会計事務所のBCP(事業継続計画)を考える ー福祉楽団の『2019年台風災害の記録と検証』の学び | 中小企業の経営参謀「税理士星川」の戦略、税制、法務、海外展開のお役立ちブログ

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2019年9月9日、令和元年台風15号ファクサイが
千葉県を中心に猛威を振るう。
ここから社会福祉法人福祉楽団(千葉県と埼玉県で
特別養護老人ホーム、デイサービス、ショートステイ、
放課後等デイサービス、就労支援事業所など福祉サービス
を提供している)の苦難が始まった。
入居者の命を預かり、利用者の支援を使命とする
ケアスタッフの皆さんが台風被害の中で奮闘される記録と
その検証をまとめた冊子がこの度刊行されました。
社会福祉法人福祉楽団の2019年台風災害の記録と検証
非売品ですが、↑からダウンロードできます。

・1台風5号の直撃から2ヶ月間で3度の台風に見舞われる
・最長で7日を超える停電
・予想外の猛暑
・インターネット回線の不通
・利根川堤防の決壊の危機(結局決壊はしなかった)
・助けたいのに、避難勧告地域に行けない現場のジレンマ
・被害総額1.16億円
・ゆるやかな連携から、全国から駆けつける介護専門職の
仲間やボランティア

福祉施設で実際に起きた危機対応がリアルに記述され、
当時の緊張感、現場のリーダーの判断の重さを
実感できます。

備えあれば…とはよく言うものの、
実際の危機を通じた経験は「真の備え」の意味を
教えてくれます。

福祉楽団さんは、命を預かる現場の危機管理ということで、
難易度は最上位レベルかと思いますが、我々会計事務所、
労務法律事務所としてのBCPにも学びがあります。

何よりも、BCPを改めて考えねばと、頭でなく行動に
移そうと動機付ける力をもらいました。
・情報のクラウド化をしていれば、データの消失を
気にせずに災害対応にあたれる。
(学び)我々はクライアントの財務、人事に関する
大量の情報を保有しています。我々の業務再開はもちろん、
またクライアントが被災された場合も我々がデータを
保管しておくとクライアントの業務再開の支援につながる。
・備品の在庫管理の仕組みが整っていれば、
支援物資の要請もスムーズ。
(学び)事務所内の備品や災害時の食料は、なんとなく
備蓄してあるものの、就業時間中に災害があり、
スタッフが帰宅困難になった場合を想定し、
必要な物資と必要な数量を見える化する。
・災害時の情報発信ツールを決めて職員に共有する
(学び)有事の際にどのツールが利用できるかは
分からないが、情報発信ツールを決めておく。
最悪の事態で一切情報ツールが利用できない場合でも
どのように行動すべきかを社内で決めておくことで
落ち着いて行動できる。Facebook等従業員の家族でも
アクセスできるツールでのコミニュケーションを
想定しておく。
・ハザードマップは印刷しておく
(インターネットの不通や行政HPの混雑なので
アクセスできない場合があるので)
(学び)平時に各従業員が職場近隣のハザードマップを
見る機会を設けておけば、いざという時の自主的な行動の
助けになる。
来月には、防災の日があり、上記台風被害からも
1年が経つことになります。この機に事務所内の
災害マニュアルとBCPを改めて策定しようと思います。
是非『2019年台風災害の記録と検証』をご覧ください。

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税理士、行政書士、中小企業の経営参謀 星川 望