ローカルエリアでのストリーミング配信を考える(3) | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

 

2018年最新ラインナップのXD233、LS423、XT1143ではflvストリームがデコード出来ないという問題が出た前回ですが、ここで当初の条件を思い出してみます。

 

1.物理的な距離が離れているところに映像を送りたい
2.物理的に通線を行う事は不可能だが、拠点間はローカルエリアネットワーク上にある
3.基本的に電源の操作のみで自動的にすべてが行われる
4.多拠点への映像配信も行いたい

 

3.基本的に電源の操作のみで自動的にすべてが行われるという要求をもう一度考え直し、ストリーミングクライアント側がハードウェアならばサーバ側も全てハードウェアで出来ないか考えました。
※ここでのハードウェアの定義は「製品として販売されている筐体に収められたもの」です。Linuxで動こうが、Windowsで動こうが型番がついて筐体に納まっていて製品として販売が可能なものはハードウェアです。

 

当初から、案としてあったが、デモをする前に消えていたAJA HELO案を復活させる事にしました。いきなりなぜAJA HELO?と思われるかもしれませんが、そもそも、このAJA HELOはSNSでの知り合いの方が宣伝をしており製品としては認知していました。そして何の偶然かたまたま社内に別件用で転がっていて実機でのテストが可能だったのです。と言うか、ここまで揃っていて、お前がやるんだよ、と言われているようでした・・・

 

 

イメージ 1
AJA HELOとBrightSign XD1030、XD233、LS423、によるハードウェア機器構成のみのローカルストリーミング映像配信テストをしている状態。これがレンタルすることなく全て揃った環境というのは会社のバックアップ無くして実現しえません

 

 

イメージ 2
AJA HELOのWeb設定画面

 

 

イメージ 3

 

イメージ 4
BrightSignオーサリングソフトBrightAuthorでビデオストリームを設定している状態

 

 

筆者は元々ポスプロ出身で、それより以前は映像設備系の保守業務をやっていた経歴もあり、この手の話には適性があり、テストは順調に行えました。
AJA HELOとBrightSignを組み合わせた人は初めてなのではないかと推測します。ただ、映像の知識とストリーミング配信の知識を必要とするのは確かで、実機があり、時間をかけて検証が出来なければなかなかやってみようかな?とは思えない機器構成です。

 

大まかな流れは以下です。

 

(ハードウェア)
HDMI出力映像

AJA HELO(フレームシンクロナイザ&ストリーミングエンコード&rtspサーバ機能。3〜10 クライアント対応)

H.264ストリーミング(rtsp)

BrightSign XD233、LS423、XT1143(XD1030は除外)

 

 

これが最終案の3です。
案3 AJA HELO(フレームシンクロナイザ&ストリーミングエンコード&rtspサーバ機能)でストリーミング配信を行いBrightSign(ハードウェアストリーミングデコードクライアント)で視聴する

 

BrighSignの日本代理店であるジャパンマテリアルに最新型の機種でflvストリームがデコード出来ないのはなぜかを問い合わせはしましたが、理由は特になく対象外との返答を頂きました。
※コンテナはH.264なのでなんらかの方法があるかとは思いますが、時間の関係上それ以上はテストを行っていません。
XD1030ではflv対応しているが最新機種では非対応、と言う事は新旧でストリーミングに対しての挙動が違うのかと思い、テストを行いました。結果は以下。

 

 

BrightSign ストリーミングデコードテスト
********************
型番:XD1030

 

 

flv H.264 OK

 

 

rtsp H.264
Baseline OK
Main NG
High NG
********************
型番:XD233,LS423,XT1143

 

 

flv H.264 NG

 

 

rtsp H.264
Baseline OK
Main OK
High OK
********************

 

 

なんと、XD1030ではH.264ストリームのベースライン以上が非対応でした。いままでBrightSignを仕事で散々触ってきましたが、型番によって機能が決定的に違うと言う事実に初めて気が付きました・・・

 

本件は以上で終了です。設定などはケースバイケースですので何か質問がありましたらコメントを下さい。AJAもBrightSignも相互的に接続を行う保証はありませんので、以上の内容を参考にする場合は必ずテストを行ってくださいね。上記にも書いてはありますが、ストリーミングサーバをAJA HELOで賄う場合は3〜10 クライアントのみの対応となりますので注意が必要です。
※こちらでは2018年2月現在、AJA HELO Software Version 2.0.1.6-7rで1080p@24を入力すると配信3時間程度で挙動がおかしくなる例が確認されています。機器本体を交換しても同様の為、バグだと思います(報告済み)。

 

本件がどなたかの参考になれば幸いです。