「ユーチューバー」という言葉は誰が作ったのか? | 翻訳で食べていく方法★プロの翻訳者養成所

「ユーチューバー」という言葉は誰が作ったのか?

フリーランスとフリーターの違い:YouTuberはフリーランス?フリーター?個人事業主?

 

 

昨日、「フリーター」という言葉の話をしました

 

これはもちろん和製英語で、海外では通じないわけですが・・・

 

その記事について Atsushi のドラム in フォルモサ さんからこんなコメントをいただきました

 

「日本人は、外国語を利用して新たな言葉を生み出すのに長けているといつも感じています。」

 

(コメントありがとうございました!そして、いつもありがとうございます。)

 

これ、確かに私も思います

 

そして、日本人は(おそらく明治時代か大正時代くらいからだと思いますが)外国語を日本語の中に巧みに取り入れてきた、という見解が、学者をはじめ様々な人から示されてるのも認識しています

 

ほんとそのとおりだと思います

 

外国語の音をそのまま(日本語訛りですが)真似て、日本語の文法体系のなかで普通に使っています

 

意味は、原語とは変わってしまっていたり、文法的にも(品詞など)おかしい場合もありますが、ともかく、誰かが和訳を作り出す前に外国語をそのまま日本語のコンテキストのなかで普通に使い、しかもわりと急速に浸透しています

 

ここまで外国語が普通に(理解されているかどうかは別として)浸透している言語は、他にない気がします

 

たとえば「フリーター」とか「アルバイター」とか、英語の単語構造に日本語(和製英語)を当て込んで、そのまま日本語のなかで使うという、とてもアクロバティックな使い方を巧みにしています

 

これはとても面白いと思います

 

人を表す「-er」の語尾を付けるやり方は、他にもありました

 

最近では死語になったかもしれませんが・・・

 

たとえば「アムラー」

 

歌手、安室奈美恵さんを模したファッションをする人のことを、「安室」に「-er 」の語尾を付けて「アムラー」と呼びました

 

(今は、安室奈美恵さんのファンのことを指すそうですね)

 

 

写真出所:安室奈美恵主演映画DVD「ぼくたちの映画シリーズ That’s カンニング! 史上最大の作戦?」(アムラー 引退 お宝 山口達也 TOKIO) /【Buyee】 "Buyee" Japanese Proxy Service | Buy from Japan! bot-online

 

 

当時、みんなこんな(左側)の格好をしていましたねwww

 

 

「シャネラー」(シャネルブランド愛好家)という言葉は、アムラーよりも先にあったようですね

 

この日本語に-erを付けて有名人のファッションを受け入れる人のことを指す言葉が、その後もたくさん現れました

 

マヨネーズ好きを表す「マヨラー」なんてのもありましたね

 

このラーの「L」(R?)の音がどこから来るのかは疑問ですが・・・ ま、それはいいでしょう

 

これらはすべて外来語をベースにしてカタカナで書かれるわけですが、やはり日本には「外国へのあこがれ」というものが強いということの裏返しでしょうかね

 

その辺の文化的背景も、外来語や和製英語(和製外国語)の変遷を見てみると分かりそうで、そんな研究、是非だれかにやっていただきたいです

 

ハチハチハチ

 

こんな風に外国語が日常語に浸透する(しかも、小学生や高校生の若者にまで浸透する!)のは、世界的に見てとても珍しい現象のような気がします

 

文化的・歴史的背景も大きそうです

 

そこで気になったのですが・・・

 

「ユーチューバー」

 

この言葉の成り立ち、とても日本人っぽいなと思うわけです


「ユーチューブ」に -er を付けて、愛好家を指す名詞にしてしまうという・・・

 

「アルバイター」「フリーター」「アムラー」「マヨラー」「ユーチューバー」・・・

 

みたいに、同じカテゴリーに入りそうで、もしかしたら「ユーチューバー」も日本人が勝手につくった和製英語か?という思いがよぎったわけです

 

調べてみたら、はっきりしたデータはないようですが、英語では2006年に登場した言葉とWikipediaに記載されています

 

YouTuber - Wikipedia

 

公式のメディアに出てきたのは、2006年4月6日付けのニューヨークタイムズ紙

 

「One of the most discussed YouTube clips lately features a young woman..watching a video of another YouTube user, who is watching another YouTuber, and so on.」

 

とい記述が「芸術・文学」の記事に掲載されたそうです

 

日本でいつ「ユーチューバー」という言い方がされているか、確かな情報がないのですが、日本語の「YouTuber」のWikipediaには次のように書かれています

 

「YouTuberは、2007年5月ごろにYouTubeが閲覧数の多いユーザーに「YouTubeパートナープログラム」への参加を勧誘したことが始まりとされる。」

 

YouTuber - Wikipedia

 

このあたりから出てきたと考えれば、やはり「ユーチューバー」は日本人的な言葉の作り方に見えるものの、やはり語源は本家本元の英語(アメリカ)だったのだろうと推察します

 

外来語や和製外国語は時代によってかなり変遷がありますが、先ほども言ったように、この変遷をたどってみると、時代背景も見えてきたりして、とても面白そうですね

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました

 

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