同軸ケーブルの特性インピーダンス | 音響・映像・電気設備が好き

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映像用同軸ケーブルの特性インピーダンスは75Ωが採用されている、と映像系の方々には周知のことですが、ではその「特性インピーダンス75Ωはどうやって保つのか?」の話を今回とりあげます。

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同軸ケーブルは上記のように、外部導体、絶縁体(誘電体)、中心導体(内部導体)の3つから構成されています。
※中心導体のみで伝送されるのでアンバランス伝送となっています。
※名称の表記は参考書によってさまざまですが、無線分野ではカッコ内の名称が正式のようです。

どうやって75Ωを保つのかですが、以下が特性インピーダンスの公式です。

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この図式だけで説明は済んでしまうのですが(笑)ここから分かることがあります。

1.コネクタや変換アダプタのインピーダンスもこの公式で成立している。※安価なものには注意ということ
2.一番の理想的な絶縁体は空気であるが、空気だけでは外部導体と中心導体の位置関係を保持できないので電気特性の良いポリエチレンを使用している。比誘電率を下げるために発泡させる(空気に近づける)方法は非常に有効だが、発泡させすぎると強度が保てなくなるので両者のバランスが大事。※通常発泡で比誘電率εは1.5、高発泡で1.2くらいとされる。大型のケーブルになると、中心導体の保持をポリエチレンのらせん状スペーサで行い、比誘電率を空気とほぼ同等とするものもあります。
参考:http://www.hitachi-cable.co.jp/catalog/W-305.pdf
3.外部導体内径Dを一定とすると、絶縁体の比誘電率εの値が小さくなるほど、中心導体dを太くすることが出来る。※径が太くなれば電気抵抗が低くなる。

これに追加する情報として以下に2つ取り上げます。

1.ケーブルの減衰量は1℃あたり0.2%変化する
2.ケーブル内の信号伝播速度は空気中と比べて1/√ε遅延する。※波長短縮率

※この辺は、勉強したとき結構変わるんだな、と思った部分であり、ピュアオーディオもそうですが、ケーブルの温度や絶縁体の種類が伝播される信号にあたえる影響も忘れてはいけないということですね…。

結構、専門的な話で、個人の勉強では追いつかない部分であり、講習会へ行かなければ理解が及びませんでした。ここからさらなる高みへ行くとすると完全に専門外になりますので筆者が理解できているのはこの辺までです(笑)


参考資料:
第2級有線テレビジョン放送技術テキスト 技術
音響・映像マニュアル2008 ケーブル・コネクターの種類と規格
映像情報インダストリアル2009年9月号 第92回 光と光の記録
※今月号の映像情報インダストリアルの光と光の記録に取り上げられていたのは全くの偶然です。