CANARE BCP-A5FとBCP-B5Fの違い | 音響・映像・電気設備が好き

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CANARE BCP-A5FとBCP-B5Fの違いです。

 

以前、CANARE BCP-Aシリーズの紹介で切削からダイキャストBNCコネクタになったと述べましたが、今回はそれの上位規格である BCP-Bシリーズと、BCP-Aシリーズの比較を載せてみました。線種は5CFB用です。※Bシリーズは高周波対応なので5C2Vや3C2V用のコネクタはない

 

 

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CANARE BCP-A5FとBCP-B5F。パッと見の区別はBCP-PCシリーズ(廃番)の時とは違い困難です。区別する場合は、フチの一周モールドを手がかりにするか、型番彫刻です。
性能比較ですが、BCP-Aシリーズが2GHzまでVSWR1.1 以下、3GHzまでVSWR1.2以下、BCP-Bシリーズは3GHzまでVSWR1.1以下と高スペックです。

 

 

さて、価格が同じなこのAとB、どういった使い分けをするのか?ですが答えは簡単です。
カナレの同軸ケーブルを使用する場合は、BCP-B5Fを、汎用同軸ケーブル(S-5CーFBなど)を使用する場合はBCP-A5Fを使用します。
※中心コンタクトはB11020D、圧着スリーブはB75004Aと同じです。

 

 

なぜこういった2種類の製品が同価格帯で出ているのか?こちらも答えは至極簡単で、世の中にある5CFB系の同軸ケーブルの寸法がまちまちだからです。
ちなみにコネクタを実測してみると・・・

 

 

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ローレット部分の外径がBCP-A5Fは約φ6.9mm、BCP-B5Fは約φ7.2mm。

 

 

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絶縁体収容内径がBCP-A5Fは約φ5.2mm、BCP-B5Fは約φ5.1mm。※これは計測誤差かもしれません

 

 

ケーブルメーカであり、コネクタメーカでもあるカナレにしてみれば、コネクタ単体の特性が如何に優れていようとも、接続されるケーブルそのものが自社製品以外の低品質なものであればそれは意図した設計ではありません。しかし、全てをカナレのケーブルで敷設するほど現場の予算は無いのが現実です。※筆者ももちろん廉価なS-5C-FBを仕事では使用しています。

 

 

その対策のために、同価格帯、(一部)同一部品で構成されている2種類の製品が出ているのだと思います。

 

 

最後に、やはりそう来るか、と大事なことなのですが、廉価なS-5C-FBは編組がカナレ製品に比べて非常に薄いため、クリンプハイトを変える必要があります。

 

 

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そのため、BCP-PCシリーズ(廃番)同様BCP-A5FにはTCD-5CFでなくTCD-35CAを使用します。

 

 

このダイスを変えなければならない部分は施工品質の上では重要で、間違えてはならないポイントだと思います。※廉価なS-5C-FBにBCP-A5FをTCD-5CFで圧着すると圧着スリーブが簡単に抜ける

 

 

参考になれば幸いです。