勤労感謝の日はなぜ「勤労感謝」なのか?なぜ11月23日なのか?そして明日は感謝祭
今日は「勤労感謝の日」で
日本はお休みでしたね
お、日本は明日、祝日でおやすみなのね!いつもは当日になって祝日に気づくけど、今回は前日に気づけた。日本社との取引は少ないけど、それでも新規案件の問い合わせなどが入らないと分かっていると、前日の気持ちの余裕度が違うんだよね。なんか得した気分でルンルンしてきた。
— Marusan @歌って踊れる6ヶ国語翻訳者🇯🇵🇺🇸🇪🇸🇮🇹🇫🇷🇵🇹 (@marusan_jp) November 22, 2022
案の定
今日は日本の企業から
仕事関連の連絡は
ひとつもありませんでした
私の業務は
欧州の企業が中心なので
夕方からは
ぼちぼち打診が入ってきましたが
それでも
お昼の時間
翻訳作業の集中できたのは
大きな収穫でした
ところで
勤労感謝の日がなぜ11月23日なのか
ご存じですか?
労働者の祭典であるメーデーは
5月ですし
アメリカで祝われる
レイバー・デー(労働の日)は
9月5日ですし
1年の慰労にしては
ちょっと早い気もします
なぜ「勤労」なのでしょうか?
実は
戦前まで
11月23日は
「新嘗祭」(にいなめさい)
という
収獲に感謝する日だったのです
具体的には
「天皇がその年に収穫された新穀などを天神地祇(てんじんちぎ)に供えて感謝の奉告を行い、これらの供え物を神からの賜りものとして自らも食する儀式」
(出所:新嘗祭 - Wikipedia)
つまり
宮中祭祀の1つでした
いわゆる「祭日」だったわけです
ちなみに
「祝日」と「祭日」の違いについては
以前、記事にしましたので
よろしければこちらもお読みください
天皇誕生日は「祝日」?「祭日」? | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所 (ameblo.jp)
戦後、
日本国憲法が制定され
国家神道の色彩を日本から払拭しようとする流れで
「祭日」というものが
廃止され
その代わりにできたのが
「勤労感謝の日」
つまり
収獲に感謝するというものが
元にあったということで
それが11月23日という
季節に沿った祭祀だったわけです
もともとは
祭日を祝日に変える過程で
「感謝の日」
とする案もあったそうですが
これでは
漠然としすぎるということで
「勤労」という言葉がついたようです
ですので
名前こそ「勤労」とありますが
「収穫祭」といった意味合いが
根底にはあるということです
ちなみに
なぜ11月23日なのかと言うと
「新嘗祭」が
11月の二の卯の日
と決められていたからだそうです
これは
旧暦の話なのですが
新暦に移行する際にも
新しいカレンダー上で
二の卯の日に当たる11月23日に
実施されたそうで
それ以降の年は
二の卯の日は変動するのですが
勤労感謝の日は23日に固定された
とのことだそうです
ところで
アメリカでは
明日11月24日が
「感謝祭」と呼ばれる祝日
英語では
Thanksgiving
と言いますね
これは
そもそも英国で
中世から続く
宗教的なイベントで
やはり収獲に感謝する
という意味合いで
教会で祈りをささげたのが
始まりだとされています
これが
アメリカに渡った人たちでも
続けられて
バージニアの地に移民した人たちが
始めたとされているようです
独立の前の話です
Thanksgiving は
独立前の
植民地時代からずっと行われている行事です
収獲に感謝するので
11月の終わりなのですが
Thanksgiving は
the fourth Thursday of November
つまり
第4木曜日
と決まっています
日付ではなく曜日です
このフレーズは
私も英語を習いたてのころ
覚えたフレーズで
Thanksgiving の日はいつ?
と言われたら
とっさにこのフレーズが口とついて
出てきます
それにしても
なぜ第4木曜日なのでしょうか?
ゆっくり祝えるから?
みんな実家に帰るために
遠くまで旅行しなければならないから
眺めの週末にしたの?
確かな答えは
ないらしいのですが
もっともらしい説明がありました
それは
ピューリタン(清教徒)の安息日(Sabbath)である
土曜日とくっつけないようにしよう
ということと
木曜の午後には
導師の講和が木曜の午後に行われることが多かったようで
その名残ではないか
とのことです
そもそも
16世紀あたりの英国の Thanksgibing は
教会などへ
導師の話を聞に行く
という行事だったようです
ですから
アメリカでも
木曜日に行われている導師の話を聞きながら
収獲に感謝をしたのかおしれません
11月25日に固定されていた時期も
あったようですが
基本的には木曜日で
ずっと来たようです
そして
ジョージ・ワシントン大統領の時代から
Thanksgiving の日取りは
大統領が告示で発表する
ということになって
それが伝統になったそうです
だいたいは
11月最後の木曜とされたようですが
エイブラハム・リンカーン大統領の時代
木曜日が5回来る11月があったそうで
そのとき
小売店業界から
第5木曜ではなく第4木曜にしてほしい
という要請があったのだそうです
年末のクリスマス商戦を
少しでも長くしてほしいということだったそうです
そして
リンカーン大統領の時代から
11月第4木曜日が
スタンダードになったということのようです
結局
商売なんですねww
UnsplashのClaudio Schwarzが撮影した写真
木曜日だと
ゆっくりと家族と集まれる…
と思いきや
実は
金曜日は
普通に仕事があったりします
休む人もいるはいるのですが
たとえば
株式市場は
午前中だけですが
取引が行われます
ですので
金融機関は
営業日になります
これじゃ
ゆっくり休めないから
Thanksgiving を
金曜日に移そう
とした大統領もいたようです
1929年にフーバー大統領が
大統領提案を出したのですが
これは成立しなかったようです
確かに
これでは金曜日に有給を取って
4連休にする口実が
なくなりますもんね
私はアメリカで働いていたことがありますが
私の勤め先は
資産運用の会社(保険代理店)だったので
金曜の午前中は働いた記憶があります
ということで
明日はアメリカの感謝祭
Thanksgiving
です
そして
小売業界からの要請で
これが第4木曜日に固定されたわけですが
そのメリットを生かすかのように
25日金曜日から
クリスマス商戦の開始となります
この金曜日は
「ブラックフライデー」
と呼ばれます
この呼び名も
謎だと思いますが
由来をご存じですか?
この言葉が使われるようになった経緯は
一筋縄ではいかないようですが…
最初は
フィラデルフィア警察が
Thanksgiving 後の買い物に出る人々が
街に一気に出てきて
街が黒くなった様子を表現して
Black Friday
という言葉を使ったのだそうです
でも
その使い方は
すぐには浸透しなかったようです
Black と言うと
株価が暴落した Black Monday など
良いイメージがなかったから
とされています
後に
1年間赤字続きの商店でも
この日を境に「黒字」になるからBlack Friday
という解釈が出てきて
そこから一気にこの表現が広まった
とのことです
1970年代のことと言います
Black Fridayには
もう1つ言われがあって
それは
Thanksgiving の翌日には
多くの人が病欠の電話を入れたことから
雇用主である企業にとっては
「不吉な金曜日」ということで
まさに Black Friday とされたのではないか
とのことです
いずれにしても
明日からは
アメリカは全国民族大移動
(移動は今日から始まりますが)
金曜日は平日とはいえ
債券市場や商品市場は休場ですし
株式市場も午前中だけということもあり
週明けまでは
少し静かな流れが続きそうです
とはいえ
私はアメリカの企業とは
あまり取引がないので
ほとんど影響はないと思いますがww
ちなみに
カナダの Thanksgiving は
10月の第2月曜日
The second Monday of October
です
やはり
北なので収穫も早いから
感謝祭も早めなのでしょうか
確かに
私が住んでいる山形県も
収獲はとっくの昔に終わり
街路樹の葉っぱも
すっかり落ちて
冬の装いです
日本は
明日、明後日と
また平日ですが
残り少ない11月
そして2022年を
大事にしていきましょうね
最後までお読みくださり
ありがとうございました
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