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朝日新聞2021年9月11日土曜版
人生相談
50代男性、離れて暮らす大学生の息子さんから連絡を拒絶されました。
無視されて辛い日々を送っているそうです。
長年にわたるわたしの強圧的な態度に嫌気がさしたようです。
妻によると「アンタが悪い、急に大声で怒ったり、上から押さえつける言い方をしたり、とにかく謝るしかない」とのことです。
子供にとって私は確かに「パワハラ・モラハラおやじ」です。
言いわけですが、12歳で両親が離婚し、私には「良い父親モデル」がいませんでした。
この方、自覚はしているのですね。
全く無自覚のお父さんも結構いるようですが、そういう意味ではかなりマシです。
(息子さんにとっては全然あかんやろうけど)
やはり、この方の成育環境も荒んでいました。
かんしゃくもちの父親の顔色をうかがい、荒れていた兄にびくびくしながら生きていたそうです。
回答者の姜尚中先生は
明治の文豪・夏目漱石と似ていますねぇ、ですって。
夏目漱石は、かんしゃくを起こしては家族に八つ当たりするDVオヤジだったようです。
姜尚中先生の回答より
あなたも、苦学生として働きながら大学に通い、一家を構え、立派に子どもを大学に通わせるまでになりました。
きっとその間、艱難辛苦(かんなんしんく)の連続だったに違いありません。
それが報われたと思った矢先、自分の労苦の果実の恩恵で大学生になったような息子が、ただ楽をし、当の父親を蔑ろにしているように思えて、あなたは無性に腹立たしいのかもしれません。
そこには、苦労を知らない若者への一抹の嫉妬にも近い感情もあるのではありませんか。
強調は私がつけました。
見事な分析です。
私の父も母子家庭で苦労して育ちました。
私に対して似たような感情を抱いていると思います。
そのような言動がしばしばありました。
子どもである私にしてみれば、ものすごく恩着せがましいけど。
私はこういうオヤジに寄り添う気になれませんが、姜尚中先生は違います。
家族に対する愛情は誰よりも深く、不幸な生い立ちだったからこそ、家族を大切にしたのです。
(中略)
これまで自分に「弱み」を見せてはいけないと、張り詰めて生きてきただけに、「素直」になることもできず、どうしても「家父長的な」強い態度が表面に出てしまうようですね。
末尾にアドバイス。
これまで頑張った自分を褒めてあげましょう。
そしてもうこれからは無理をしないで気楽に生きていこう、
自分の弱みもさらして人生を楽しもうと、思いましょう。
そうすれば「負の連鎖」は必ず断ち切れるはずです。
新聞の人生相談だから明るく終わったのかもしれませんが、このお父さんが実行するのは激ムズだと思います。
しかるべき専門家の手を借りて、辛抱強く自分を見つめてください。
このような傾向があるお父さんは、こんなになる前に軌道修正してほしいな
残念、そういう人ほど自分にケアの必要があるとは微塵も思わないだろうけど。。。
「男の子でしょ、我慢しなさい」「男は弱音を吐かないものだ」という教えは有害ですね。
オヤジの1億倍気になるのは息子さん
このように育つと深く複雑なトラウマを負うことになります。
私もそのようなトラウマを背負いました。
今は安全なケアの手法もあります。
よき専門家との出会いと回復をお祈りします。