ポケットテスタとオーディオアナライザの周波数帯域別感度 | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

過去に書いた「音声の絶対レベルを測定する」の続編です。
ACミリボルトメータ(ミリバル)というTHD測定には欠かせない、可聴周波数帯域内なら絶対レベルが測定できる測定器があります。この「周波数帯域別の測定」これがとても重要なポイントで、ポケットテスタでは補えない重要な部分です。一見にしかずですのでこれを実測し、写真を撮ってみました。ACミリボルトメータは所有していないので、代わりにオーディオアナライザを使用しました。

使用する測定器はジェネレータにNTi MR-PRO、ポケットテスタにSANWA PM3、HIOKI クランプオンハイテスタ3280-10、アナライザにNTi ML1を使用しました。全てパラレルに接続し、周波数帯域別に電圧を比較します。

1kHz

イメージ 1
周波数:1kHz、電圧:1V
SANWA PM3:0.984V
HIOKI 3280-10:0.982V
NTi ML1:0.999V

なかなか良い結果です。

50Hz

イメージ 2
周波数:50Hz、電圧:1V
SANWA PM3:1.003V
HIOKI 3280-10:1.003V
NTi ML1:0.998V

まったく問題ありません。ちなみに、50Hzや60Hzがポケットテスタが設計上想定されている測定周波数です。

4kHz

イメージ 3
周波数:4kHz、電圧:1V
SANWA PM3:0.818V
HIOKI 3280-10:0.808V
NTi ML1:1.000V

ちょっと厳しくなってきました。

10kHz

イメージ 4
周波数:10kHz、電圧:1V
SANWA PM3:0.449V
HIOKI 3280-10:0.493V
NTi ML1:1.006V

ダメです。ここで半分です。

20kHz

イメージ 5
周波数:20kHz、電圧:1V
SANWA PM3:0.171V
HIOKI 3280-10:0.284V
NTi ML1:1.027V

まったく当てになりません。

イメージ 6
グラフ化しました。

このように、ポケットテスタではある程度の周波数を超えると実測が出来ないことがわかります。ACミリボルトメータ(ミリバル)やオーディオアナライザとは全く別物と言うことが分かりましたが、裏を返すと、そこそこの周波数(今回の例で言うと1kHzくらい)までは大体合っている数字を出すということがお分かりになったかと思います。