Intel Quick Sync Video(QSV)を使ってみる | 音響・映像・電気設備が好き

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インテル・グラフィックス・テクノロジーが組み込まれたインテル Coreプロセッサーに内蔵されたビデオエンコード専用処理機能、Intel Quick Sync Video(QSV)を使ってみる話です。

QSVが機能する為にはOS、アプリケーション、パソコン構成、エンコードの種類(MPEG2/MPEG4 AVCのみ)など様々な条件が合致する必要があります。
今回試した環境は、パソコン Panasonic TOUGHBOOK CF-C2C(CF-C2CHCZZBJ)、OS Windows 8.1 Pro、アプリケーション Grass Valley EDIUS Pro 7(ver7.50)とSony Creative Software Vegas Pro 13です。

参考リンク:EDIUSでのQSVの話
Quick Sync Videoの確認 EDIUSWORLD.COM
http://www.ediusworld.com/jp/tips/cat15_108.html

Panasonic TOUGHBOOK CF-C2C
http://blogs.yahoo.co.jp/linear_pcm0153/39590782.html

Grass Valley EDIUS Pro 7でIntel Quick Sync Video(QSV)

EDIUSではIntel Quick Sync Video(QSV)が有効な場合は、AVC/H.264エンコード設定に「ハードウェアエンコードを使用する」というチェックボックスが表示されます。

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Intel Quick Sync Video(QSV)非対応の場合

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Intel Quick Sync Video(QSV)対応の場合

EDIUSを古くからご存知の方(筆者はDVStormRT & EDIUS 3世代)は、ハードウェアエンコードと言うとFIRECODER Bluを思い出すでしょう。
※Cellマイクロプロセッサのアーキテクチャを使用している話題の製品だった(当時のCellと言えばPS3とコレ。超解像とかPS3のアプコン機能とか懐かしい以下略)
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FIRECODER Blu。これにQSVは性能が優っているかもしれませんね・・・
※後日、計測してみたら互角でした

それはさておき、以下、エンコードタイムです。

ソース:1920×1080@23.98fps 約2min

エンコード設定
プロファイル:High
AVC/H.264 VBR
平均ビットレート:25Mbps
最大ビットレート:35MBps
画質:標準
オーディオ:AAC 192kbps 2ch

ノートPC i5 4300U
CPUエンコードタイム: 6:29
QSVエンコードタイム: 0:31

デスクトップPC i7 4930K
CPUエンコードタイム: 3:29

・・・早い・・・早すぎる・・・なんだこの速度・・・

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比べてみても多少の容量の誤差があるだけ。画質に関しては、ビットレートが高すぎてちょっとパッと見は分かりませんでした。

Sony Creative Software Vegas Pro 13でIntel Quick Sync Video(QSV)

VegasではIntel Quick Sync Video(QSV)が有効な場合は、SONY AVCエンコード設定の
エンコードモードに「Intel Quick Sync Video(品質)/(スピード)」というドロップダウンメニューが表示されます。

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SONY AVCエンコードのみで有効。

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エンコード設定のカスタムから「GPUの確認」でIntel Quick Sync Video(QSV)が使用可能か判断できます。※ビットレートやCBRのみなどの制限あり

以下、エンコードタイムです。

ソース:1920×1080@23.98fps 約2min

エンコード設定
プロファイル:高
AVC/H.264 CBR
ビットレート:20Mbps
※21Mbps以上はQSVが無効

オーディオ:AAC 192kbps 2ch

ノートPC i5 4300U
CPUエンコードタイム: 4:35
QSV(スピード)エンコードタイム: 1:35

EDIUSほどの差は出ませんが、早いですね。


品質はさておき、時間が大分軽減されるので、設備業としては、時間に追われている場合でのサイネージへのテスト映像のエンコードやプレビュー映像提出でとても役に立つ機能だと感じました。

これを書いた夜、EDIUS Pro 8が発表されました。今度はQSVをデコードにも利用するとの事です。

参考リンク:EDIUS Pro 8 製品情報
http://www.grassvalley.jp/products/edius_pro_8.php
H.264 ハードウェアアクセラレーションデコード
従来バージョンでは、エンコード時にのみ使用されていた、Intel(R) Quick Sync Videoハードウェアアクセラレーションを編集時(デコード時)にも使用できるようになりました。特に、4K編集のための十分なプロセッサ性能を持たないラップトップ環境において、4K 30p/24pのH.264素材の編集を行う場合などで、編集パフォーマンスが大きく向上します。また、EDIUS Pro 8は、Intel(R)社製の Coreプロセッサに最適化されています。 
しかし、時代の進歩って凄いですね・・・映像制作から離れて久しいですが、こんなにも進歩するとは驚きです。