さあついに、Avaivartikaが世界へ挑む秋の陣が始まった。
ロックバンドとしての彼らの実力、スケールの大きさ、カリスマ性は卓越してる。ステージを見れば一目瞭然。忽然と出現したこのバンドが、その実力をいよいよ世間に知らしめる一連のライブで、何処まで駆け上がるか、いま心底興奮してる。
その秋の陣第一弾が、この日、渋谷Ruido K2ライブ。昨年11月末の結成以来、ライブの本数を絞り、自分達の音を何処まで引き上げられるかスタジオ中心に突き詰めてきた彼らが、いよいよ本格的に動き出したのだ。
実力者ばかりが合流した彼らの音は、結成時点ですでにバンドとしてかなり高いクオリティだった。その後、散発的に出たライブでは、その都度大きな成長を示した。そして今夜のステージ、ボーカル愛ちゃんの喉が万全でなかったと事を差し引いても、鳥肌が立った。まだまだ伸びる必要はあるが、すでに大ステージに立つ準備は万端だ。
彼らの前の出番は3ピースバンド「Noel」。ボーカル&アコギMaricoがちっちゃいけれど、ものすごく存在感と歌心があって聞かせる。彼女を支えるドラムとベースの音もメリハリがあり、グルーヴがあっていい。彼らの熱い演奏に、会場もほどよい熱気に包まれるていく。NOELもファンになりました。
しかし、Avaivartikaは別格。それは、続いて彼らのステージが始まるや否や自明になった。
いつものうねるようなBGMをバックに、スモークの中で5人が配置に付き静かにコンセントレーションを高めている。中央の愛ちゃんは後ろ姿。それなのに、それだけで格好いい!5人は立ち姿だけで、Avaivartika という世界へ見るものを誘う存在感なのだ。
そして、「止まない拍手のレイニング」の前奏が流れ出すと、ぞぞぞっと鳥肌が立つ。もう、演奏の次元が違う。生本くんのギターがキュインキュインと心を奪い、RUY君のドラムがすごいグルーヴで疾走し始めたところに、Ujのキーボードが官能的なリフレインを響かせ、もうその時点で一気に「ウォー」とテンションが上がってしまう自分に気づく。すごい演奏なのだ。
そして、そこに切れ味鋭く愛ちゃんのボーカルが走りだし、ステージの上でパワーを爆発させると、理性もぶっ飛びそうになる。その動き、表情、ポーズが、また決まっていてしびれる。「ないない」と歌うところは一転かわいかったりして、ずるい(笑)
緊迫感を伴った演奏で始まる「ノンフィクション」では、強いメッセージを投げかける。ヤワクナイ。その音楽、その歌詞は硬派だ。ゆるいアイドル歌手を応援にきたファンは、はじき飛ばされるだろう。Avaivartikaを聞くには、彼らについていくだけの心の準備が必要なのだ。そして一たび、心を解放して圧倒的な音圧に身を任せると、迸るアドレナリンに眩暈がするような快感を味わうのだ。
新曲「グラデーション」は一転、朝焼けのイメージが鮮烈。自在に世界の彩りを変えていく。数日前にUstreamでこの曲を初披露したが、その時より演奏にメリハリがあり、より劇的に。とにかくレベルの高いバンドサウンドが音の強弱や速遅、明暗を自在に描き分けていく。ジェットコースターに乗っているように、次々と襲ってくる展開に思考がマヒしていくのだ。
〈セットリスト〉
1)止まない拍手のレイニング
2)ノンフィクション
3)グラデーション
4)NS
5)終末のコンダクター
ラストの「終末のコンダクター」が、現在のAvaivartikaの実力が存分に発揮される極致。もう涙が出そうなほどの壮大なドラマが次々と展開されていき、ぐいぐいと引っ張られていく。やばい。何よりすごいのが、1曲の中で色合いの違うドラマが高速に展開していく変化を、見事に表現しきるボーカル、宇治田愛の実力だ。
彼女を見て、来ていた女性のお客さんが「あんなにきれいで、あんなに細いのに、どうしてあんなパワフルな声が出るの?」と話していたが、確かにスリムで格好良い。だが、そのしなやかな芯の強さ、にじみ出る野心、そして情熱が、そのステージからほとばしる。そして、圧倒的な歌力。もはやこの言葉を使うことにためらいはない――「カリスマ」。ぐいぐいと惹きこんで欲しい。
そんなAvaivartika、なぜか今夜応援に来ていたお客さんを見ると女性30人、男性10人ぐらいの比率。なんで?男が飛び付くだろーと思うのだが、どうも女性ファンが間違いなく先行して急速に増殖している様子。元々、愛ちゃんが宝塚的に女性ファンの心をつかんでいたのだが、益々磨きがかかったか。
それに、Avaivartikaメンバーで魅力的なのは、愛ちゃんだけではない。男の自分が言うのもなんだが(笑)、ギター生本君は色気たっぷりに格好良いし、ドラムRUY君のかわいさは母性をくすぐる。ベース榎本くんの渋さはからり通好みwだし、キーボードUjの好青年ぶりは好感度大だ。キャラが見事にかぶってなくて、それぞれが演奏もスタイルも自立しているのだ。5人が5人とも頼もしさを醸し出す。女性ファンが増えるのも当然の流れだろう。
これだけの奴らが集まったら、ちょっと無敵では?今夜の演奏が最高に盛り上がったことは言うまでもない。
そんな彼らは2日後の9月24日、インディーズロックバンドの世界一を決めようという壮大なコンテスト「エマージャンザ」の東京一次予選に挑む。場所は渋谷Aubeで、その場にいたお客さんの挙手制で出演バンドを順位づけてしまおう、っていう予選本番だ。それぞれのバンドが当然、ファンを動員してくれば動員数勝負になるやもしれない。みな、Avaivartikaの応援に行こう!
そう言いながら、自分は仕事で行けないんだよな。遠くオフィスから、Avaivartikaの予選通過を祈っております。でも、一抹の不安もない。だって今の彼らの演奏を他のバンドと聞き比べれば「こいつらちょっと次元が違うぞ」と誰でも思わされるはず。それほど、今の彼らの演奏力はすごい。いろいろなバンドのライブも聞いているけど、この数年でこれほどのインパクトを覚えるバンドと出会ったことはない。メジャーも含めて。
彼らの勝利に疑いなし!
<追伸>
そして、24日の渋谷Aubeでの予選。見に行けなかったが、仕事しながらチラチラ、twitterを見ていたらベース榎ちゃんから真っ先に「1位通過」のつぶやきが~。やったー!!信じてました。自分が行けなかったのが懸念材料だったが(笑)、彼らの今の神がかった演奏が、その場にいた客に評価されない訳がない。それにしても「1位」とはさすがやー!その場にいたファンのみんなと感動を共有したかった。
少し後に各自が呟き、公式アカウントからも以下のメッセージが。
「本日のエマージャンザ一次予選、おかげさまで一位通過することが出来ました。応援しに来てくれたみなさん、会場に来れなくても応援していてくれたみなさんのおかげで思い切りパフォーマンスすることが出来ました。ありがとうございました!!!これからも引き続き応援よろしくお願いします!」
もちろん、応援するさ。というか、もうがっつりこのバンドにはまってしまってる。これからの彼らの活躍は楽しみでしょうがないぜ。
関東を直撃した台風15号で地下鉄を除くあらゆる鉄道が運行休止するなか、斉藤麻里が苦渋の決断をした。半年以上前から、着々と準備を進め、チケット230枚SOLD OUTを目指し、日夜頑張ってきた渋谷O-Crestのワンマンだったが、中止のやむなきに至った。開場時間直前の決断だった。
台風の進行がもうほんの少し遅いか、もうちょっと早ければ、中止する必要はなかったろう。しかし、19時の開園直前の渋谷はすさまじい嵐だった。鉄道が止まっていただけではない。道玄坂のど真ん中で、街路樹がばたばたと倒壊、タクシーをペシャンコにして、渋谷の街の交通の動脈を寸断したほどだ。
東海道線・横須賀線・京浜東北線・東横線・田園都市線と神奈川県から東京へ向かうほぼすべての鉄道も運行を止め、今夜、彼女のライブにコーラスで参加するはずだった盟友、飯田舞も渋谷に到達できなかった。山手線も止まり、新宿から渋谷に来ることさえ適わない人も。中止という苦渋の決断に誰も文句は言えない。
しかし、このワンマンを成功させるため、ひたむきに全力投球してきた彼女のことを思うと涙が出る。半年以上前から、ライブのたびに「このワンマンに来てね」とあらゆるお客さんに暖かく声をかけてきた。初めての接したお客さんの名前もしっかり覚え、一人ひとりと握手し、決して嫌な顔をせず、明るく元気よくステージを盛り上げ続けてきた。
本番が近づき、頻繁にオープニングアクトとして様々なライブに出て、ストリートもやって全力の歌でアピールしてきた。頑張って、頑張って、より多くの人に聞いてほしいから、とワンマンへの来場を訴え続けてきた。そんな彼女の姿に打たれた多くの音楽好きがチケットを購入し、当初200枚余だったチケットの残りが、やがて150枚を切り、100枚を切り、ついに先週30枚をきって販売累計が200枚を突破。そして、ついに今日この日までに完売にこぎつけたのだ。それなのに…
幸い地下鉄圏や近隣にいて、渋谷O-Crestに開場時間までに辿り着けたファンは僅か30人ほど。みな傘を壊すか、傘はあきらめずぶ濡れで来場するような状況。O-Crestのある5階まで、えっちらえっちら階段を昇ったところで中止と聞き、さすがにその時はがくっと脱力した。
しかし物販だけは開いていて、麻里ちゃん自身がそこで一人ひとりに頭を下げている姿を見て、ちょっとこみ上げてくるものがあった。けなげだー。皆と同じようにびしょ濡れの頭を拭くのに丁度よいタオルと、本日がレコ発だった新譜「メロディ」を購入。
その先で待っていた麻里ちゃんを力づけたいと、月並みだけど「気を落とさず、また次にこれ以上のライブをやろうじゃないか」と声をかける。そんなファンばかりで、長い行列に並んだファンの一人ひとりが彼女に長い言葉をかけていく。丁寧に応じて、CDやタオルにサインを書く彼女の姿が印象的だった。悔しかったろうな。
その後、次のワンマンが12月7日@四谷天窓に決まっていて、今日発表予定だったんだと本人が思い出し、再びチケット販売に長い列が(笑)少し元気になってきた麻里ちゃんがきれいだったので、瞬きでシャッター切った、あ、いやケータイカメラですが(笑)
結局、電車がぼちぼち動き出した21時まで物販していたそう。偉い!
そして、決定しました。O-Crest振り替えワンマンが。ツイッターで彼女が発表したその内容は…
「@mappeneko斉藤麻里9/21ワンマン
振り返え公演決定しました!!!! 2012.01.26(木)渋谷O-Crest!!! 絶対、最高のライブにする! みんなよろしくね(>_<)!!!」
おおー、みんなで行きましょう、1月26日の彼女のワンマンへ!!!
間違いなく、今回の悔しさや無念のすべてをぶつけ、何倍もパワフルに、何乗にも輝いた姿を見せてくれると思う。というか、その意気込みに燃えている彼女の姿がありありと浮かぶ。今、手を握り締めながら「新しいドアを開くのは誰でもない このわたしの両手だから」と力を込めている姿が。
台風の進行がもうほんの少し遅いか、もうちょっと早ければ、中止する必要はなかったろう。しかし、19時の開園直前の渋谷はすさまじい嵐だった。鉄道が止まっていただけではない。道玄坂のど真ん中で、街路樹がばたばたと倒壊、タクシーをペシャンコにして、渋谷の街の交通の動脈を寸断したほどだ。
東海道線・横須賀線・京浜東北線・東横線・田園都市線と神奈川県から東京へ向かうほぼすべての鉄道も運行を止め、今夜、彼女のライブにコーラスで参加するはずだった盟友、飯田舞も渋谷に到達できなかった。山手線も止まり、新宿から渋谷に来ることさえ適わない人も。中止という苦渋の決断に誰も文句は言えない。
しかし、このワンマンを成功させるため、ひたむきに全力投球してきた彼女のことを思うと涙が出る。半年以上前から、ライブのたびに「このワンマンに来てね」とあらゆるお客さんに暖かく声をかけてきた。初めての接したお客さんの名前もしっかり覚え、一人ひとりと握手し、決して嫌な顔をせず、明るく元気よくステージを盛り上げ続けてきた。
本番が近づき、頻繁にオープニングアクトとして様々なライブに出て、ストリートもやって全力の歌でアピールしてきた。頑張って、頑張って、より多くの人に聞いてほしいから、とワンマンへの来場を訴え続けてきた。そんな彼女の姿に打たれた多くの音楽好きがチケットを購入し、当初200枚余だったチケットの残りが、やがて150枚を切り、100枚を切り、ついに先週30枚をきって販売累計が200枚を突破。そして、ついに今日この日までに完売にこぎつけたのだ。それなのに…
幸い地下鉄圏や近隣にいて、渋谷O-Crestに開場時間までに辿り着けたファンは僅か30人ほど。みな傘を壊すか、傘はあきらめずぶ濡れで来場するような状況。O-Crestのある5階まで、えっちらえっちら階段を昇ったところで中止と聞き、さすがにその時はがくっと脱力した。
しかし物販だけは開いていて、麻里ちゃん自身がそこで一人ひとりに頭を下げている姿を見て、ちょっとこみ上げてくるものがあった。けなげだー。皆と同じようにびしょ濡れの頭を拭くのに丁度よいタオルと、本日がレコ発だった新譜「メロディ」を購入。
その先で待っていた麻里ちゃんを力づけたいと、月並みだけど「気を落とさず、また次にこれ以上のライブをやろうじゃないか」と声をかける。そんなファンばかりで、長い行列に並んだファンの一人ひとりが彼女に長い言葉をかけていく。丁寧に応じて、CDやタオルにサインを書く彼女の姿が印象的だった。悔しかったろうな。
その後、次のワンマンが12月7日@四谷天窓に決まっていて、今日発表予定だったんだと本人が思い出し、再びチケット販売に長い列が(笑)少し元気になってきた麻里ちゃんがきれいだったので、瞬きでシャッター切った、あ、いやケータイカメラですが(笑)
結局、電車がぼちぼち動き出した21時まで物販していたそう。偉い!
そして、決定しました。O-Crest振り替えワンマンが。ツイッターで彼女が発表したその内容は…
「@mappeneko斉藤麻里9/21ワンマン
振り返え公演決定しました!!!! 2012.01.26(木)渋谷O-Crest!!! 絶対、最高のライブにする! みんなよろしくね(>_<)!!!」
おおー、みんなで行きましょう、1月26日の彼女のワンマンへ!!!
間違いなく、今回の悔しさや無念のすべてをぶつけ、何倍もパワフルに、何乗にも輝いた姿を見せてくれると思う。というか、その意気込みに燃えている彼女の姿がありありと浮かぶ。今、手を握り締めながら「新しいドアを開くのは誰でもない このわたしの両手だから」と力を込めている姿が。
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「.comfort presents live」 @四谷天窓.comfort
出演:石川裕紀子 →d-iZe →MiyuMiyu →ヒグチアイ
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今にも降り出しそうな曇り空の下、栄通りを奥へ奥へ。昔はここに大酒を飲みゲロを吐きにきたものだが、昨今はライブのためにしかこない。我ながら上品に、いや、大人になったものだ。昔通った飲み屋は姿もなく、こじゃれた飲み屋やラーメン屋が立ち並び寂しい。ひとつの通りを四半世紀見ていると、本当に隔世の感ある。
四谷天窓.comfortに着くと、d-iZeが歌い始めたところ。平井堅のポップスターのカバーを軽やかに歌っている。若くて明るいピアノ弾き語りシンガーソングライターだ。
男ってところはプラスポイント。力技でごり押すコバケンとかフォークっぽく情熱ぶつける村上通とか、逆に女性のような繊細なボーカルで人気のあのピアノ弾き語りとかはいるが、意外とおしゃれで格好よい男性鍵盤弾き少ないよね。男はバンドか、ソロならギターへ流れてしまうからか。
そんな男性鍵盤弾きを、もっとフィーチャーしようと動き出したのが、まさにこの四谷天窓。10月8日(土)に上野公園の野外水上音楽堂にグランドピアノを持ち込み、「鍵歌上等(ケンカジョウトウ)」と題したイベントを開催する。
d-iZeを始め、オーガナイザーの伊沢ビンコウ、別所ユージ、佐伯ユウスケら10人の男性鍵盤弾きが集結。13:30~19:30という6時間のロングランで男のピアノをしゃぶりつくすつもりらしい。うーん、男に興味はないが、鍵盤弾きには興味ある。どんな音が聞けるのか。行く価値は十分ありそうだが、さて、どうするか。
d-iZeのことは、先に書いたPlay You House(今はgoosehouse)で最初に知った。神田莉緒香や竹渕慶ちゃんらと楽しげに、一緒に歌っているのが羨ましかった(笑)でも、リーダーシップもあり頼れる兄ちゃんが意外の軟派でないことに好感。彼のボーカルも結構気に入っているのだよね。
今夜も、軽やかだけど、時に力強くしっかり歌っていて、良かったな。10人ほどの女性ファンも来ていて、彼の人気のほどが伺える。彼女らは次のMiyu Miyuのステージ中にぞろぞろ帰ってしまったけどね。もったいない。
ということで、今夜のお目当てのMiyu Miyuが3番手に登場。今夜はアコースティックということで、ゆきこちゃんがアコギ、みさちゃんがアコースティックベース(アコギの形ながら、ベースの4弦)、それにいつものCapockようこちゃんがカホンという編成だ。
アコースティックの時は知らない曲が多い。今日も1、2曲目の曲名が分からず。どこかで聞いた気もするのだが…
<セットリスト>
1)?
2)?
3)sour
4)悲しみダンス
5)時
6)氷
MiyuMiyuがアコースティックなステージを始めると、流れる時間が変わる。湘南の平塚で育った二人の紡ぐ音楽は、せこせこせず、ゆったりとした波のよう。同じ海辺でも、キューバなどで生まれたラテン音楽のような明るさはなく、日本人的な繊細さに満ちた歌詞や曲調が、静かに心の中に温かいものを広げていく。
また、彼女たちの音楽には知性を感じる。じわじわっとテンションを上げていく構成、さりげなく煽情的な言葉選び、無駄な音を配したシンプルさ。一気にサビに入った時にきゅんと切なくなる「sour」や、情熱を秘めた「悲しみのダンス」が、心をとらえる。すごく好きだなあ。
最後の「氷」も劇的で、アコースティックの上質な音楽とはかくあるべし、と思えるなあ。彼女たちのバンドライブの「Last A Way」や「流星」などの疾走感もとても好きだが、こちらもいいよね。
そんなMiyuMiyuが、久しぶりのワンマンライブを10月11日(火)に開く。場所が平塚と遠いのだけど、なんとなんと、ドラムサポートにあのポンタ秀一さんを迎えるつうから驚き!ポンタさんといったら伝説だぜ。確かに共通点はあるんだよな。いかに少ない音で最も感動的な音楽を作るか考えていそうなところかな。
老境に入り、ポンタさんのドラムはますます音の数が減っている気がする。それでいて、ドンチャカドンチャカ叩きまくる若いドラマーの音より、はるかに音楽を作っている。もはや達人の域。その達人がMiyuMiyuのサポートをやるというのだから、ゆきこちゃんの志向している音楽の方向性と感応する部分があったのだろうなあ。
おまけに、オープニングアクトに伊太刀山伝兵衛さんだって!おいおい、伝べえさんっつたら大物で、おいらの憧れのちょい悪親父だぞ。そんな、超格好よいおっさんブルースシンガーを前座か!Miyu Miyu恐るべし(笑)Pipe Lineが取り持つ縁。音楽が世代も性差も超えて人と人をつないでいくのって、いいよね。うーむ、これは見に行かねばなあ。でも、火曜夜に平塚は無理かもなあ。でも絶対見たいなあ。
トリは、ヒグチアイだ。恐るべし平成生まれの鍵盤弾き語りシンガーソングライター。
何が恐るべしかっていうと、やはりその声とピアノで作り上げる音楽の力強さとスケールの大きさだ。中低音の響きでは、かなうシンガーいないのではないか。逆に高音の処理が弱点だったが、それも最近は克服して、破たんなく音楽を作り上げるようになってきたから、抑えた凄味が増してきた。
1)夢?(新曲)
2)ココロジェリーフィッシュ
3)合鍵
4)黒い鍵
5)東京
6)メグルキオク
en. しあわせのうた
特に今夜は Miyu Miyuが作ったしっとりした流れを受け継いだのか、天窓.comfortの窓から見える夜景に酔ったのか、はたまた病み上がりで歌ったときに好評で抑えて歌う効果に気づいたか、ヒグチアイの音楽は少しばかり激しさにブレーキをかけ、逆に一音一音、大切に歌っていた。その結果、それぞれの楽曲の作品としての完成度がぐぐっと増した感じ。より芸術的な風格を漂わせ始めてた。
もちろん、圧倒的な唄ヂカラと迫力で、見るものを圧倒するヒグチアイのパフォーマンスも、ライブらしくて好きなのだが、今夜のような表現力で聞かせられると、すごい納得感がある。失恋の曲である「合鍵」を、失恋の歌としてしっかり聞かせていたし、上京して戸惑いながらも憧憬を抱く若者の心を「東京」ではしみじみ感じた。
どこか一皮むけた感ありのヒグチアイは、今夜がツアースタート初日だ。明日から草加~柏~新潟~志津~長野~渋谷~神戸~大阪~京都~名古屋~沖縄~東京 と1カ月以上かけて回っていく。正真正銘、東京のライブシーンでもそのつわものぶりで頭角を表してきた彼女が、各地でどう受け止められるか。それぞれの土地で、彼女の音楽に驚くお客さんの顔を見てみたい。同行できないけど、彼女の初ツアーの行方にワクワクしてやまない。
体には気をつけてガンバレ!
「.comfort presents live」 @四谷天窓.comfort
出演:石川裕紀子 →d-iZe →MiyuMiyu →ヒグチアイ
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今にも降り出しそうな曇り空の下、栄通りを奥へ奥へ。昔はここに大酒を飲みゲロを吐きにきたものだが、昨今はライブのためにしかこない。我ながら上品に、いや、大人になったものだ。昔通った飲み屋は姿もなく、こじゃれた飲み屋やラーメン屋が立ち並び寂しい。ひとつの通りを四半世紀見ていると、本当に隔世の感ある。
四谷天窓.comfortに着くと、d-iZeが歌い始めたところ。平井堅のポップスターのカバーを軽やかに歌っている。若くて明るいピアノ弾き語りシンガーソングライターだ。
男ってところはプラスポイント。力技でごり押すコバケンとかフォークっぽく情熱ぶつける村上通とか、逆に女性のような繊細なボーカルで人気のあのピアノ弾き語りとかはいるが、意外とおしゃれで格好よい男性鍵盤弾き少ないよね。男はバンドか、ソロならギターへ流れてしまうからか。
そんな男性鍵盤弾きを、もっとフィーチャーしようと動き出したのが、まさにこの四谷天窓。10月8日(土)に上野公園の野外水上音楽堂にグランドピアノを持ち込み、「鍵歌上等(ケンカジョウトウ)」と題したイベントを開催する。
d-iZeを始め、オーガナイザーの伊沢ビンコウ、別所ユージ、佐伯ユウスケら10人の男性鍵盤弾きが集結。13:30~19:30という6時間のロングランで男のピアノをしゃぶりつくすつもりらしい。うーん、男に興味はないが、鍵盤弾きには興味ある。どんな音が聞けるのか。行く価値は十分ありそうだが、さて、どうするか。
d-iZeのことは、先に書いたPlay You House(今はgoosehouse)で最初に知った。神田莉緒香や竹渕慶ちゃんらと楽しげに、一緒に歌っているのが羨ましかった(笑)でも、リーダーシップもあり頼れる兄ちゃんが意外の軟派でないことに好感。彼のボーカルも結構気に入っているのだよね。
今夜も、軽やかだけど、時に力強くしっかり歌っていて、良かったな。10人ほどの女性ファンも来ていて、彼の人気のほどが伺える。彼女らは次のMiyu Miyuのステージ中にぞろぞろ帰ってしまったけどね。もったいない。
ということで、今夜のお目当てのMiyu Miyuが3番手に登場。今夜はアコースティックということで、ゆきこちゃんがアコギ、みさちゃんがアコースティックベース(アコギの形ながら、ベースの4弦)、それにいつものCapockようこちゃんがカホンという編成だ。
アコースティックの時は知らない曲が多い。今日も1、2曲目の曲名が分からず。どこかで聞いた気もするのだが…
<セットリスト>
1)?
2)?
3)sour
4)悲しみダンス
5)時
6)氷
MiyuMiyuがアコースティックなステージを始めると、流れる時間が変わる。湘南の平塚で育った二人の紡ぐ音楽は、せこせこせず、ゆったりとした波のよう。同じ海辺でも、キューバなどで生まれたラテン音楽のような明るさはなく、日本人的な繊細さに満ちた歌詞や曲調が、静かに心の中に温かいものを広げていく。
また、彼女たちの音楽には知性を感じる。じわじわっとテンションを上げていく構成、さりげなく煽情的な言葉選び、無駄な音を配したシンプルさ。一気にサビに入った時にきゅんと切なくなる「sour」や、情熱を秘めた「悲しみのダンス」が、心をとらえる。すごく好きだなあ。
最後の「氷」も劇的で、アコースティックの上質な音楽とはかくあるべし、と思えるなあ。彼女たちのバンドライブの「Last A Way」や「流星」などの疾走感もとても好きだが、こちらもいいよね。
そんなMiyuMiyuが、久しぶりのワンマンライブを10月11日(火)に開く。場所が平塚と遠いのだけど、なんとなんと、ドラムサポートにあのポンタ秀一さんを迎えるつうから驚き!ポンタさんといったら伝説だぜ。確かに共通点はあるんだよな。いかに少ない音で最も感動的な音楽を作るか考えていそうなところかな。
老境に入り、ポンタさんのドラムはますます音の数が減っている気がする。それでいて、ドンチャカドンチャカ叩きまくる若いドラマーの音より、はるかに音楽を作っている。もはや達人の域。その達人がMiyuMiyuのサポートをやるというのだから、ゆきこちゃんの志向している音楽の方向性と感応する部分があったのだろうなあ。
おまけに、オープニングアクトに伊太刀山伝兵衛さんだって!おいおい、伝べえさんっつたら大物で、おいらの憧れのちょい悪親父だぞ。そんな、超格好よいおっさんブルースシンガーを前座か!Miyu Miyu恐るべし(笑)Pipe Lineが取り持つ縁。音楽が世代も性差も超えて人と人をつないでいくのって、いいよね。うーむ、これは見に行かねばなあ。でも、火曜夜に平塚は無理かもなあ。でも絶対見たいなあ。
トリは、ヒグチアイだ。恐るべし平成生まれの鍵盤弾き語りシンガーソングライター。
何が恐るべしかっていうと、やはりその声とピアノで作り上げる音楽の力強さとスケールの大きさだ。中低音の響きでは、かなうシンガーいないのではないか。逆に高音の処理が弱点だったが、それも最近は克服して、破たんなく音楽を作り上げるようになってきたから、抑えた凄味が増してきた。
1)夢?(新曲)
2)ココロジェリーフィッシュ
3)合鍵
4)黒い鍵
5)東京
6)メグルキオク
en. しあわせのうた
特に今夜は Miyu Miyuが作ったしっとりした流れを受け継いだのか、天窓.comfortの窓から見える夜景に酔ったのか、はたまた病み上がりで歌ったときに好評で抑えて歌う効果に気づいたか、ヒグチアイの音楽は少しばかり激しさにブレーキをかけ、逆に一音一音、大切に歌っていた。その結果、それぞれの楽曲の作品としての完成度がぐぐっと増した感じ。より芸術的な風格を漂わせ始めてた。
もちろん、圧倒的な唄ヂカラと迫力で、見るものを圧倒するヒグチアイのパフォーマンスも、ライブらしくて好きなのだが、今夜のような表現力で聞かせられると、すごい納得感がある。失恋の曲である「合鍵」を、失恋の歌としてしっかり聞かせていたし、上京して戸惑いながらも憧憬を抱く若者の心を「東京」ではしみじみ感じた。
どこか一皮むけた感ありのヒグチアイは、今夜がツアースタート初日だ。明日から草加~柏~新潟~志津~長野~渋谷~神戸~大阪~京都~名古屋~沖縄~東京 と1カ月以上かけて回っていく。正真正銘、東京のライブシーンでもそのつわものぶりで頭角を表してきた彼女が、各地でどう受け止められるか。それぞれの土地で、彼女の音楽に驚くお客さんの顔を見てみたい。同行できないけど、彼女の初ツアーの行方にワクワクしてやまない。
体には気をつけてガンバレ!