イスラエル:イランを核保有国として受け入れる可能性を極秘交渉で示唆
2021年10月9日


イスラエル、イラン、アメリカ、ロシアは、イスラエルがイランを核保有国として受け入れる代わりに、テヘランが核爆弾を製造する為の閾値を超えないことをアメリカとロシアが保証するという秘密交渉を行っている。

 

 

クレムリン筋によれば、ベネット首相プーチン大統領10月22日にモスクワで首脳会談を行うとの報道は、この会談が合意に向けて進展していることを証明するものだという。

 

この秘密の策略を示す強い手掛りが、ワシントンからももたらされた。

 

先週、エヤル・フラタ国家安全保障顧問率いるイスラエルの代表団は、米国のジャック・サリバンと会談し、ジョー・バイデン大統領が2015年のイランとの核合意を復活させようとする試みが失敗した場合の「プランB」について話し合うと公式に発表された。

 

 

 

 


このプレゼンテーションは、イランの核問題に関して2つの大国が仲介して進行中の秘密のトラックから目をそらすためのものだった。

2人の安全保障顧問が会談を終えた直後、アントニー・ブリンケン国務長官は、モスクワのセルゲイ・ラブロフ外相に電話をかけた。

 

 

 

続いて、イスラエルのヤイル・ラピド外相に電話をかけ、来週ワシントンで会談するように手配した。

 

 

DEBKAfileは、これらのやりとりから3つの結論を導き出している。

 

  • ロシアは、2015年の核合意以来、初めて米国と協力して、イランの核問題を外交的に解決する為の集中的な秘密交渉を行っている。
  • モスクワは、イランの主要な原子力発電所の供給者ではあるが、テヘランとエルサレムの間の核問題を解決する為の調停には従順である。
  • プーチンは、バイデン政権に協力して、イランが核兵器を開発する為の閾値を超えない様に保証する事に同意する。更にモスクワは、イランが新協定を守る事を保証する。新協定は、モスクワ、ワシントン、イラン、そして今回はイスラエルも参加している。
 
この動きが計画通りに進み、テヘランが予想外の障害を積み上げないようにすれば、新たな核合意が生まれる可能性がある。

10月下旬から11月上旬には、イランと当初の6カ国(米国、ロシア、中国、フランス、ドイツ、EU)が署名し、イスラエルが初めて認証を行うまでに成熟しているかもしれません。

この協定が実現した場合の地域的な影響を評価するのは時期尚早かもしれません。しかし、ベネット・ラピド政権は、イスラエルの最も基本的な政策目標である「イランが核の最低限の力量に到達する事を絶対に許さない」という目標を後退させる積りのようです。
 


それは、イランの核武装に対する米露共同の保証に、イスラエルが最終的に満足する可能性があることを意味している。

この秘密外交路線が生きていることは、10月5日に行われたアビビ・コハビ参謀中将情報機関(AMAN)長官交代式での言葉にある種のニュアンスがあることで示唆されている。



コハビ中将は、
 
「イランの核戦力を破壊する為の準備は」
「あらゆる分野、あらゆる時に続けられる」
「その準備は発展し、改善され続けている」
 
と、述べた。

彼は続けてこう強調した。
 
「いかなる状況が発生しても」
「我々は効果的でタイムリーな」
「軍事的答えを用意しておく義務がある」
 
と、強調した。

 

これは、イスラエルの「準備」が進んでいるが、現時点ではまだ準備が整っていないことを示す、条件付きの未来形の言葉であった。

コハビ陸軍大臣はテヘランに対し、イスラエルの軍事計画がいかなる事態にも備えられていることを明らかにする一方で、外交ゲームを台無しにするような表現は控えた。

この記事はDEBKA fileに掲載された独占記事です。