Dante Virtual Soundcard(DVS)を買ってみた | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

Dante施工が今後増えるかなと思い、勉強の為、Dante Virtual Soundcard(DVS)を買ってみました。カード決済で簡単に買えます。

 

 

 

PCのNIC(ネットワーク・インターフェイス・カード)をDanteのオーディオ・インターフェイスとして扱えるアプリケーションです。

 

 

 

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Dante Virtual Soundcard設定画面

 

 

 

 

Windowsを使っているので、筆者の環境では、WDM(Windows Driver Model)で16in 16out(固定)、ASIOで最大64in 64out(2の倍数可変)まで可能です。
IPアドレスを見ると、リンクローカルアドレス(169.254.0.0/16 ※実質は169.254.1.0~169.254.255.255)が割り当てられていますが、Danteの仕組みとして、基本的に「何の設定も行わず機器を使用可能にする」事を実現しており、AutoIP(APIPA)のIPアドレス自動割り当て機能を利用したAppleのBonjourという技術が使われています。よって、Mac OSではそのまま使用できますが、Windowsの場合はiTunes(Bonjourの技術を使用している為)かBonjour for Windowsそのもののインストールが必要です。※2020年現在ではWindowsにおいてはBonjourではなくDante Discoveryと言うアプリケーションを使用します。
最初はIPの割り当ての法則がわからず、DHCPサーバ不在なので、パソコン側をDanteネットワークのリンクローカルアドレスの適当な値に固定で合わせていました(笑)基本的に、すべて自動でOKです。
※リンクローカルアドレスの時点で、あ!固定に変えないと!って条件反射で思いますよね(笑)
※環境にもよりますが、対ウィルス用ソフトウェアが干渉する場合がありますのでネットワークに対する知識が必要です。

 

 

参考リンク:
Wikipedia Bonjour
http://ja.wikipedia.org/wiki/Bonjour

 

 

とにかく、Ethernetのポートがアプリケーションだけでオーディオインターフェイスになるのですから、夢のような話です。

 

 

出入力インピーダンスによるレベル差を考えるで、Danteネットワークの機器に対してリファレンスレベルを送ると言うことをやりましたが、DVSがあれば、WaveGeneを使用してパソコンがオーディオジェネレータになります。(同様にWaveSpectraがアナライザになる)
 

 

 

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参考までに、efu's pageさんのWaveGeneをASIO駆動し、Dante Virtual Soundcardに割り当てる例。
当たり前ですが、ここで発生させる-20dBFSはDanteのどの機器にとってもー20dBFSです。

 

 

 

 

 

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ASIOで2ch使用しているくらいではネットワークを全然圧迫しません。

 

 

 

 

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また、送出の場合と同様に、音声を受ける場合も、同じレベルで受けれます。
※YAMAHA QL1からのー20dBFS信号を受ける例
※使用アプリケーションはSONY Vegas Pro13.0です。

 

 

 

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こちらは、DVSからDVSへ音声をもらって録音テストをした状態。素晴らしいですね・・・
余談ですが、ASIOでパソコン側から再生する場合はアプリケーションによっては、アプリ側からサンプリングレートをロックしに行く場合があります。Danetネットワークのサンプリングレートが再生音源と異なる場合は注意が必要のようです。※SONY Sound Forge Pro11.0で再生した時にこの問題に遭遇。と言っても、ASIOを普段扱っている人には常識だとは思いますが・・・

 

 

 

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AutoIP(APIPA)によるIP自動割り当てなので、Windowsを使用する方はコマンドプロンプトで「arp -a」(LANにつながっている機器のIPアドレスからMACアドレスを調べた結果を表示する)コマンドを覚えておくと良いと思います。YAMAHAのDante機器の名称は、MACアドレスの後半が使用されていましたので、arpコマンドと合わせると、IPアドレスを調べるのが簡単になります。(DanteControllerの方が早いかもしれませんけど笑)
 

 

 

 

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ノートPCのHDMIアウトから映像を、映像の音声はDante Virtual Soundcard(DVS)から出力している例。かっこいい!!

 

 

就職したての頃、設備用のネットワークオーディオの世界と言うものを見せられ、これが一般レベルに降りてくるのは一体、何年先なのだろうか・・・と思ったのも束の間、10年しないうちに浸透してきました。恐ろしい速度です。映像もネットワークで、それも圧縮されたものではなく、リアルタイムで非圧縮伝送が出来る時代もきっともうそこまで来ている事でしょう。