⬆️このお話の続き
丁度26年前の今頃の時期だったと思う。
ある日ケントが高熱をだし,リビングでゴロゴロしていた。
そのとき急に「あっ!! 開いた」と言った。
「何が開いたの?」
「あのねー 頭の中のお勉強の引き出しが開いたんだよ。今まで他のことがいっぱい詰まっていてお勉強の引き出しが開かなかったんだけど,今、開いたからこれからは、ちゃんとお勉強のことが入るよ」
なんと,それを期にケントの学校での授業態度は、良くなったらしい。
どうやら好奇心旺盛なケントは小学校へ入り、給食室や校長室はどんなふうになっているんだろう?‥
と、色んなことに興味津々で,勉強どころではなかった。
それが一通り分かって,ようやく引き出しの中に空きができて、開いたんだろう。
ところが,残念なことに,夏休みに入るやいなや、「お勉強の引き出し」は、再び閉じてしまった。
その後、開いたのかどうかは不明だ。
どっちにしても,学校の勉強はつまらなかったようだ。
つまらないので、ケントは頭の中で色んなことを考えていた。
いつもいつも考えて,多分,それが高速で回転するようになったのだろう。
それと,ケントは最初にも書いたが,よく高熱を出した。
多くは季節の変わり目。
まるで,激しいエネルギーを放出するがごとくの高熱。
ところがこの高熱を出したとき、ケントは別人のようになった。
続く
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