CANARE BCP-CとBCP-PCの比較 | 音響・映像・電気設備が好き

音響・映像・電気設備が好き

「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

カナレの圧着式BNCコネクタBNC、BCP-CシリーズとBCP-PCシリーズの比較です。

BCP-Cはコネクタ本体部分が「削り出し」で出来ており、対してBCP-PCは「プレス加工+ダイキャスト」と簡素化されており、Cシリーズに比べて25%のコストダウンが図られています
両者の違いは製法だけでなくVSWRが前者は2GHz まで1.1 以下、後者が1GHz まで1.1 以下と高周波数帯域に対する損失が違います。※VSWRについては、一応理解しているのでいつか説明できたらします。

今回のメインは写真です。カタログなどでは良く分からない細部が伝われば幸いです。
ストロボ(一部リングライト)だけの撮影ですが、これが自宅での限界です(笑)

イメージ 1

イメージ 2
左がBCP-C3B、右がBCP-PC3です。この並びは以下共通です。
全体的に、PCシリーズが表面仕上げが雑な分チープであるのがお分かり頂けると思います。
※圧着スリーブ(BN7003A)、中心コンタクト(B11014E)は同じ型番ですので省いています。
※両シリーズ、5C・3CFB・5CFBも圧着スリーブ・中心コンタクト共に同じですが、なぜか5CFBシリーズのみ指定圧着工具が違います。なぜなんでしょうね?(BCP-C5FAはTCD-5CFなのに対し、BCP-PC5はTCD-35CAです。恥ずかしながら最近知りました。)
参考リンク
CANARE BCP-C5FAとBCP-C5Bの違い


コネクタ抜き差し用の滑り止めローレット加工はBCP-Cシリーズのみとなっています。


イメージ 3
このアングルですと、切削加工とダイキャストのままの違いが出ています。
※筆者は、趣味で言うなら削り出しの方が好きです。

ちなみに中心コンタクトを保持する絶縁体の形状が違いますが、これに関してはどちらが良いのか分かりません…。加工的にPCシリーズの方が手間な気がするのですが、どうなのでしょうね?
中心コンタクトをはめるときは、BCP-Cシリーズではポツという感覚しかありませんが、BCP-PCシリーズでははっきりとポチッとはまります。この差し込む感覚はBCP-PCシリーズの方が好きです。
※BCP-PCシリーズに慣れ過ぎると、BCP-Cシリーズでの中心コンタクトはめ込みが不安になります(笑)


イメージ 4
編組を保持する部分です。
BCP-Cシリーズでは切削&ローレット加工されているのに対して、BCP-PCシリーズではプレス加工です。
この部分は、機械的にBCP-Cシリーズの方が編組の保持力が上のはずです。

BCP-PCシリーズですとCANARE BCP-C3B製作方法で紹介している編組の切り方の難易度が高いかもしれません。


イメージ 5
BNCのロック部分の比較です。

切削とダイキャストの違いがこちらでもお分かり頂けると思います。

BCP-Cシリーズではミルマーク(切削跡)が残っていますね。切削・表面仕上げなし、なのでしょうが筆者はミルマークを残した方が好きです。建築デザイナがコンクリート打ちっぱなしを好むのと同じ道理かもしれません…。


現在の仕事に就くまでBCP-PCシリーズは使用したことがありませんでしたが、最近は逆にBCP-Cシリーズを自宅以外で見なくなりました…。
コストパフォーマンスを考えるなら圧倒的にBCP-PCシリーズに軍配が上がるのは間違いがないですが、個人的にはBCP-Cシリーズの方が好きです(笑)