ボトル入りの水は、水道水の最大3,500倍も地球に悪い影響を与える
2021年8月23日(月) by: Mary Villareal

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ボトル入りの水は、水道水の約3,500倍も環境に悪いという研究結果が発表されました。

バルセロナ国際健康研究所(ISGlobal)の研究者は、ボトル入りの水が環境にどれほど悪い影響を与えるかを数字で調査しました。

 

調査の対象となったのはスペインのバルセロナで、ここには約135万人の人口があり、その内約60%の人がボトルウォーターを利用しています。

研究者達は「ライフサイクルアセスメント」という手法を用いて、あるアイテムの全寿命における環境への影響を推定しました。これには、原材料の採取、製造、輸送、流通、使用、廃棄などが含まれます。

 


調査によると、バルセロナの全ての住民がボトル入りの水に切り替えた場合、原材料の抽出に6,000万ユーロ(7,060万ドル)以上のコストがかかることがわかりました。また、毎年1.43の動物種が失われる可能性があります。これは、都市全体が水道水を代わりに飲む場合と比べて、資源に対する環境へのコストが3,500倍になるということです。

ペットボトルの水が生態系に与える影響は、水道水の1,400倍

 

また、ペットボトルの水が生態系に与える影響は、水道水の1,400倍である事も分かりました。彼らは、環境への影響が減る事で、水道水を飲むことに関連する膀胱がんの僅かなリスクを相殺できる筈だと述べています。

飲料水を処理すると、膀胱がんのリスクが高くなるトリハロメタン(THM)が低レベルで生成されます。欧州連合では、飲料水のTHM濃度が規制されています。

この研究の筆頭著者であるCristina Villanueva氏は、健康上の理由からボトル入りの水を広く使用することは正当化されないと述べています。

 

「厳密に言えば、水道水を飲む方が地域の健康には悪いのですが、両方を考慮すると、ボトル入りの水を飲む事で得られるものは僅かです。ペットボトルの水が水道水に比べて環境に与える影響が大きい事は明らかです」と述べています。

(関連記事:ペットボトルの水を飲むことの本当のコスト)

 

 

米国では、ボトルウォーターの年間需要を満たすプラスチックを製造するために、約1,700万バレルの石油が必要とされています。

 

英国では、ボトル入りの水は水道水の少なくとも500倍の値段がします。

 

Villanuevaは、今回の研究がボトル入り飲料水の消費量を減らすのに役立つとしながらも、ボトル入り飲料水がより安全であるという考え方を変えるために、より積極的な政策が必要であると付け加えました。

「例えば、バルセロナでは、ペットボトルの水を飲むことで得られる健康上の利益は、環境への影響に比べてわずかであることを一般の人々に認識して貰う為に、もっと教育キャンペーンを行うことができるでしょう」と彼女は言います。

 

「公共の水、公共の噴水、公共の建物などへのアクセスを改善し、ボトルを持参すれば購入する必要はありません。公共の道路で公共の水にアクセスできるようにする必要があります」

 


ここ数年、ボトル入りの水の使用率が上昇しているのは、水道水の品質に対する信頼性の低さが原因です。しかし、バルセロナの水道水の品質はここ数年で大幅に改善されている。

ペットボトル水が地球に与える悪影響

 

ペットボトルを製造するためには、年間約1,700万バレルの石油が使用され、ペットボトルを作るためには、ボトルに入れる水の約3倍の量の水が必要となります。

 

 


ペットボトルはポリエチレンテレフタレート(PET)という石油製品を原料としているため、製造や輸送に多くの化石燃料を使用します。また、ペットボトルの製造には、水道水を作るときの約2,000倍のエネルギーが必要です。

ボトルウォーターの悪影響はそれだけではありません。米国の人々は、1日に6,000万本以上のペットボトルを捨てており、1年に350億本の空のペットボトルを捨てています。これらのペットボトルのほとんどは、ゴミとして路上、公園、水路、埋立地などに捨てられています。これらのうち、リサイクルされるのはわずか12%です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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