⬆️このお話の続き
話が行ったり，来たりしているが、ようやくこのできごとを書こうと思う。
細かいことは覚えていないが、1歳だった三男がいなくなった。
まだ1歳だし，そんなに遠くには行っていないだろうと，近くを探し回った。
道行く人にも小さな男の子を見なかったか聞きながら‥
すると一人の方がのどかにおっしゃった。
「1歳くらいの男の子ならさっき見ましたよ。
交差点の信号のところに一人でいましたよ」
お礼を言って、そこに行ってみると、三男はいた。
とにかく三男が無事でいたことを喜んだ。
緊張の糸が切れてちょっとボーッとした後、わたしは思った。
せっかく教えてもらったのに‥
ちゃんと三男はいたのに‥
自分が目を離したくせに‥
わたしの頭の中は?？？？？？でいっぱいになった。
1歳の子どもが一人きりで交差点にいたのに‥
車がバンバン走っているのに‥
目の前に交番があるのに‥
それを見ても、
なんで三男は放置されたのだろう？
その美しい街が寒々と見えた。
引っ越しをした理由はたくさんあるけれど、
これ以上この街にいたくないという気持ちはけっこう大きかった。
良い友だちもたくさんいたし、お世話にもなった。
それでも私たちは引っ越しすることにした。
続く
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