのであろうか?

 

 

<10/3(水)、慶応VS法政の第3ラウンド…伝説の「10.3決戦」の行方は!?>

 

1勝1敗で迎えた、慶応VS法政の第3ラウンドは、

両校の意地と意地がぶつかり合い、今季のハイライトとも言うべき激闘となったが、

今季だけではなく、まさに東京六大学野球の歴史に残る死闘となった。

 

10/3(水)の12:00、法政は三浦、慶応は高橋佑樹という両先発で、

歴史的な死闘は幕を開けた。

 

【向山の起死回生の逆転満塁ホームラン】

 

1回裏、慶応は4番・郡司のタイムリーで先制すると(法政0-1慶応)。

2回裏、慶応は1番・中村の2ランホームランで、追加点を挙げた(法政0-3慶応)。

 

しかし、法政は3回表、無死満塁のチャンスを作ると、

3番・向山が、高橋佑樹から、レフトスタンドへ起死回生の逆転満塁ホームランを放った(法政4-3慶応)。

向山の逆転満塁弾に、慶応の高橋佑樹はマウンド上でガックリとうなだれたが、これはまだ激闘の序章に過ぎなかった。

更に、法政はこの回、相手のミスに乗じて、もう1点を追加し、一挙5点を奪った(法政5-3慶応)。

 

 

【慶応と法政、激しい点の取り合い】

 

法政は、先発の三浦を早々と諦め、3回裏から2番手・高田をマウンドに送ったが、

慶応は、この回先頭の3番・内田がライトスタンドへホームランを放ち、1点差に迫った(法政5-4慶応)。

 

更に、慶応は4回裏、2番・渡部のタイムリーで同点に追い付くと(法政5-5慶応)、

5回裏、慶応は代打・植田将のタイムリーで、再逆転に成功した(法政5-6慶応)。

 

再び、追う展開となった法政は、

7回表、4番・中山が、慶応の2番手・高橋亮吾から、左中間スタンドへ、豪快に同点ホームランを叩き込んだ。

法政が、主砲の一発で、試合はまたしても振り出しに戻る事となった(法政6-6慶応)。

 

 

【塁上の判定を巡り、大トラブル】

 

法政は、三浦(2回)-高田(2回)-石川(2回)と、小刻みに投手を交代し、

7回裏からは、4番手として菅野をリリーフに送り込んでいたが、

8回裏、勝敗を左右する重要な場面で、塁上での判定を巡り、大事件が発生した。

 

1死2、3塁の場面で、慶応の9番・高橋亮吾は一塁ゴロを打ったが、

この当たりで、慶応の三塁ランナーが本塁へ走って来たのを見て、

法政の一塁手・中山は本塁へ送球。

 

三塁ランナーは三本間に挟まれたが、慌てて三塁に帰塁し、

そこへ、二塁から三塁へと走って来た二塁ランナーが三塁へ到達。

つまり、慶応の二塁ランナーと三塁ランナーが、ちょうど三塁で重なる形となったが、

法政の捕手・中村が、三塁ランナーを追って、三塁へと向かったものの、

この時点では、どちらのランナーも、タッチされてはいない。

二塁ランナーは、ここから慌てて、二塁方向へと戻って行った。

 

しかし、2人のランナーが三塁で重なった時点で、三塁塁審がアウトを宣告。

一旦、プレーは中断したが、ここで審判団が集まり、判定を巡り、協議を開始。

そして、協議の結果、主審が、

「三塁塁審のミスジャッジ。オールセーフで、1死満塁で試合を再開します」

と、マイクを使い、場内に説明した。

 

つまり、一旦はアウトになった後、審判が判定を覆した形となったが、

この判定に、法政の青木監督と、選手達が猛抗議。

しかし、今度は判定は覆らず、試合は1死満塁から再開される事となった。

 

この判定に、青木監督は悔し涙を流したが、

法政ナインは、ここで内野手だけではなく、外野手を含めた全員が集まり、

青木監督菅野を中心に、全員で心を一つにする事を誓い合った。

 

そして、マウンド上の菅野は、気迫の投球で、

慶応の1番・中村、2番・渡部を打ち取り、慶応に勝ち越しを許さなかった。

まさに、この場面では青木監督と法政ナインの意地が、不利な判定を物ともせず、

慶応を圧倒したという事であろう。

 

 

【延長戦で法政が勝ち越し!しかし…。】

 

その後、法政・菅野、慶応・高橋亮吾の両投手が踏ん張り、

試合は、6-6の同点のまま、延長戦に突入。

 

そして、延長11回表、法政は1死2塁のチャンスを作ると、

6番・川口凌が、高橋亮吾から、ライトスタンドへ勝ち越しの2ランホームランを放った(法政8-6慶応)

三塁側の法政側のスタンド、そして法政ベンチはお祭り騒ぎとなり、遂に法政が勝利を手にするかと思われたが、

試合は、これでもまた決着はつかなかった。

 

延長12回裏、既に5イニング目となった菅野は、

勝利目前で、2死満塁の大ピンチを招いた。

 

そして、途中出場していた、慶応の7番・大平が、

3-2のフルカウントから、センター前へ、執念の2点タイムリーを放ち、

慶応は、敗北目前の土壇場で、また同点に追い付いた(法政8-8慶応)。

法政は、勝利まであと1ストライクと迫りながら、菅野が打たれ、惜しくも勝利を掴み損ねた。

法政としては、誠に痛恨の一打となったが、慶応の粘りもまた、素晴らしいものであった。

 

 

【遂に死闘に決着】

 

そして、この日はプロ野球併用日だった事もあり、

延長12回が「最終回」となったが、12回表、法政は慶応の3番手・木澤に抑えられ、無得点。

 

12回裏、慶応は1死満塁のチャンスを作る。

法政は、この回から5番手・朝山、6番手・森田をマウンドに送り、必死に防戦に努めたが、

絶体絶命の大ピンチである。

 

慶応のサヨナラ勝ちか、それとも、法政が引き分けに持ち込むか!?

 

両校の選手達と、応援団、ファンの全てが、固唾を飲んで見守ったが、

ここで打席に入った、慶応の代打・長谷川晴は、ショートの左への緩いゴロを放った。

法政のショート川口凌が捕球し、捕手の中村へ必死の返球をしたが、

返球よりも、ホームへ滑り込んだ三塁ランナーの足が僅かに早く、判定はセーフ!

 

こうして、歴史的な死闘は、延長12回裏、慶応の劇的なサヨナラ勝ちで、幕を閉じた(法政8-9慶応)。

 

試合時間は、4時間45分。

まさに、東京六大学野球史上に残る、歴史的な死闘は、慶応に軍配が上がった。

法政としては、痛恨の敗戦となってしまったが、このような素晴らしい試合を見せてくれた慶応と法政の両校の戦いぶりは、

いくら称賛しても、し過ぎるという事はないであろう。

 

ともあれ、これで慶応は勝ち点3となり、優勝争いは、慶応が一歩リードする事となった。