2値同期と3値同期 | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

アナログ映像の同期信号には2値同期と3値同期の二種類があります。ちょっと調べたことをまとめてみました。
両者は以下の様な違いがあります。

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GNDと負の値の2点を取る2値同期(2値シンク)はNTSC、480i、480pのアナログ伝送に採用され、GNDと負と正の値の3点を取る3値同期(3値シンク)は1080i、720p、1080pのアナログ伝送に採用されています。
※NTSC(コンポジットビデオ)の振幅幅は40IRE(0.286V)です。



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2値同期は0V(グランドレベル)から、負の電圧へ-0.3V(NTSCの場合は-0.286V)降下する中点が同期のトリガ(中点の定義は平均値ではなく、絶対電圧で、この場合は0Vから-0.15V(0.143V)負の電圧へ移動した時点が同期トリガ)なので、スレッショルドレベル差による時間差が発生しますが、0V(グランドレベル)から、負の電圧へ降下し、正電圧へ立ち上がりきった平均値が同期トリガの3値同期は振幅幅の変化に影響されません。(中点の定義が平均値なので絶対電圧はありませんが、基準数値は0.6Vp-pになります)
このような理由から正確なタイミングが要求されるハイビジョン伝送に使用されています。


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Tektronix TDS220で480pの2値同期と720pの3値同期を実際に測定しました。
送出はSONY PS3で行っています。Thomson Canopus HDSTORMでも結果は同じでした。
※PS3をハイビジョン映像送出サーバとして考えたらめちゃくちゃ安いというのはmwdgp559さんと良く話題になったものです。
我が家のLEADER 5872AはNTSC専用ですので測定が出来ないのです……480pはまぁ無理やりできますが…。
2値同期はコンポジット信号の場合は40IRE(0.286V)ですが、D端子に代表されるようなコンポーネント信号では0.3Vとなり、振幅が2倍になる3値同期では0.6Vとなります。

参考:
ビデオ撮影&編集のQテイク
http://www.eonet.ne.jp/~qtake/1-5.html