三男がいなくなったことを書こうと思ったが、その前に
二つのできごとを書こうと思う。
‥‥‥
神戸でケントは公立の幼稚園に通った。
私立と違って、幼稚園バスがないので、毎日送り迎えをするようになった。
超多動の次男と、まだ赤ん坊の三男。
しかし、送り迎えは毎日続く。
その大変さはあったが、その分わたしは色んなお母さんたちと接する機会があり、それなりに楽しく過ごしていた。
ケントも仲良しのお友だちができた。
話は飛ぶが、わたしは教会に行っているので、教会の方も家に訪ねて来てくださった。
お二人でやってきて、帰る前に「何か困ったことがあったらいつでも言ってくださいね」と言ってくださった。
なんと偶然にも、翌日次男の具合が悪くなり、医者に連れて行きたかったが、次男は歩ける状態ではなかったので、まだ赤ん坊の三男を一緒に連れて行くことは難しかった。
それで、前日に「困ったことがあればいつでも言ってください」と言ってくださったことを思い出し電話をかけてみた。
するとお返事は「今日はテニスに行くのでごめんなさい」だった。
もう一人の方にもかけたが、なんだか似たような理由であっさり断られた。
それで、近所の幼稚園のママ友に電話をすると「それは大変!!直ぐに迎えに行くから待っててね」と言って、飛んできてくれた。
ほんとに嬉しかったし、助かった。
そのときにもう一つのエピソードを思い出した。
ケントが生まれて間もないときだった。
その日はひどく寒くてみぞれが降っていた。
それなのに、こともあろうに唯一の暖房器具のエアコンが壊れた。
わが家にファンヒーターはなかった。
そのときは東京に住んでいたが、やはり教会の方がお二人やってきた。
当然寒いので「ごめんなさいね」と言ったが、「ほんとに寒いわね」と言って早々にお帰りになった。
その日の夕方、お隣りのママ友がたまたまうちにやってきた。
入るなり「なんでこんなに寒いの?」と言うので事情を話した。
ケントは生まれて間もないので、ヒーターを買いに行くこともできなかった。
すると彼女は半ば怒り気味に「なんで、直ぐに言ってくれないの!!」と言うなり家に戻り、ファンヒーターを抱えてきた。
灯油がなかったので、もう一人のママ友に電話をしてくれていて、彼女も灯油缶を抱えて直ぐにやってきた。
「こんな新生児がいるのに、黙ってちゃダメでしょ」と彼女たちはニコニコしながら帰って行った。
ファンヒーターの暖かさと彼女たちの温かさが重なって、涙が出そうになった。
本当にありがたかった。
次回、ケントとの無料zoomお話会は6月28日金曜日,20時半からです。
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