本記事はIEM Plug-in Suiteを使用し、独自のマルチチャンネルスピーカで再生した備忘録です。ベースで使用したソフトウェアはCycling '74 Max8です。やっとMax本来のオーディオ分野での使用が分かってきました。
リンク集:
Maxではトラック数の上限はない為、記事中で例に出ているREAPERよりも制限がありません。(Busの概念が無い)
試しに、3次アンビソニックスの16chでパッチを作成しました。
1次アンビソニックス→ 4チャンネル
2次アンビソニックス→ 9チャンネル
3次アンビソニックス→16チャンネル
4次アンビソニックス→25チャンネル
5次アンビソニックス→36チャンネル
6次アンビソニックス→49チャンネル
7次アンビソニックス→64チャンネル
アンビソニックスのチャンネル数対比表
参考Maxパッチ
2chヘッドフォンでのバイノーラル再生に絞ったMaxパッチ。しかしマルチチャンネルスピーカで再生したアンビソニックスの足元にも及ばない為、特に公開はしません(聴いても、ふぅん、で終わるかと思います)
やりたかった事は、
・モノラル音源を3次アンビソニックスにエンコードし、独自配列のマルチチャンネルスピーカ配置にデコードする
・5.1ch音源を3次アンビソニックスにエンコードし、独自配列のマルチチャンネルスピーカ配置にデコードする
・既存の独自配列のマルチチャンネルスピーカ用音源を3次アンビソニックスにエンコードし2chヘッドフォンバイノーラルにエンコードする
以上です。
繰り返しになりますが、結局のところマルチチャンネルスピーカが無いとパッチの意味を成さず、公開はしません。独自の球体配置マルチチャンネルスピーカであればほぼ対応できる事が伝われば幸いです。(対応できたから言って、商業レベルで通用するのかどうかは分かりませんが)
大まかな流れは、まずAllRADecoderでマルチチャンネルスピーカ配列を入力し、3次アンビソニックスでカリキュレートを行い.jsonでエクスポート。その.jsonデータを元に各プラグインを設定します。5.1chスピーカ配置もこのAllRADecoderで作成が可能です。
AllRADecoder。独自マルチチャンネルスピーカ配置をアンビソニックス化が出来る
.json形式のスピーカ配置を作成・書き出しが可能(これは5.1ch配置)
理想的な18ch配置の真下除外
MultiEncoder。5.1ch音源をアンビソニックス化するためのエンコーダプリセット
IEM Multi EncoderとEnergy Visualizer
IEM Room EncoderとEnergy Visualizer
5.1ch音源を再生している状態
モノラル音源を3次アンビソニックスにエンコードしている状態
Blog内参考リンク:
チャンネルベースでのチェックは物理面、個別再生の仕組みが完成している
マルチチャンネルマイクチェックの仕組みも完成している
施工する側の筆者は、システムの根本まで関与する事がまず無いため、実際にどのように鳴らすのか?鳴らせるのか?は未知数でした。ただ、Maxに触れてからは、実際の音源送出のシステムがどうであれ、自分一人でゼロベースから音源送出が可能な仕組みの構築が可能になりました。これはずっとやりたかった事の一つであり、今回試せた事はかなりの知見になりました。
ただ鳴らすだけなら、1台のPCを使い、「一人でオブジェクトベースの再生の仕組みが構築できる」のです。
本記事がどなたかの参考になれば幸いです。