『足るを知る』-大人の学び直し | 中小企業の経営参謀「税理士星川」の戦略、税制、法務、海外展開のお役立ちブログ

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友人の中野博さんからご自身の著作を頂戴しました。
4月出版された『成功者はなぜ、「まあるい生き方」を実践するのか?』
(現代書林、2015)



「もっと稼ぎたい」「もっと認められたい」、
「もっともっと」…
という我欲からの執着心を捨て、
シンプルに、過多な情報や不要な知識を整理して生きる、
こうした生き方を提唱されています。
本書では、これを実践することを禅の教えの「一円相」からヒントを得て、
『まあるい生き方』と呼んでいます。

本書は、そのヒントとなる禅語の大切な言葉の数々を平易に紹介しており、
禅の予備知識はなくともスッと理解できるものです。

『日々是好日(にちにちこれこうじつ)』
「毎日が最良の日」だから、今を大切に生きましょうと
禅は説いているといいます。
その日が良いか、悪いかは心が決める。
朝目覚めてその日に楽しみにすることを決めて、
一日ワクワクした情熱的な気分で過ごすと述べてられています。

『人間好時節(にんげんのこうじせつ)』
「人生は山あり、谷あり、良いこともあれば、悪いこともあるが、
一喜一憂しないこと」と解説されています。
無理のないライフスタイルで暮らし、自身を取り巻く
環境の変化に振り回されない不動心の大切さを述べています。

本書を通じて私が受け止めたものは、
「今」に素直に向き合って、感謝すること、
ご縁を大切に生きる、というメッセージです。

「足るを知る」

「限りある資源」、「持続可能な発展」、「地球環境保護」
これらをキーワードとして2000年くらいから取り上げられている
「足るを知る経済」ということがあります。
仏教の世界にも、老子の世界にも大切にされてきた「知足」の精神

足るを知るものは富む。

タイ王国の国王様が、「足るを知る経済」という哲学をもって、
タイの国家プロジェクトを運営していることは有名で、
以前からこの概念を勉強してみようと、少しずつ取り組んでいました。

中野さんの書籍の中では、ヘレンケラーのエピソードを紹介され、
知足の概念を説明されています。

ある日、森の中を散歩してきたという友人に、ヘレンケラーは、
森の中の様子を尋ねた。
すると、友人は、「別に何も」と答えたというのです。

ヘレンケラーは、それをとても残念に思ったのでしょう。
「明日、突然目が見えなくなってしまうかのように思って、
すべてのものを見てください。そして明日、耳が聞こえなくなって
しまうかのように思って、人々の歌声を、小鳥の声を、オーケストラの
力強い響きを聞いてください。明日、感覚がなくなってしまうかのように
思って、あらゆるものに触れてみてください。」(114頁より抜粋)
と、話したそうです。

現状に満足し、幸福に感じることをないがしろにすると
素晴らしいモノを見過ごしてしまうということでしょう。

日本が実践すべき「足るを知る」生活

日本の経済界では、稲盛和夫氏が、「足るを知る」という
概念をかねてから訴えています。

人口減少、マイナス成長に陥っている日本国は、
歳入の半分を国債で賄わねばならないという異常な
財政状態を続けています。

その中で、日本国民もマイナス成長の中で、生き甲斐があるような
生活を考えるべきだと主張されていました。(『日本への直言』(PHP)より)

今の日本に、まさに求められる考え方ではないでしょうか?

そういえば、5年ほど前に出席した結婚披露宴の席で
挨拶された新郎のご友人が、
「良い時に良いのではなく、悪い時に、悪くないというのが理想」
ということをお話されたのが、すごく心に留まって思わずメモしました。
今思うと、これも「足るを知る」という実践なのかもしれません。

中野さんの書籍のメッセージからも「足るを知る」、
すなわち、現状に満足し、今を大切に生活することの重要性を
学ぶことができ、期せずして自分が考えていることのヒントを
得られる感動も手伝い、とても満足して本書を読了しました。

自ら学ぼうとしないと、得ることができない道徳観。
そしてそれは、仏教や禅など従来日本人がとても大切にしてきたものだと
知ると、「もったいない」という思いに駆られます。
一般教養の学び直し、いま自分自身が必要としていますし、
現代日本にも求められているように思うのです。

中野さんは、日本と世界を飛び回り、このような日本人が
忘れている道徳観や自信を取り戻すための教育活動を
されていらっしゃいます。
http://www.gocoo.info/sinwatokyo/
(専門用語が並び、初めて見ると抵抗があるかもしれませんが、
中身は、本書でも紹介されていますが、「学校」では学べなかった
一般教養、リーダーに求められる世の中の洞察力を学べるものと
察しています。)


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税理士、行政書士 星川 望
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