JapaneseとJapan'sの違いを経営の世界に見てみた | 中小企業の経営参謀「税理士星川」の戦略、税制、法務、海外展開のお役立ちブログ

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先日、バンコクのカセサート大学で行われた、農林水産省が実施する、
「日・ASEAN食産業人材育成官民共同プロジェクト」のカンファレンスに
行ってきました。
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ASEANに進出する日本の食産業を支援する目的で、ASEAN各国の食産業人材を
育成するというプロジェクトです。各国の有名農業系大学と提携し、
寄附講座を開講するというもの。

タイは、名門国立農業大学であるカセサート大学と提携し、
日本の大手企業から特任講師が同大学に派遣され、
日本の食産業の高度な技術や、食産業のバリューチェーンに関する講義を
行うということです。

カンファレンス後には、日本食を振舞うレセプションが行われ、
多くのタイ人、関係者で会場は盛り上がっていました。
ジャパニーズ・フードはバンコクでも大人気です。
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Japanese と Japan's
ふと、JapaneseとJapan'sの違いって何だ?という疑問が頭に浮かびました。
どちらも「日本の~」という意味を持つ表現です。
英語には詳しくないもので、ササッとWeb辞書を検索してみると、
Japaneseは、形容詞。
Japan'sは、固有名詞の所有格。

と説明されていました。
Japan's~の場合は、「日本に属する~」というニュアンスで
排他的な意味が含まれるのでしょう。

経営の世界のJapaneseとJapan's
Japanese management system「日本的経営」といえば、
終身雇用、年功序列、系列取引…日本の高度経済成長を支えたシステムで
あり、世界的に知られるところです。
トヨタ自動車は、終身雇用を基本として強靭な生産チームを
世界中に築いています。日本のやり方を世界にそのまま移植していくという
海外展開です。
カイゼンを積み重ね、いいモノを安く作る。これを世界各地で実行しています。
「東洋のデトロイト」、タイでもトヨタは人気の就職先ランキングで
日本企業の筆頭であり、トヨタ車は、販売シェアの37%
(出所:2014年Toyota Motor ThailandのHP)を占めています。
2015年3月期は、純利益が2兆円を超える見込みというモンスター企業です。

一方で、日本の家電メーカーは、Japanese specification, Japanese quality
「日本仕様、日本品質」を海外展開してきましたが、新興国市場では、
ここ十数年苦戦を強いられていると言われます。
それは、中国、韓国メーカーの安価な製品に市場シェアを奪われている
現実にも見ることができるでしょう。
「日本の消費者は厳しい」、故にメーカーは多機能,高品質を志向し、技術を
磨いて来ました。
しかし、それらは現地ではしばしば不要な機能とみなされ、
それよりも必要な機能が揃い、安価な家電製品が好まれる」という
現地の消費者のニーズ、嗜好を捉えたのは、中国、韓国メーカーでした。
Japanese specificationやJapanese qualityは新興国市場では、
過剰機能、過剰品質、と評価されたということでしょう。

このようなJapanese qualityは、「Japan's quality」のように
排他的な存在として新興国市場では広くは受け入れられないのかもしれません。

現地の人に喜ばれるモノを、適正な品質で、受け入れられる価格で提供する。
そのために、削れるところを削るという細やかな技術に支えられるものこそ
真の「Japanese quality」なのでしょう。
そう、食料品、家電、化粧品、衣料等は現地の消費者に対して柔軟に合わせて
いく姿勢が求められるようです。

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税理士、行政書士 星川 望
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