Rational Acoustics Smaart I-OをWDMで使う場合の注意点 | 音響・映像・電気設備が好き

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※本記事は子記事です。親記事は「Rational Acoustics Smaart V.7を導入してみました」ですので、Smaart関連の記事をお探しの場合はそちらの一覧をご覧ください。

 

Smaart I-O購入時からの問題だったのが、WDM(Windows Driver Model)で使用する場合、リファレンスに内部ジェネレータを使用するとディレイ算出がうまく行かないという症状。これは他のオーディオI/FをASIOドライバで使用する場合は問題にならず、あくまでWDM(Windows Driver Model)での問題なのですが、なんとSmaart I-Oは純正ドライバでASIO対応していません。

 

 

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Smaart I-O の理想の使用方法とSmaart I-O の実際の使用方法※Windows WDMの場合

 

 

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リファレンスシグナルに内部ジェネレータを選択することが出来るが・・・

 

 

Smaart I-Oは2CH入力オーディオI/Fなので、マイク2本を接続し、リファレンスを内部ジェネレータに設定で使用するのが理想だとは思いますが、この接続方法ですとWDMの都合なのか、オーディオの送出ディレイ(レイテンシ)が一定ではなくなります。

 

 


Rational Acoustics Smaart I-OをWDMで使う場合はリファレンスに内部ジェネレータを使用できない

 

 

試しに、Smaart I-Oのアウトをインに戻し、リファレンスを内部ジェネレータに設定してみた動画です。ピンクノイズの発生→停止を行うたびにディレイ数値が変わります。

 

 

考えてみると単純な話なのですが、内部ジェネレータをリファレンスとして考えた場合、DA変換の分で既にディレイ(レイテンシ)が発生しています。
ASIOドライバの場合、このDA変換の遅延は一定なので定数を覚えておけば良いのですが、WDMでドライブする場合は処理の順番が毎回変わるのか、ピンクノイズの再生タイミングでディレイ数値が変わるという症状が発生してしまうと言うわけです。

 

 

この問題がある限り、Smaart I-O単機ではトランスファ測定をマイク2chで行うことができません。
※但し、ディレイ算出結果を無視する、という条件なら可能です。

 

 

純正ドライバでASIO対応しない限り、解決しない問題なのですが、購入から数年経ってしまった今でも対応されていないのを見るとこれは・・・